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思えば最弱、気付けば最強

なんだか、前回、前々回がかなーりブラックでしたね...

今回は少し進めて、明るく生きたいな


「し、師匠、これはどういう事でしょうか...?」


「そいけん、もうだいぶ強なったから下さ降りてさ

自分がどこまで通用すっとか試してこい言うてるやろ」


この田舎訛りが丸出しの初老が私の師匠だ。

名を変えた私はフィルリオと名乗り、魔術を極めたと自称する彼の元に弟子入りしたのだ


弟子入りして五年経った今日

師匠から最終修行として他国で自分の力がどこまで通用するのか、その地で自分の力を極めてくるよう言いだされている。


「しかし、師匠

私は常識を知りません。お金も無く、私を証明出来るものも一切持ち合わせて無いのです。

その状態で他国に移り住む事など出来るのでしょうか」


師匠の教えにより、読み書きやある程度の礼儀作法は学ぶことができた。

しかし、名前も変えている為私自身を証明する手段も無ければ、生活に必要なお金も無いのだ


「そげな事言うても知らん

自分の力で生きてく術は教えたとやけんが後は自分でやってみろ

金が無ければ、自分で稼げば良かろう。

自分を証明出来んでも何とかなるさ」


何とかって何だよ...


______________


そういう流れで、師匠と五年暮らしていた小屋から追い出され

宛ても無く、丸腰状態で山を降りることになった。

持ち物は選別代わりに渡された一本のナイフ。それも、食事の時に用いるらしい銀食器(シルバー)だった。


「こんな装備で大丈夫なのか...?」


師匠の話によると、ここから一番近い国はルバンス帝国、その次はミラルート聖皇国らしい。

この装備で遠い場所を選ぶのは、少々危険すぎる。

取り敢えずは一番近いルバンス帝国をめざすことにしよう。


「ギャアアス!!!」


小屋を出て、体内時間では三時間。

山道も終わり、麓の森の中に入って直ぐだった

目の前から一頭の熊、それも頭には一本の角が生え全身を薄い水の膜で覆った生き物が現れた。

「一本角の熊...間違いなくランクBホーンベアー。

小屋を出て初めて会う生き物がコイツとは、粋だねぇい...」


使い方も意味も知らないけどイントネーション的には間違ってないだろうし、それよりもこのサイズなら二、三日は食料に困らんだろう


銀食器(シルバー)を構えて熊(?)を見据える。

勿論、ナイフは右手に構えている。


先に動いたのは熊。

勢い良く距離を詰め、首めがけて右腕を振り落とす。

今までの獲物にならそれは必殺の一撃だっただろう。

しかし、相手が悪かった


ここでおさらい

フィルリオは腐っても最強のスペックを有していた。


フォルリオは知らなかったが、師事を引き受けたのは数十年前まで最強のランクを授かっていたエルシオ・リンクス。

家名を名乗る事を許可されており、最強の戦士として、更には最高の魔術師として名高い人物の弟子として五年教えを受けていたのだ


そう、熊如きに遅れを取るわけが無いのだ


フィルリオは振り落とされる右腕を紙一重に交わし、ナイフを首元に突き刺し、ナイフが折れてしまわぬ様に、素早く丁寧に一閃。

血が噴き出し辺りを朱に染めていく。


「血抜きも出来るからちょうど良かったな

ある程度抜き終わったら移動しよう、どうせこれ以上持ち運べない。

無駄に殺していくのは悪いからな」


この森に、フィルリオの相手が務まる生物はほとんどいない。

その事はフィルリオも自覚していたし、正直慢心していた。



だから、フィルリオは考えなかった。

ここが誰の領域であるのかを...

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