あの日あの時あの場所で
S。
Supreme のS 他を超越を意味する。
Super のS 最高を意味する。
すなわち、Sランクというのは他を超越した最高の証。
俺もそうなる筈だった、この世界で“再び”生を受けるまでは...
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死ぬのは簡単だった。
あの日
あの時
あの場所で
あの人から...
やっと死ねたと思えたのに...
目が覚めた。といっても、意識したの方が正しいのかも知れない。手足の感覚は無く、体を起こす感覚も無かったが次にふと気付けばそこに立っていた。
(死んだら何も無いと言うけど、無など無いじゃないか...)
手足の感覚がじんわり戻ってきた
顔を動かせることを確認して、目を開く。
目に映るのは有なるもの、しかし無でもあるもの
理解が追い付かなかった
それでも状況は変わっていく。
「おはよう。
目が覚めたんだね、おめでとう
そして残念だったね。
君を産まれ直してあげるよ
そう簡単に死ねるって思わない事だね
....これは君に与える罰なんだから」
ソレはそう言い手を翳す。
再び、身体から感覚が抜けていく
身体が中心から崩れていくのを感じながら
かつて、俺だったモノは終わりを受け取り
俺は始まりを告げられた。
何故?そういう疑問が言葉にならず抵抗出来なかった。
ソレは一人話続ける。
「君に不死は与えられなかった。
それでも、それに近しいモノは与えられそうだよ
たっぷり後悔しておいで
そして–––になりなよ」
もう何も見えない。何も聞こえない。
(ああ、これが無なのか...)
ここで意識が完全に途絶えた。