かしこまりました。
人間らしさを研究している博士は、ロボットに新しいプログラムを追加した。
「洗濯をしてくれ」
「かしこまりました」
ロボットは掃除機をかけ始めた。
「それは洗濯じゃなくて掃除だろう」
「そうですか」
「わかった、それじゃあ料理を作ってくれ」
「かしこまりました」
ロボットは焼いたパンと、バターを一欠片のせた皿を博士の前に置いた。
「おい、こんなものは料理じゃないぞ」
「そうですか」
「仕方ない、風呂に入るから準備してくれ」
「かしこまりました」
ロボットは部屋から出て行ったっきり、なかなか戻ってこなかった。
博士が文句を言いながら風呂場に入ると、そこには洗濯機を回しているロボットがいた。
博士は溜息をついてロボットを止め、新しいプログラムをただちに削除した。
「気まぐれ、はやめた方がいいな」
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