蒼葉 夜は思う
蒼葉 夜 視点で話は少し遡ります
私は突然生まれた、気付いたらここにいた。
初めて歩くのに、初めて喋るのにその全てが今までやってきたことのように普通にできた。
私は目覚めた瞬間に自分がどういった存在なのか理解した。そして、目の前で寝息を立てられている我が主様の元へ行く。
「主様、主様!起きてください!朝ですよ」
「んっ、んあーもう朝か」
その声を初めて聞いた。私を創造された主様。
この世界の誰よりも愛おしいそんな存在、
たとえこの命がつくられたものだとしても、この気持ちは私自身の気持ちだ。
「夜!もう目覚めたのか!おおー、成功してよかったぞ」
主様は私が生まれたことを喜んでくださっている。
心の底から滲み出てくるこの感情が何なのか私にはまだわからない。
それでも、私はこのお方に一生ついていこう、そう誓った。
主様が着るものをくださった。
主様が作ってくださった服を着れることが嬉しくて、少し顔が赤くなってしまう。
服を着終わり主様のところへ戻ると、私は朝食の準備をしますので少しお待ちくださいと伝えた。
「ああ、いいよもう作ってあるし」
そう言われてしまった、。
主様に朝食を作らせてしまった、と思う反面主様の料理を食べられる、そう思うと心が踊ります。
私は主様に捨てられたくない、その想いから主様にはどこか気を使い過ぎてしまうらしい。
そんな私に主様は「そんなに俺に気を使うな、これからも共にいるんだったらな、せっかく生まれた命なんだもっと人生を楽しめ」
そう言ってくださいました。
主様にこんなことを言わせてしまうなんて、そう思いました。
だからこれからは主様の傍で最大限お力になれるよう精進していこうとそう思います。
それと、主様の料理はとても個性的でよかったのですが、これからは私が作ろうと思いました。
決して、美味しくないわけではありません、ただ少し個性的だっただけです…。
その後も主様とはいろいろと話したり、この森の探検などをしました。
こうして私の1日は終わっていきました。
主様と過ごす1日は、とても楽しく、面白い事ばかりです。
主様はいつも私を笑顔にせてくださいます。
とても楽しく、いつも明るい主様、
だけど、そんな明るさの裏にある過去を、今までに主様が味わった壮絶な過去を私は知ってしまっている。
主様は、おそらくこのことには気づいてらっしゃらない。
打ち明けるべきか迷い、結局タイミングを逃してしまいました。
主様の過去、その辛さを知っているだけで全てを理解することはできないけれど、それでも私は少しでも主様の支えになれるようこれからも主様の傍に居続けたい、そう心から思います。
「夜!こっち来いよ、面白い魔物見つけたぞ」
「はい!主様」
ほら、こいつここ押すと透明になんだぜ。
すごいですね、主様//
(だからどうか、これからもよろしくお願いしますね、主様)
明日からはもっと、主様に寄り添えるよう努力して行こう。そう思う、夜だった。
この回は少し短めだったので本日2話目の投稿にさせて頂きました
前話と時間がずれてしまいすみません( ̄^ ̄)ゞ