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理解



はい、始まりました。魔族の男女2人組への質問コーナー!!パチパチパチ!


それでは早速質問していきましょう。


「え〜、ではまずお二人はどんなご関係なんでしょうか?」


「え?…」

男の方が質問の内容に驚いている。


「どんなご関係なんでしょうか?」ニコッ


「ひっ…お、俺たちはただの同僚です。今回は魔王様の命令で一緒にこの街に潜入していましたが普段は話すこともありません」


なるほど、本当に俺の質問に対して正直に答えるんだな。記憶で見る限り今言ったことは本当のことだ。

それならこの質問は答えるかな。


「魔王の名前を教えてくれ」

これは自分達が仕える者の情報だ。そう易々とは話さないと思うが…普通だったらだけど。


「魔王、クオレマ・オリム様です」

はいバカでした。


正直に答えやがった。


「お前ら…忠誠心とかはないのかよ。お前達の王だろ。そんな簡単に情報を漏らしていいのか?普通、お前に教えるぐらいなら死んでやる!…ぐらいするじゃないか」


「俺たちは忠誠心より自分の命の方が大切なので!それに…今回の命令には正直乗り気ではなかったんですよ。というか魔王様の命令には全部乗り気じゃありませんが」


なんだそれ。


「私も同感です」

女の方も男の意見に乗ってきた。魔王さん!自分の配下に散々言われちゃってますよ〜。


まあとりあえずここで少しこいつらが言う魔王が出した命令について教えておこう。


…魔王はどうやらこの国で内乱を起こそうとしていたらしい。その為にそれぞれ王族が暮らす街に自らの配下を送り込み内乱を起こす準備をさせていたようだ。大まかな筋書きは王族に反発する組織を自ら作り上げ、最終的に王都以外の街を全て占領し王族を追い込むつもりだったらしい。


ただ、今まで一度も反乱が起きたことがない国、800年間変わらない王族、それによる国民からの信頼は厚いようで反乱分子などここの街は当然、他の街でも見つかっていないようだ。それならばと、魔法によって洗脳を施し無理やり反乱分子を作る作戦をこれから実行しようというところまできているようだ。他の街では着々と準備が進められているみたいだ。


こいつらの記憶からじゃ魔王の目的まではわからないがこれはなかなか絶好の機会かもしれないな。これを利用しない手はない。


「なあ、お前ら魔王に不満があるのか?」


「っ!…はい、正直言って、俺は魔王様に従い続けるのは嫌です」


嫌われてます、魔王クオレマさん。…配下にこれだけ言われる魔王か、会ってみたいな。


「お前は?」


「私も同じです。私はあの顔を見るだけで鳥肌がたち嫌悪感が込み上げてきます」


こちらも酷い言われようだ。


しかし、魔王に仕える魔族の中にもこういった考えを持つ者はいるだな。


さて、もう1つ聞いてみるか


「なあお前ら…魔王の配下辞めて俺の部下にならないか?」

さあ、これにはどう返してくる。


「それは…正直に言えば選択に困ります。今の魔王様に従うのは俺はもう限界だと思っています。ただ貴方がもし魔王様と同じだったらと考えると…」


男の方が答える。


「お前はどうなんだ?」


「私もです。私は今すぐにでも魔王様の配下なんて辞めたい。私はもう従いたくない!…でも、貴方が魔王様と同じだったらと考えると怖くて…」


なんだ?さっきからだがやっぱり少し魔王に対する態度がおかしいな。


俺が魔王と同じだったら、か…。

「なら解決だな」


「「え?」」


「お前達、今俺と普通に喋れてんの気づいてるか?さっきまで殺されるんじゃないかって怯えてた相手とだぞ」


「そういえば…」


「確かに…」


「それに、さっきの俺の質問には俺に殺されたくないお前達は真っ先に「はい」、と答えるべきだっただろう。従わなかったら殺されるかもしれないと普通は思う。それなのにお前達は選択に迷っていた。つまりはいまこの時点ですでに俺に対して安心してしまってるってわけなんだよ」


「「あ!!」」


「本能的に俺に殺される危険性がないと感じたんじゃないか?お前達が言う魔王がどんな奴かは知らないが絶対に俺の方が性格は悪い自信がある。それでもお前達が俺にとる態度はその魔王と同じか?違うなら俺はその魔王とは違うんじゃないか。それに今動かなければこの現状を変える機会はもう二度とこないかもしれない、どうだこの人生の賭けに乗ってみる気はないか?」


まあ嘘なんだけど。

実際はお前達が俺に安心感を抱けるように接しただけだ。


「…私は、貴方について行きます。貴方がどんな人か私にはわかりません。でも私は…自分の周りの世界を変えたい!このままじゃいけないと思っています。だから貴方について行きます」


さて男の方はどうだ。


「俺も、部下になります。俺はもうあの魔王様の命令には従いたくない!」


これで二人とも俺の部下になる事を承諾したわけなんだが…。


「まあ、俺の部下になった場合、真っ先にお前達の親類縁者は魔王によって殺されるだろうがな」


その言葉に女が口を開く。

「その心配はないんです。私の家族は全員1年前にその魔王に殺されていますから…」


おお、衝撃の事実発覚!なるほど、さっきの魔王に対する態度はそういうわけだったのか。


「それなら何でその魔王に仕えてる?」


「呪いを、心臓にかけられているです…それを解いて欲しければ10年間私の命令に従え、と家族が殺された時に言われました」


それは魔王さん…嫌われても仕方ないですね、はい。


「それで、お前はどうなんだ」


「俺はもともと孤児だったので家族はいませんでした。ただ育ててくれた爺さんがいたのですが、…魔王様に殺されました。その時私も心臓に呪いを受けまして…」


なるほどな、つまりは力を持った魔族を呪いによって強制的に従わせて配下にしていたってわけか。


とまあ、いろいろ聞いたけど。ちゃんと全部記憶と合致したな、ただ記憶を見ただけじゃわからない部分というのもやはりあり、それに関しては二人と話して良かったかもな。


まあ記憶を見たってことは呪いの事も知っていたわけで

「それなら心配するな、既に呪いは解除しておいた」


「そ、そんな事が!」


「魔王様の呪いは魔王様本人しか解けないはず!?」


「嘘じゃないぞ。というかそれは自分達が一番良く分かっているはずだろ」


呪いをかけられた状態とかけられていない状態では言葉にはする事は出来ないが感覚的な違いがあるはずなんだ。それを二人も感じたはず。


「は、はい確かに呪いが解除された感覚が…だだ、信じられなくて」


「私もです」


「まあ、それはいいや。で、どうだ?これで部下になる障害はなくなったわけだ、改めてお前達の答えを聞く。俺の部下になるか?」



「「はい!」」


こうして俺に二人の部下ができた。



ーー「あ、一応言っとくけどお前ら二人が俺の邪魔をした場合は容赦なく殺すからな、。部下を辞めたい時は俺に正直に言え、そうすれば解放してやる。もちろん呪いもかけないし何もせず解放してやるぞ、ただその後は完全な他人だ。つまり俺に何かしなければ俺がお前達を殺すことはない。まあなんなら解放するとき少しばかり資金をやってもいい、これを信じるかはお前達の自由だがな」


「信じます。今ここで嘘をつく理由が思いつきませんから。私は貴方についていきます」


「俺はもう既に貴方にずっとついていくと考えていました」


なに、もう俺とこいつらの間には信用が成り立ってるんですか、さすがに早すぎませんかね。まあその信用は一方通行なんだけど。


「行っておくが、たぶんお前達が想像するより俺はずっと酷いぞ。もしかしたらその魔王より酷いことをやっているかもしれない、あまり俺に夢を見すぎるなよ」


「大丈夫です。私はあの魔王が憎いので貴方の事なら全てが許容の範囲内です!」


「俺はどこまでも貴方についていきます」


「あ、はい、そうですか」


はは、やっぱりこいつらを部下にして良かったかもな、これから面白く動いてくれそうだ。



「それで私達は貴方のことをなんと呼べば良いのでしょうか?」


来た、この質問、俺はこいつらを部下にすると決めた時から考えていた呼び方がある。


「そうだな、それならボス、と呼んでくれ」


「ボス、ですか?」


「ああ、ボスだ。あ、それとお前達の名前はなんだ?」


「俺はボルクです」


「私はアルムです」


「そうか、これからよろしくなアルム、ボルク」


「はい!よろしくお願いします。ボス」


「はい、ボス!」


うわ、やっぱり面白い。ボスってなんだよ。ボスって…それにボルクの「はい、ボス!」って、はは、やばい面白いぞこいつら…。


この後しばらく笑いが止まらなかった。理由は俺がボルクを呼ぶ度に「はい、ボス!」と答えるからだ。ボスって呼ばれるのもなかなかにいいな。面白いし。


今回この二人と話してアルムはともかくボルクは確実にバカなことがわかった。



はい、ボス!

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