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作戦の準備

遅くなりました…



辺境伯邸から宿に戻った後はすぐに就寝した。

まあまあ遅い時間だったからな…。


そして今日、朝食は宿で食べて今は検問所に向かっているところだ。冒険者カードを使って街に入っているのでまたしっかりと検問所を通って外にでなければいけない、その為直接街の中からキャッタナ大陸への転移は出来ない。やっぱりキャッタナ大陸から直接街の中に転移するべきだったかな。そうすれば検問所通らなくてもすぐに転移で帰れたし。まあ検問所を出てすぐにキャッタナ大陸の街に転移することができるからいいんだけどな。あっちはまだ街を転移でしか出てないし。


「それにしても街の復興作業、結構早いな」

検問所に行く途中、修繕された建物なんかを見ていたが被害を受けていた大部分がすでに修繕されてきている。


「確かにそうですね」


「どうやら冒険者達が依頼として手伝っているそうです、それの影響かと」


へえ、そうなのか。


それにしても…。


「やっぱり二日酔いになったな、フェレサ」


「昨日の記憶が途中からないんですが…う、う〜、気持ち悪い」


「ここで吐くなよ」


「アキハさ〜ん、この間のをお願いするよー、今回はかなり、きつい…ウッ、吐く」

口を抑えるフェレサ。



「自業自得だ、暫くはそのままでいるんだな」


「そんな…」


「それよりも検問に着いたぞ。街をでたらすぐにキャッタナ大陸に転移するから、あっちで治してやるよ」


「そ、そうかい…なら早く行こう」

そんなフェレサの願いも虚しく。



「「アキハさーん」」

誰かに呼び止められる。


声がした方を向くとサラとリイナ、それにシルさんがいた。


「どうしたんだ?三人とも」


「いえ、今回はお別れの挨拶をしたかったので。間に合ってよかったです」


「はい、ギリギリでしたね」

サラとリイナが言う。そういえば前回は二人には会わずに街を出発したんだったな。


「すみません、アキハさん。迷惑だったでしょうか」


シルさんが申し訳なさそうに言ってくる。


「いや、別にいいけど、わざわざ来なくてもいいんだけどな」


「サラとリイナは前回、お別れの挨拶を言えなかったので今回はと思いまして」


「「アキハさん!改めて今回は本当にありがとうございました」」


サラとリイナが二人揃って頭を下げる。それにしてもやはり双子だから息がぴったしだ。


「いや、いいよ。あれは俺の為にやった事でもあるんだしな」


「それでも本当に感謝しています」


「何もお返しできないのが申し訳ないのですが…」


「お返しか。…じゃあさ、次この街に来た時に美味しい料理を食べさしてくれたらそれでいいよ」


まあ、こういった事にはないか代償があったほうが人は落ち着けるんだろう。まあ料理は代償とは言えないけれど…。

だけど次にこの街に来た時と言ってもまた来るかどうかもわからないんだけどな。


「「っ!」」


「は、はい!是非またお越しください、その時はアキハさんを満足させられる料理を振舞います」


「私もです、今はリイナの方が上手ですが、必ず上手くなって美味しい料理を振る舞えるようにしておきます」


「そうか、じゃあその時にな」


「「はい!」」


これで別れの挨拶は大方いいかな。


「それじゃあな、サラ、リイナ、シルさん」


「はい、またぜひお越しください」


「待っていますね」


「私もです!」


こうして俺たちは三人と別れソーラスの街を後にした。

検問所を出てすぐにキャッタナ大陸に転移しようと思ったんだが今にも吐き出しそうなフェレサが面白かったのでちょっとばかしおちょくってからキャッタナ大陸に転移し、そのあとはもちろん前回同様に二日酔いは治してやった。


そして転移した場所はSSSランク冒険者のディルが経営している宿だ。転移してからは昨日と同じように1日自由行動をすることになった。


もちろん前回と同様に俺の提案だ。それというのも帰って早速なんだが、俺はこの街に着いた時から考えていた作戦の準備に取り掛からなければいけない。


そのため三人とは別れる必要があった。今回の作戦は三人には内緒で行うつもりだからな。その方が絶対面白そうだし、まぁ俺が何か企んでるのはばれてるかもな。


それに明日はギルド長のところにソーラスの街での今回の件について一応言いに行こうと思っている。まあすでに他のところから報告が行ってるかもしれないが。


それで俺はこれから街から出て少し外れにある森に行こうと思ってる。あそこなら多分人もいないだろうし、準備を行うには丁度いいだろう。


「それじゃあ俺は行くな。今日は昨日みたいに尾行したら容赦なく罰を与えるからな」


「はい…」


「絶対にしません」


「それじゃあな。あ、もし暇なら今日のうちに三人でギルド長のところに報告に行ってもいいからな」


こうして俺は3人と別れ、一人森へと向かった。



ーーーどこからか鳥の鳴き声が聞こえる。


森は思った通り全く人の気配がしない。まあ魔物は少しばかりいるが魔力を解放している状態なら全く近づいてこないのでほとんど影響はない。


さて、準備に取り掛かりますかな。

出来れば2日後にはこの作戦を決行したいんだけどな…。







「行ってしまわれましたね、主様」


「あの様子からしてどうやら何か御考えがあるようでしたが今回は一体何を企んでいらっしゃるんでしょうね」


「気になるところですが私達に教えるつもりは無いようでした」


「どうするんだい?アキハさんが何を企んでいるのか探るのかい?」

フェレサが二人に言う。


「何を言っているんです。もしアキハ様の邪魔でもしようものなら容赦なく消されますよ」

フェレサの発言に対してすごい剣幕で言う。


「あ、はい。以後気をつけます」


「それでノーメンとフェレサはこれからどうするのですか、一応自由行動は許可されていますが」


「私はさっきアキハさんが言っていた通りギルド長に今回の事を報告に行こうと思うよ、その後は地下の修練場で軽く体を動かそうかなと思って」


「そうですか、それならば私も行きましょう。ちょうどいい機会ですしフェレサと手合わせを希望します」


「お、いいね。私としてもぜひとも戦ってみたかったんだ〜」


「それじゃあいきましょうか」


「うんそうだね」


「あ、あの、私はどうすれば…」

ノーメンが夜に聞く。


「何を言っているのです、貴方も当然ついてくるのですよ。もちろんみっちりとしごいてあげますから」


「は、はい…」


こうして秋と別れた三人は冒険者ギルドへと向かった。



作戦決行は2日後に…

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