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暇な日常

遅くなりました



辺境伯邸を後にした俺たちは前にソーラスにきた時に泊まった宿に二日間宿泊することになった。


宿についた後は今後の予定を話し合い、明日の午後6時まで自由行動をとることになった。6時にそれぞれが直接辺境伯邸に行くことになったのでそれまでは一人になることができる。

それというのもフェレサが街にいる知り合いのところへ会いに行きたいと言ってきたのでなんなら全員別行動でいいかと提案した。

夜は少し不満そうだったがまあ渋々と言った感じで承諾してくれた。



それで今日、朝を迎えたわけなんだがどうしようかな。

いつも四人で行動することが多かったから珍しさもあって別々に行動しようって提案したけど、正直6時まで何もすることがない。

まあ、適当に街の中歩いてれば時間はつぶれるだろう。


そうして俺は宿を出た。今思ったんだがノーメンや夜が一人の時何をやっているのか観察するというのも面白かったな。まあ今更遅いんだが、宿を出る時確認したらフェレサも含め三人ともすでに宿をでた後だった。


今がだいたい午前9時、まだ食事会までは結構時間があるな。


しかし街のなか歩くって言ってもほとんどの店が閉じてんだよな。それに住民も街の復興作業に駆り出されていて正門付近に集まってるし、早速やることが思いつかない。



「あ!アキハさ〜〜ん!」


何もすることがないし街の復興作業の様子でも見に行こうかと思ったところで後ろから声をかけられる


「ん?おお、リイナか。もう出歩いて大丈夫なのか?」


「はい!幸い連れ去られたギルド職員の中に魔族から被害を受けた人はいなかったので、みんな元気です」


まあ、もともと商品にするつもりだったんだからそんなひどい扱いはしないだろうな。


「それでリイナは何やってんだ?」


「ギルド長が今日は大事をとって休んだ方がいいと言ってくださって1日休みなんです。家にいるのも落ちつかないので外に出てきちゃったんですよ」


「へぇ、そうか。まあ元気ならいいんだが」


「それでアキハさんはここで何をやっているんですか?今日は6時から辺境伯のところで食事会でしたよね」


「ああそうだけど、それまで暇だったから街の中適当に歩いてたんだが特にやることもなくて暇でな」


「へ、へぇ、そうなんですか…」


「じゃあ、俺は行くな。肉体的にはダメージなくても精神的にあるかもしれないからあんまりはしゃぐなよ」


「あ、あの!」


「何?」

リイナと別れ正門へ向かおうとしたところ後ろから腕を捕まれ止められる。


「アキハさんが良ければなんですが…もし暇なら私の家に来ませんか?」


「どうした急に」


「いえ、その…助けてくださった事にたいして少しでも私の感謝の気持ちを伝えたいと思いまして…昼食を食べていただこうと…」


昼食か…確かに街の料理店はほとんどが閉まっててこのままだと宿にもう一回戻ることになる。なら、別にいいか。というかこちらとしてもありがたいな。


「そうか、まあそういうことなら家に行かせてもらおうかな」


「ほ、本当ですか!じゃあ早速行きましょう。ここからそんなに遠くないですから」


そうして俺はリイナの家に行くことになった。



で、案内されてついた家だが、今は家に上がってソファでくつろいでいる。出されたお茶もなんだかわからないが結構美味しい。


リイナは帰ってきてすぐに昼食の準備に入り、今は調理場で料理をしている。


しかし待ってる間やることないしどうしようかな。


寝よう、俺はソファに横になり眠りについた…。






普段はギルドの職員として働いているリイナです。

私は今最高に幸せな時間を過ごしています。何と言ってもあのアキハさんと一緒に過ごせているんですから。


街で会えたのは本当に偶然で勇気を振り絞って家にお誘いして良かった。それにアキハさんは気づいているのかな、アキハさんがくれたブレスレットをしている事に…。


本当ならここは私とサラの二人で暮らしてる家だけど今日はサラ、ギルドに行ってていないししばらくはこの二人だけの時間を楽しめそう。


それに辺境伯邸での食事会は私達姉妹も呼ばれているしそこまで一緒に行くこともできる、本当に今日はついてるわ、私!


おっと、今は料理に集中しないと、失敗は許されないんだから!






時間は遡り秋が宿をでた頃…。


宿の前にて、


昨日、アキハ様から明日は別々に行動しようと提案があった。本来ならば絶対に受け入れない提案でしたが私は受け入れた。


その理由がこれです、私は今朝からずっとアキハ様が宿を出るのを宿の前で隠れて待っていたのです。


そうそれはアキハ様の過ごす一日を隠れて見るために!いつもはすぐ側から見ているアキハ様、それでも十分なのですがやはり私がいない時のアキハ様というのも見てみたいのです!…ですがやはりばれないか心配ですね。








私は今宿の前で主様がお出かけになられるのを待っている。主様がいつ宿をお出になられるかわからない以上かなり早い時間から待機していたのですが、そうしたら私より後にでてきた夜先生が私と同じように宿の前で待機し始めたのです。


私には一体夜先生が何をお考えなのかわかりませんが、私は私の理由で動くだけ、お二人には気づかれないようにしなければ…。


主様が宿から出てきましたね、早速尾行の開始です。








ーーー「アキハさん、アキハさん、昼食が出来ましたよ」


結構気持ちよく寝られ、リイナの呼びかけに対して反応が遅れる。


「…おお、そうか。じゃあ早速いただこうかな」


「はい、どうぞです」


ソファから起き上がりテーブルへと向かう。

その間にもいい香りが伝わってくる。


「おお!美味しそうだ、これは味も期待できるな」

とりあえず見た目は完璧だ。


「そ、そうですか。嬉しいです」


早速席につきリイナの料理を食べ始める。


と、その前に。

「いただきます」


「なんですか?今のは」


「食事前の挨拶だよ」


「そうなんですか。聞いたことがないものでしたので」

「まあ、だろうな、それより早速いただこうか」


「はいどうぞ」


「………ゴクン」


「ど、どうでしょか?」


「うん、うまい!美味いぞこれ、すごいな料理上手なんだなリイナ」


「よ、良かった〜、遠慮せずにどんどん食べてくださいね、たくさん作りましたから」


「おう」


こうして俺はリイナの手料理をたらふく食べた。料理の腕は夜やフェレサと同じくらいといったところだった。しかしなんで俺の周りの女性は料理がこんなに上手なんでしょうかね、僕の料理の下手さを際立てたいのでしょうか。

まあ、美味しい料理が食べられるのは良いことなんだけどね、不味い料理を無理して食べたくないし…もし料理の下手な女の子が俺のためにと料理を作ったとしても俺はぜったい拒否します。食べません。俺はあんな苦しみは味わいたくないので…。



こうして俺は辺境伯邸での食事会までリイナの家で過ごしたのであった。




家の外でずっと待機している夜とノーメン…


お疲れ様です( ̄^ ̄)ゞ

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