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魔王ミスティル

50話を無事過ぎて次はとりあえず100話まで頑張ります( ̄^ ̄)ゞ



はあ、どうやら着いたようだな。今回分かったことだが人の顔を思い浮かべ転移をするとその人物の近くに転移するらしい。てっきり俺はそいつが存在してる場所に転移すると思ってたから、転移後すぐにそいつは四散して死ぬと思ってたんだがな、違ったようだ、残念。で今の状況なんだが…。


「なんだ貴様!」

「人間族がどうしていきなり、ここには転移はできないはず」



どっかの部屋に転移した俺の目の前には二人の魔族がいる、両方ともシルさんの記憶の中で見たやつだな。


「失せろ」


「何だこいつ、頭いかれてんのか?どうするこいつ」


「とりあえず捕らえるぞ」


そう言って二人は俺へと手を伸ばす。


こいつらが力を持った魔族?シルさんも見る目がない


「失せろと言ったんだ」


「何だとこのやろう!!お前今の自分の立場がわかってねぇのかぁ」



はあ、もういいや。さっさと魔王のところへ行こう。


俺は二人の魔族の首を飛ばす。


スパンッ


「へ?」


「はえ?」


ほら、大したことない。


ガチャ


さて、魔王はどこだ。

俺は魔力感知を最大にし周囲の魔力を感じ取る。

あんまり、魔力が見当たらない、…お、どうやら見つけられたな。ある部屋に先程の魔族と同じような力量の魔族が五人、明らかにその5人とは別格の存在が一人。

これは当たりだな、その部屋の場所はここから上にまっすぐ行った場所、ならばと、俺は脚に力を入れる、このまま天井は無視して行く。


「よし行くか」

床を蹴り垂直に飛び上がる。


ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!


魔王がいる部屋までに何枚かの天井にぶつかった。


が、どうやら魔王がいる部屋の床をぶち抜いた辺りで勢いも無くなった、力加減はぴったしだったようだな。






ーーー私達は今魔王ミスティル様に褒美を授けられていた。今回入手した魔眼をかなりお気に召したようで、ミスティル様は今までに見たことないほどご機嫌だ。


ふう、どうにか無事作戦を遂行できて良かった



ドゴォン!


「なんだ今の音は」


「下から聞こえたぞ」


ドゴォン!


「おい!だんだん近づいてきているぞ」


「うるさいぞお前ら、どうやら侵入者のようだ。お前らが相手をしてやれ、敗北は許さん」


「「「「「はは!」」」」」


ドゴォン!


床に振動が伝わる、方法はわからないがどうやらここまで来たようだ。


開けられた穴から広がる土埃で相手の姿が上手く確認できない、一体誰だ。ここまで来た者達なんだそれなりの実力者パーティなんだろう。だがここで負けるわけにはいかない、ミスティル様の御前で無様な姿は晒せない。


幹部四人はそれぞれ顔を見合わせ、攻撃の準備に入る、あと二人幹部がいれば完璧な体制で対処できたが今あいつらは別の仕事の最中でここにいないのだから仕方ない、それにすぐにこの部屋に部下達が集まるだろう。侵入者に対しては何も心配する事はない。だが今回ミスティル様の命令は私達四人で対処しろだ、今いる私達だけで勝たなければならない。


土埃はだんだんとはれていき侵入者がその姿を現す。


「何!一人だと」


一人、正直信じらない。ここは魔王城、侵入は不可能に近い、それこそかなりの実力を持つ者が揃ったパーティぐらいだぞ、ここに辿り着けるのは。だが今は目の前の事を受け入れるしかない。それに一人でここにやって来たという事は更に気をつけなければならないということだ。パーティで協力しここまで来たのではなく一人の実力で来たということなのだから。


「それぞれ、戦闘準備に入れ。相手はここまで一人で辿り着いた者だ、決して油断するなよ」


頷き返す幹部達。


「行くぞ!」


四人は左右正面に散り、それぞれ別の角度から攻撃を仕掛ける。


バゴォン!!


侵入者に攻撃を仕掛けたはずの四人はそれぞれ部屋の壁にめり込んでいた。



「…お前、何者だ」

ミスティルが問う。


「ただの冒険者だ。お前にはこの不快な感情の捌け口になってもらう。魔王なんだ、あんまりすぐにダウンしてくれるなよ」


「は!何を言ってーーー」


ドゴン!


「グハァ!」

魔王の腹に秋の拳がめり込む。


「次はあご!」


ドゴン!


「グフゥ!」


「後ろに回って回し蹴り!」


「グホォア!」


ドゴォン、ガラガラガラ…


ガレキに埋もれるミスティル。


「こんなもんじゃないだろう魔王、俺はまだ満足してないぞ」


「ふ、ふはははは!、当たり前だ!」ガラッ

ミスティルは瓦礫から起き上がる。


「はああああ!!!」


魔力を解放したミスティルの魔力の圧が波のように押し寄せる。

そよ風だな。


「貴様、この俺をなめすぎだ。その程度の攻撃効くはずがなかろう」…ゴホッ

血を吐き出すミスティル。


「効いてんじゃねえか、強がってんじゃねえよ」

なんか少し面白いと思っちゃったじゃねえか。


「さあ、今度はこちらから行くぞ!アルティメットスキル【全能之眼プロビデンス】発動」


弱いと言っても魔王、アルティメットスキル所持者だったか。


さて、どんな能力なのか。存分に使えばいいさ。


「余裕の態度だな。まあいい、後で後悔するがいいさ!」



「………」



「アルティメットスキル【全能之眼プロビデンス】発動!」


二回言ったぞ

部屋にミスティルの声がこだまする…。


「おい、何も起きないじゃないか、期待させといて何なんだよ」


「な、何故だ、何故貴様には効かない。アルティメットスキルだぞ!」


「はあ、なんだ、どういう能力なんだよ」


「教えるわけがなかろう!ち、どうなってるんだ、一体」


教えてくれないなら勝手に記憶を見させてもらいます。眼の色を翡翠色に変え、ユニークスキル【記憶操作】を発動する。



……「へぇ、お前、この世に存在する全ての魔眼の能力が使えんのか」

まあ、それだけじゃないだろうが、今の能力にはもっと大きな可能性を感じた。ただ今こいつが把握してるのは俺が言った能力だけだ。

「な、なぜお前がそれを!」


はあ、もういいや、終わりにしよう。ネタがわかってしまったし飽きた、それにこいつの能力じゃ俺には効かない。


床をひと蹴りし魔王の手前に行き拳をかまえる。


「終わりだ」


ドゴォン

衝撃で魔王城が揺れる。


今のはこれまでとは一段階上の威力だ。魔王はこれくらいで丁度いいはずだからな。


土埃がはれそこにいるのは腹に風穴を開け死んでいる魔王だった。




ーーー俺は戦う前に魔法を使用しこの部屋のみを空間から隔離していた。これをやっていたおかげで今まで邪魔が入らなかった。


正直言って今の俺は気分がいい、先程までの苛つきが嘘のようだ。苛つきが無くなったのは今俺の眼の前で無様に死んでいる魔王が要因だろう。

それというのも、こいつの性格が俺の思っていたのと違って、かなり俺好みの性格だったからです、はい。


だから、そのお返しとしてこれからの人生は俺の玩具として十分に活用してやろう。


それと、幹部達もいた方がいいな、俺は先程殺した四人と下で殺した二人を目の前に転移する。


眼の色を緋色に変え、能力、【生命創造ネイト】を発動する。殺した時、魂を確保しておいて良かった。それがなかったら生き返らせることできないし。最初は全員殺してその後は生き返らせるつもりもなかった。魂は何かに使えると思って一応って感じで確保しておいたけど、役にたったな。


しかし、やっぱりいちいち眼の色を変えんの面倒くせ、せめて二つ同時に使えないかな…。



そして今回の【生命創造ネイト】は完全な別人にしてはいない。変えたのは記憶や人格の一部、そうして完全に俺に逆らえないようにさせた。つまりは手駒が魔王と魔族六人だ。先程魔王の記憶を見た限りこいつらは幹部らしいし結構使えるだろう。


さて、新たにできた俺の玩具、これからが楽しみだな。


生命創造ネイト】を終わらせると、目覚めた七人が俺の前に一列に並び跪く。


「先程は申し訳ありませんでした。主様のお力も理解できずにあんな事をしてしまうとは」


今、話してるのは魔王だ。随分と変わったな〜、まあ俺がやったことなんだけどさ。


「えーと、じゃあ命令する。これからは何か事を起こす時は俺に報せてから許可を取ること」


「は!」


「今まで通り魔王として、その部下として過ごすこと、お前達の立ち位置は変わらない。その上に俺が存在してるだけだ」


「は!」


「まあ、それくらいかな。それ以外は普段通り過ごして構わない。あと絶対他の魔王達にこの事はばれないようにしろよ」


「は!この命に代えても」


「じゃあ、俺は行くからな。連れ去ったギルド職員とお前が集めてた魔眼全部持ってくから」


「はい」


俺は魔眼を全て貰った後ギルド職員がいる牢屋へと転移する。正直無事だとは思っていなかったんだが、魔王の記憶を見た時に無事だということがわかった。どうやら数日後に全員をある場所へ売り飛ばす予定だったようだ。


牢屋へと転移し、周囲を確認する。…どうやら全員いるようだな。


「ア、アキハさん!どうしてここに…」


「ん?お前、リイナか」


「は、はい!」


リイナの発したアキハという言葉に牢屋の中がざわつく。


「さあ、さっさと行くぞ。ソーラスでサラとお前のじいさんが待ってる」


「助けに…来て…くださったのですね。あ、ありがとうございます」グス


はあ…泣いてんのかよ面倒くさい。

それに最初は別に助けるつもりはなかったしな、助けるきっかけは元を辿ればサラだし。


リイナの頭に手を置き、撫でてやる。


「その涙はサラ達に会えるまでとっとけよ、サラだってずっとお前の無事を祈ってんだ。もちろん今もな」


あれ、なんか今の俺格好いいんじゃね。いや、格好よくないですね、すみません。


「はい、…そうですね」

涙を流しながらも笑顔を向けるリイナ。


「いい顔だ。…よし、それじゃあ戻るぞ、ソーラスへ」


「はい!」


こうして俺は攫われたギルド職員を連れ辺境伯の屋敷に転移した。





ノーメンはどれくらい夜の説教を受けていたのでしょうか

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