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街の被害

なかなか元の時間の投稿に戻せなくて

本当に申し訳ないですm(_ _)m



さてやって参りました、ソーラスの街。久しぶりのこの街だが、いきなり街中に現れても騒ぎになるだけだと思い、街から少し離れた外壁の外に転移した。


「さあ、着いたぞ」

フェレサはいきなり場所が変わりただただ惚けている。バカ面だな。


「うそ、今どうやって…こんな距離を魔道具なしで…」


あれ、フェレサに転移って見せた事なかったか?いや前に一度見せたな、まああの時の転移は大した距離じゃなかったからな。


「まあ、あんまり気にするなって、それにスキルならあり得るだろう」


「スキル…いやそれでも…う〜ん、まあそういう事にしておくよ、って!それよりも、なんでここに転移してきたんだい!」

テンションの変わり方が早いな、表情もコロコロ変わって。


「だってすぐに来たかったんだろフェレサ。それに俺も街の様子を見に来たかったからな、…しかしだ、これは」


「結構酷いですね」


「私は初めて来ましたが…これは元の外壁の形がわかりませんね」


そういえばノーメンは初めてだった。なんかだいぶ慣れてきて夜と同じように最初からいた感じがしてたな。


「…ここまでひどいなんて」


フェレサも街の現状を見て感想を口にする。まあここからじゃ街の外壁と正門しか見えないんだが、それでもどれだけの襲撃を受けたのかはわかる。


俺たちが来た時とは変わり果て、正門は大破し、外壁は正門から左右に所々大きな穴が空いていたり、崩れていたりと酷い有様だ。

これは街の中の被害も結構大きかったんじゃないのか。


「とりあえずギルドに行ってみるか」


「そうですね、ギルド長に話を聞くのが早そうです」


出来れば戦っていた奴らの記憶を見て是非とも襲撃に来たその魔族達に会いに行きたいものなんだがな。

あとその親玉の魔王とも会いたいが、以前会った魔王だったら面白くないな〜。


まあそれはいいとして早速俺たちは冒険者ギルドへと向かった。

検問は通常通り機能しておりそれぞれが身分証を見せて通過することが出来た。しかし、以前この街を去る時に検問にいた兵士は今日は見当たらなかった。


街に入りギルドへと向かう途中、街の中の様子は意外に活気に満ちていた。壊れた建物の修繕、食べ物の配給をする子供など暗い雰囲気は見られなかった。

先程まで不安そうだったフェレサも街の様子を見て少し安心したのか、心なしか表情が晴れている。


街の被害は見る限り正門から近くの方が大きいようで、街を進んで行くにつれ何も被害を受けていない無事な建物が増えてきた。どうやら街の途中で進行を食い止めることが出来たようだな。いやそれとも魔族達の目的が達成されたのか…。それに街の人々のほとんどが建物などの修繕に駆り出されているようで進むにつれ人の数は少なくなってきた。


そして冒険者ギルドだが、この建物も街の中心に近いため、建物自体の被害は全くと言っていいほどないようだ。


ギイィーー


ギルドの扉を開けて中に入る。


中はギルド職員の他にも冒険者なども結構な数が見られ賑わっているようだ。


そしてギルド長に会うために受付へと向かう。


この街を去って以来だから久しぶりにあの二人に会うなと思っていたが今は受付にいないようで、2つある受付とも見たことのない二人の男性職員がやっているようだ。

「すまない、ギルド長に会いたいんだが今日はいるか?」


「はい、ギルド長ですね。……ん?えっと、もしかしてあなたは、アキハ様…ですか?」


「え、ああそうだけど、なんで知ってんの?」

あ、いやそういえば俺この街でだいぶ目立ったんだった。


「それはもちろん、あの時の戦いを見ていたので。この街を救ってくださった恩人です、忘れるわけがありません」

俺が救ったすぐあとにこんな事になってちゃなんも言えんけどな。


「お、おおそうか…まあそれはいいとしてギルド長は?」


「ギルド長は今辺境伯の所へ行っています。戻ってくるにはまだ時間がかかると思います。それでアキハ様は今回の事はご存知で」


「ああ、聞いてる。それにその事で話があってギルド長と会いたかったんだが、まあそうか辺境伯のところな、わかった」


それならばギルドには用はないな。俺たちは冒険者ギルドを後にした。


「それで、シルベルさんに会いに辺境伯のところへ行くのかい」


「ああ、そうだ、ここからそんな遠くないからな、夜さんや道案内よろしく頼む」


「道を覚えてらっしゃらないのですね」


「いや、まあ…」


「それではここからは私がお連れいたします」

そうして道案内は夜に任せ辺境伯の屋敷へと向かった。


まあ夜が迷うわけもなく、少し歩いてすぐに屋敷についた。

そして門についているベルを鳴らす。前回は鳴らす前に勝手に開いたが、これを鳴らせば開けてくれんのか?

そう思っていると、前回同様、門が勝手に開く…ように見えているだろうな三人には。


「それじゃあ行くか」


屋敷の中の庭も以前来た時と大して変わらず一面の花々もなんら変わりがない。


やたら広い庭を歩いて建物についたんだが、ここの扉も前回と同じように何もせずとも開く。


中に入ると、執事服の男性がお辞儀をして待っていた。


「ようこそいらっしゃいました、アキハ様。御仲間方も」


「ギルド長と辺境伯のところに通してくれるか?」


「はい、それではご案内させていただきます」

結構すんなり案内してくれたな。

そうして執事に前回と同様辺境伯の部屋へと案内された。


コンコン


「失礼致します。アキハ様とその御仲間がお越しになりました」


「そうか、ご苦労」


執事が扉を開け、俺たちは部屋に入っていく。執事は全員が入った後部屋を出て行った。


「ようこそいらっしゃいました。今回はどうしたのでしょうか?確か旅をしていらしたのでは?」


辺境伯のカイさんが聞いてくる、カイさんに以前との変化は見られない…が。


「シルベルさん…だよね。一体その眼はどうしたんだい!?」


シルさんを見たフェレサが口にする。しかし、そういう事だったのか。この街に魔族が攻めてきた理由、こんな辺境の街だ、そこに攻める価値はおそらくこれだったんだろう。


「魔眼を持って行かれたか、シルさん」

シルさんは両眼を包帯で覆っている。


「その声はフェレサだな、それにアキハさんも。また戻ってきてくださったんですね」


「まあな、たまたま今回の事を旅の途中に聞いてな。様子を見に来た」


「それは、わざわざありがとうございます」


「それで、なんでサラとサラの祖父がいるんだ。なんか話してたのか」


シルさんとカイさんが向かい合うように座り、その奥にギルドの受付嬢をやっていたサラとギルド職員でもあるサラの祖父が座っていた。


ギルド長と辺境伯の組み合わせはわかるが、ただのギルド職員である二人がなんでここにいるんだ。


「そうですね、そのことも含めて今回起こった事の全てをお話ししたいます。まずはソファにお座りください」


カイさんに言われ俺たちはソファへと座る。今回起こったことの全てね、さて俺が知らないところで一体どんなことが起こっていたんだか、詳しく聞かせてもらおうじゃないか。




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