信頼を得るには
昨日に引き続き申し訳ありませんm(_ _)m
俺たちは今ルサルファ王女の屋敷へと来ている。
先程の揉め事が終わり王女とこの後会う約束を取り付けた俺はフェレサと共に馬車に戻り夜達に事情を説明した。
その後は普通に検問を通った。先程の商人の様に街の中に物品を入れる際は金がかかるのかと思って全てアイテムボックスに入れていたんだがどうやらそれは街で売る商品だけのようだった。だが商品じゃないと言って街へ入ってから売った場合どうなるんだと聞いてみたところ街の中で商売をするには許可証が必要でその時に確認されるみたいだ。だがそれでもなんとかして抜け穴を探して商品を売っていた商人は今までにもいたそうだが全員が捕らえられ厳しい処罰を課せられたらしい。
あとちなみにノーメンだけ身分証がなかったので仮身分証を発行してもらった。近々ノーメンにも冒険者登録をしてもらったほうが良さそうだな。
まあそれで検問所は通れたんだがそこを通ってすぐのところにルサルファ王女が馬車2台を用意して待っていた。…いつ用意したんだ、そんな時間なかったと思うんだが。
そこで俺たちはその馬車に乗り換え、俺たちが乗っていた馬車は休憩から戻ってきた兵士達に任せていいと言われた。まあここから見えるところに馬車庫が見えるしあそこに入れるんだろうが。兵士達はというと休憩から戻ってくるなりルサルファ王女より少し遅れてここにやってきた兵団隊長らしき人に怒られていた。どうやら兵士一人をおいて休憩に入ったことを怒っているらしい、まあ怒られても仕方ないよな…。その後はあの兵士と協力しテキパキと仕事をこなしていたのであの兵士を虐めていたとかそういうわけではないらしいな。
と、そんな感じで用意された馬車へと乗り換えた俺たちは王女の屋敷へと来たわけだ。そして今は応接室で王女と話をしている。
「先程は私の部下を助けてくれありがとう。あの兵士はまだ入団してから日が浅くてなこういった揉め事には慣れていないんだ」
「まあ俺が入らなくても貴女が来ていたんだ。少し遅かったがそれでも兵士はちょっとした怪我だけで済んでいただろうさ。それに街に入るのに時間がかかるのも面倒だったんでな。あの商人の排除は俺の為にしたようなものだ」
「まあとにかく何事もなく終われたのはあなたのおかげだ。何かお礼がしたい。出来る範囲でならだが何か望みはあるか?」
望みか…。んーどうしようか、出来ればこの国について詳しく情報を得たいところなんだが、王女に聞いてもそこまで詳しくは教えてくれないだろう。まだ今日あったばかりの俺たちは信用できんだろうしな。
記憶を見てもいいんだが今後この王女との関係は何か役に立つかもしれんしな(主に俺の悪巧みに関してだが)この街で多少信頼を得ていても損にはならないだろう…まあまずはそこからだな。
「この街って冒険者ギルドあるよな?」
「ああ、あるぞ。この屋敷からも近い。主要な施設は大体街の中心に集められているからな」
「じゃあそこのギルド長に紹介文を書いてくれないかな」
「紹介文?それは別にいいんだが…それが効力を発揮するかは私には分かりかねるぞ。冒険者ギルドは基本どこの国にも属さない組織。私もこの街のギルド長とはそれなりの仲だがそれが通用するかは分からない。まあ可能性が全くないわけではないが…」
「いやそれで十分だよ、よろしく頼む」
「わかった。…それで望みはそれだけか?何か品などでも良いのだが」
「いやこれで十分だ。もともと大した事はしてないからな」
「そうか…まあこの街に滞在する間に何かあったら私のところへ来てくれ。大抵のことは何とかできるからな」
「そうか、それは助かる」
その後も少し話をしてから俺たちは王女との話を切り上げ、書いてもらった紹介状を持って冒険者ギルドへと向かった。
「それにしてもしっかりした人だったね。私とそんなに歳が変わらないのに全然大人っぽく見えちゃったよ」
同感だな、先程俺はあまり態度を気にしていなかった。まあ普段も気にしないんだが、今回は面白い事のためあの王女との繋がりは欲しいところだったからな最初は態度や言葉にも気を使っていた。
だがあの王女から硬い態度はあんまり好かんと言われ最初に検問であった時の態度で構わないと言われた。そういえばあの時は態度気にしてなかった…。普段意識してないからな急には無理だな。
護衛は部屋の外で待機していた。俺の態度を王女が許しても部下はわからないからな、王女があらかじめ部屋の外で待機しているように言っていたのだ。
「そうだな、あの懐の深さなんだ。この国の王の器も伺えるな」
「アキハ様はまた何かお考えがあるのでしょうか?」
「さてどうでしょうか、私には想像もつきません」
後ろでノーメンと夜が話している…。まあその通りいろいろと考えてますとも、是非とも楽しみにしてて貰いたい。
「お、ここが冒険者ギルドだな」
「本当に近かったですね」
まあ屋敷のところから建物の一部が見えていたからな。しかしこの街のギルドも他のギルドと造りは変わらないんだな、規模は結構大きいが…いや本当凄いな、先程の屋敷ぐらいの規模の建物ってどんだけ大きいんだよ。
ガチャ
「うおー中も広いよアキハさん!」
フェレサが既にドアを開け中に入ろうとしている。気が早いが俺たちもその後に続きギルド内へと入る。
フェレサの言う通り中は結構な広さがある。人数もそこそこいるがまだ空間には余裕があるようだしな。
「えっと受付は…あそこか」
入ってから正面奥に受付が何個ある。幸い今は利用者も少ないからすぐだな。
「それじゃあ俺ちょっと受付に行ってくるな。そこら辺の席に座って待っててくれ」
「いえ、私もついて行きます」
「はい。私も」
「え!結局みんな行くのかい」
フェレサは既に席についている。
「フェレサは待ってていいぞ、一人で」
「わ、私もついて行くよ。アキハさん一人に任せても悪いしね」
「まあついてきても大して意味はないんだがな…」
そういう訳で四人で受付へと向かった。受付は何個か種類があるようで売買系の受付や依頼の受付などあった。種類ごとに受付の上に表記されているのでわかりやすい。俺はその中の『ギルド長』と書かれているところへ向かった。
多分この受付で合ってるよな…。しかし表記が『ギルド長』ってなんだよ。直接的すぎて逆に何のことか分からんぞ。
その受付は一番端にありなんかやけに静かだ。おそらくこの受付を使う奴なんて滅多にいないんだろうな。他の受付と統合しちゃえばいいのに、なんで『ギルド長』だけを独立させたんだ。まあ見てて面白いから俺は好きだが…。
「ご用件はなんでしょうか?」
受付は獣人族の女性、中には他の種族もギルド職員にはいたが大半が獣人族だな。
「えっとギルド長と面会がしたいんだが、できるか?」
「何かご紹介状や面会証明書などはありますか?なければ書類にご記入の上で面会証明書を発行してギルド長との面会の日程を設けることができますが」
「ああ、紹介状がある」
そう言って王女から貰った紹介状を渡す。
「少々お待ちください」
そう言って職員の女性は奥へと行ってしまった。
暫く待っていると紹介状は持っていないが女性職員が戻ってきた。どうだったんだろうか…。
「ギルド長より許可がおりましたので早速ギルド長の部屋へとご案内いたします」
「よろしく」
そうか、それは良かった。王女が自信なさげだったからな少し心配していたが。
ギルド長の部屋は3階建ての建物の最上階だ。どうやらこの部屋には通常の階段ではなく受付の奥にある階段を使わなければ行けないようになっているようだ。
コンコン
「先程お伝えした方々を連れて参りました」
「どうぞ…」
声からしてここのギルド長も女性か…女性のギルド長多くないか、いやまあまだ数える程しかギルド長とは会ったことないけど。
「失礼しまーす」
部屋の中はいたって普通の部屋だ。入って正面にある机には仕事の書類が山積みにされている。ギルド長は思った通り女性だ。容姿は結構な美人、黒髪黒耳にスタイルも良いと言える。タイトスーツを着ているのでより強調されているな。ソファに座って何か飲んでいるがちょうど休憩時間だっのだろうか。
「どうぞソファに座って下さい。貴方もご苦労様、戻っていいわよ」
「はい」
ガチャ
案内してくれた職員は部屋を出て行った。そして俺たちは言われた通りギルド長と向かい合う形でソファへと腰掛けた。
エレスタの勇者達をすっかり忘れていた…




