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旅立ちの時

主人公くんが〈ヒャッハァー〉\( *>ω<)/

しちゃいます



「それでは、この世界の現状から話させて頂きます。まずこの世界…ユルグリッドは、天界、魔界、そして我々が住む地上の3つに分かれています。今回は天界、魔界の説明については省かせていただきます」


へぇ〜この世界ユルグリッドっていうの…か!?

おい…おいおいおいおい!!今こいつとんでもない爆弾落としやがった。この世界がユルグリッド…それって、俺が一番最初に生まれた世界じゃねえか!

なんだよ、まじかよ…また…戻ってこれたのかよ、あの世界に。

やばい、何か嬉しくて目から汗が出てきた。(いや、涙じゃなから、泣いてないから!)


「では我々が住む、地上の説明を」


そう言いマークは机に大きな地図を広げた。

「地上世界は、5つの大きな大陸に分かれています、まず我々人間族が暮らすエルノイド大陸、そしてその真下には獣人族が暮らすキャッタナ大陸、そしてそこから右にドワーフ族が暮らすフォールン大陸、左にはエルフ族が暮らすエンシャント大陸が存在しています。

そしてこの4つの大陸から左に少し離れたところにサターナ大陸、魔族が暮らす大陸があります」



涙…ではなく、目の汗から復活した俺はマークの話を聞いていた、が今の所俺がいた頃と変わったのは大陸の位置が少しずれた、ってことぐらいだな…



「ドワーフ族、エルフ族、獣人族、そして我々人間族の間では交流がありますが、この4つの種族と魔族は長い間敵対関係にあります。ずっと昔1,000年以上前になら魔族とも交流があったと文献には残っていましたが…」


1,000年以上前か、この世界に俺がいた時、魔族とは敵対関係だった。でもそんな文献があったなんて聞いたことがない。

てことはもしかして、俺が死んでから1,000年以上経ってんのか?!



「今度は人間族が暮らすエルノイド大陸について説明致します。

このエルノイドは7つの国によって治められています。まずこの国、エレスタ王国、そして隣国のハイベルト王国、その他にトロスト王国、サンタナ法国、キュール連邦国、シン王国、マール王国が存在します」


うわ、随分増えたな、俺の時3つぐらいしか国なかったぞ。しかし、エレスタ王国か…俺の時もあった、て言うか俺が生まれた国だ。


「そして、ここからが重要なのです。ここからは魔族の住むサターナ大陸について説明させて頂きます。

まず、サターナ大陸にも7つの国がありそのどれもが強力な存在によって治められています。その国を治める七人を我々は 『七夜の魔王』と、呼んでいます。今回我々はその七夜の魔王に対抗すべく、勇者様方を召喚させていただきました。

そして我々の願いは1つ、そのすべての魔王を討伐し平和をもたらす事、どうか!ご協力お願い致します!!」


「まあ、マークそう急くな」


「も、申し訳ありません。国王陛下」


「勇者様方にはこれからじっくりとお考え頂く時間が必要であろう。もし、魔王討伐にご協力願えるのであれば、我々2カ国が全面協力させて頂きます」


「おうとも!我が国ハイベルトも協力は惜しまないつもりだ」


「どうかその辺りも念頭に入れ御考えください」



「ちょっといいですか」


声を出したのはコンビニの店員さんだ。


「俺は、この世界から一刻も早く帰りたい。その為にはどうすればいいですか」


おいおい、魔王討伐してくれって言ってんのに帰りたいってど直球な質問だな。


「残念ながら、召喚された勇者を元の世界へ送り返す方法はまだ見つかっておりません。本当に申し訳ない、こちらの身勝手だと重々承知の上でのお願いです。魔王討伐に協力して頂けるのであれば魔王討伐後、元の世界への帰還の協力も惜しまないつもりです」


「そうですか…」


は〜い、これ絶対コンビニの店員さん魔王討伐参加決定〜。

しかし、魔王討伐後の帰還協力か…。これの真偽はわからないけど王家の後ろ盾があった方が色々とやりやすいだろうな。


「それでは他に、質問はありませんかな」


「じゃあ、はい!」


今度は見た目詐欺の大学生さんか。


「どうぞ」


「えっと、もし私達が魔王討伐に協力しないのであれば、私達はどうなるのでしょう」


こっちもまたど直球!!


「そうですねえ……ここを出て行くのであれば最低限の金銭は持たせます、しかしそのあとは自由です。この世界には冒険者ギルドがありますから、冒険者になるのもいいでしょう。しかし勇者と言ってもまだ召喚されたばかり、さぞかし大変でしょう」


うわぁ〜いやらしい、どうせ勇者を手放す気ないくせに、それにおそらく勇者がここを出て行っても外に戦力が漏れるくらいなら容赦なく切り捨てるだろうしな。


「そ、そうですか…」

あ〜あ、シュンとしちゃってるよ大学生さん。


「他に質問は…なさそうですね。

では、それぞれに個室が用意されていますので、そこでごゆっくりお考えください。明日また改めてお聞致し「ちょっと待って」


「なんでしょう?」


「いいわ、私は協力する」


おおっ!眼鏡美人さん、いいのかもう結論出しちゃって。


「私も協力するわ」


「ぼ、僕もです」


「俺も協力する、元の世界に帰るために…」


おいおい、一気に決まったな、残ったのは 俺 見た目中学生、金髪ヤンキー それと俺と同じ高2の女の子だけだぞ。

え、なにこれここで結論出す流れですか、なんですか王様その目、他の四人はどうするんですか的な。


「川平、協力したほうがいいって、一緒にがんばろ」


「分かったよぉ、きいちゃん。わ、私も協力するよ〜」


あだ名呼び! 木原だからきいちゃんなのか?


しかし、これで残るは俺、ヤンキー、高2女子になったが、


「いいわ私も協力する……その方が今は良さそうだし」


高2女子も決定、

みんなの視線が俺とヤンキーに集まる。


「ちっ、俺も協力してやるよっ!」


ヤンキーも決定、

これで後は俺だけ、さてどうするか…


「伊月くんどうするの?」

高2女子が話しかけてきた。誰だ?伊月って、俺は蒼葉 しゅ……あ、俺のことか。


「んー、俺は〈〈ファイヤーボール!!〉〉


俺が声を発すると同時に、両脇に控えていた護衛の二人が俺目掛けて火の玉を放ってきた、「ぐっぁはっ、あっあああぁぁぁぁぁ!!」俺の体を炎が包む。



〈〈〈えっ!!!!〉〉〉


「なんだ!どうなっておる!!」


「なぜお前達が!?」


他の護衛に取り押さえられる護衛二人。


「今は、それどころではない!マ、マーク!早く火を消すのだ!」


「は、はいっ!」


マークは空中に水を出現させ炎の上に降らせる。


「水魔法〈ウォーターシャワー〉!!」


しかし、炎はますます火力を増していく。

「つっ!何だこの炎、水魔法を使っているのに消えない!?」


「なぜ、下級魔法程度のファイヤボールが消えんのだ!!」


そうしている間も燃え続ける炎、そしてさらに火力は増していく。


「グゥァハ!、ガアァァァァァァ…」




............................. . . . . . . . . . . . . . . . . . .



「そんな…」


「なんで…」


「嘘だろ…おい」


「はぁ、はぁ、何で…消えなかったんだ…」


「マークよ…、ご苦労だったな」


「陛下…でも結局…結局救えなかった」


一同の視線は部屋の中央に向いている。

そこには、見るも無惨な姿になった少年、伊月 涼の亡骸が横たわっていた。




「エレスタよ、これからどうするのだ」


「ハイベルト、 …先ずは先ほどの護衛二人の尋問だ」


「勇者 伊月はどうする?」


「勇者 伊月様は召喚前に病を患っていたことにし、召喚後すぐに病死…ということにする」


「「「えっ!」」」


驚く勇者達、

「そんな!そんなのあんまりです!」


川平 まいが反論する。


「しかし、あなた方勇者様は既に多くの人々に見られてしまっている。それもこの国の上層階級の連中にです」


「ですからこの件を、問題にする訳にはいかないのです。もちろんこの件の犯人は絶対に捕らえるつもりです。亡くなられた勇者様に誓って…ですからどうかお気持ちを鎮めてくだされ」


「絶対に…ですよ」



……………その後、エレスタ王国の人々に勇者の一人が病死したという報らせが流れた。














とある森、多くの魔物が生存競争を繰り広げる、弱肉強食の世界…列強の戦士ですら畏怖し近寄らない。

そんな陸の孤島の奥深くに寝そべっている少年がいた。



「ははは!超楽しい、みんなすげー焦ってたし」

やばい、思い出しただけで笑えてくる…くっくふふ…



この男…いかにも変人なこの男は、

先程エレスタ王国王城にて焼死した伊月 涼 …ではなく、国王達を騙し嘲笑い笑い転げている、蒼葉 秋その人であった。




精神安定剤が必要な様子の主人公くんであった

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