キャッタナ大陸
遅くなりましたm(_ _)m
船は順調に進んでいる。海も穏やかでこれは馬車同様眠くなってくるな。
今は甲板に椅子を置きそこに座って海を眺めている。俺一人で…。
夜達は夜達でそれぞれ別行動をとっている。つい先程までフェレサと夜が言い合っていたんだがどうやらノーメンがしっかり鎮められたようで、怒りが治った夜は船長にどれくらいの時間でキャッタナ大陸に着くのかを聞きに行った。フェレサは船内を探検してくるといいスキップしながら行ってしまった。二人の怒りを抑えたノーメンは部屋で精神統一をしてくると言っていた。
精神統一ってなんだよ。
あとちなみに部屋は2部屋借りていて一応フェレサと夜で一部屋、俺とノーメンで一部屋となっている。まあキャッタナ大陸まではそんなに遠くないらしいから部屋はそこまで必要ないんだけど。
はあー、こうもいい陽気だとなんか身体の力抜けるな〜、だらだらしたい。
キャッタナ大陸までまだ時間あるし少し寝るか…。
そして俺は心地良い陽気に包まれながら眠りについた。
ーー「アキハ様、そろそろキャッタナ大陸に着きますよ」
「ふあ〜ああ…わかったよ」
…随分早いな、いや寝てたから早く感じるだけか。
眠気を取り払って周囲を見ると、すでにノーメンとフェレサも甲板に戻ってきていた。
「あれがキャッタナ大陸かい、初めて見たよ」
寝ていた椅子から立ち上がり夜達の元へ行く。
「フェレサって初めてなのか、じゃあエルノイド大陸から出たことってあるの?」
「ないんだよ、船に乗るのもこれが初めてで」
「そうだったのか」
だからあんなにはしゃいでいたのか、まあそれにしてもはしゃぎすぎだが。
「アキハさんは他の大陸に言ったことがあるのかい?」
それはまあ、最初にこの世界で勇者をやっていた頃はすべての大陸に行ったがその頃とは結構地形が変わってるしな
「いや、行ったことないぞ、俺たち3人」
「3人ともないのかい、それじゃあ四人全員が初のキャッタナ大陸ということだね」
「まあ、そうなるな」
フェレサと話しているとだんだんとキャッタナ大陸の港町がよく見えるようになってきた。
「そういえば聞いていなかったんだけど、アキハさんは何をしにキャッタナ大陸へ行くんだい?」
「別に明確な目的があるわけじゃないさ、今は旅の途中でな、この世界のいろいろなところを旅するつもりなんだ。」
「そういえば言っていたね、旅をしているって」
言ったかなそんなこと?
「まあ目的を置くとすれば、それは楽しむこと」
「楽しむこと?」
「ああ、俺は楽しい面白いと俺が感じることを味わいたいんだ」
「それはまた面白い旅の目的だね」
「面白くない人生なんて退屈でしかないからな」
「それには同感だよ。あとさ、また今度でいいからアキハさんとヨルハさん、ノーメンさんの3人の関係も聞きたいかな」
…どうしようか、本当のことを話すべきか話さないべきか、まあ話す時に考えればいっか!
「ああいいぞ」
「やったー、前々から気になっていたんだよね」
ガタンッ
「痛ったー!」
船が到着したようだ。船を止めた時の揺れで、はしゃいでいたフェレサがこけた。
それを見ながら鼻で笑う夜、
その夜を見て若干呆れが含まれた眼差しで見つめるノーメン…君達の立ち位置はもうそれで固定なのかい?
まあそれはいいとして意外と短い船旅だったが到着したな、久しぶりのキャッタナ大陸!
船から降りた俺たちはまずこれからの予定を話し合っている。あと船に乗っていた馬もしっかりと連れてきている。
「それじゃあ、どうしようか?」
悩んでいると夜が提案してきた。
「今日はこの町の宿に泊まってはどうでしょうか」
今突然思ったことなんだが夜は最初の頃より喋ることが多くなったと思う。表情もわりかし豊かになってきているし、俺が最初にあの森で言ったことはちゃんと分かってくれたようで良かった。
「アキハ様?ダメだったでしょうか…」
どうやら考えごとをしているのを意見の否定と受け取ってしまったようだ。
「いや、ちょっと考え事をしていただけだ。それでいいと思うぞ、もう時間が時間だしな。まずは昼食を食べれるところを探そう」
「そうだね、私もお腹がすいてきたよ〜」
「それでは行きましょうか」
こうして俺たちは昼食場所を探して歩き始めた。
馬は船を降りてすぐのところにあった馬車庫に預けてきた。
町の中はやはりというか獣人族が多い。ざまざまな種類の獣人が歩いている。
だが意外と獣人族意外の種族も多く、そこはエルノイド大陸の港町と変わらないみたいだ。
今歩いている場所は大通りか何かなのか出店や食事を出来るところ武具店など様々な店が構えている。
まあこれなら食事は安心だな。
「何を食べようか?とりあえず適当に店に入っちゃうか」
「そうだね、できればすぐに食べたいからあんまり混んでないところがいいかな」
「主様、あちらなど如何でしょう?店内も空いていますし店自体も綺麗でいいと思いますが」
先ほどまで周囲に怖がられていたノーメンが提案してきた。やっぱりあの仮面は怖いのか?
「そうだな、迷っていても仕方ないしそこにしよう」
こうして店を決めた俺たちは早速店内に入った。
ガチャ、
「いらっしゃいませー」
店内は日本でいうカフェのような内装だが、ところどころ違いがありやはりこの世界特有のものと言えるものなんだろう。
「4名様ですね、それでは席にご案内させていただきます」
ウエイトレス姿のケモミミ少女が元気よく言ってきた。その少女に案内され奥の方のテーブル席につく。
俺とノーメンが隣で夜とフェレサがその向かいだ。
夜とフェレサの間には隙間がかなり空いている。
店内には俺たち以外は数名しかいない、これなら別に席を案内する必要はなかったんじゃないかと思うのだが…。
「ご注文が決まりましたらお呼びください!」
そう言い残し今度は他の客のところへ行ってしまった。
テーブルの上にはメニューが置かれている。
メニューの種類はそれほど多くない。どうやら時間帯でメニューが変わるようで今はランチメニューしか頼めないみたいだな。
「さてさてどれにしようかなー」
お腹が空いていると言っていたフェレサはメニューを見て悩んでいる。
「俺はフェレサと同じやつでいいや」
メニューを見てみたが名前だけだとよくわからなかったし…。
「私もアキハ様と同じもので」
「それでは私も同じものを」
夜とノーメンも同じか。
「なんだいなんだい、違うものを頼んで食べさせあいっこしないのかい」
「するわけないだろ」
「同じものを食べるのもなんだかなーと思うからさ、私が適当に選んじゃっていいかな」
「そうだな、そうしてくれ」
「はい構いません」
「お願いします」
「お水をお持ちしました」
フェレサがメニューを決めたところでちょうど先ほどのケモミミ少女が水を持ってきた。
「ちょうど良かった。メニューが決まったので注文してもいいかい?」
「はいどうぞ」
そう言って少女はメモ帳のようなものをポケットから取り出した。
その後はフェレサがメニューを指差しながらいろいろと注文していた。なんかやけに時間がかかってたな。
注文してから数分で料理は運ばれてきた。すごい速さだな。
「これでご注文された品は全てですね。それではごゆっくりお召し上がりください」
テーブルの上には見るだけで美味しいというのが伝わってくるほどの料理が並べられている。
のだが…、
「フェレサ、この量はなんだ?お前どんだけ料理頼んでんだよ!」
「ランチメニューを全部頼んだからね、量が多くなるのは仕方ないさ」
「そういうことじゃねえよ、てかこれ俺たちの分はどれだ?どれを俺たちに頼んでくれたんだ」
「何を言っているんだい。これ全部を一緒に食べるんだよ。食べさせあいっこが出来ないならこれくらいいいじゃないか」
「そこにこだわりを持つなよ、めんどくさい」
「いいじゃないか〜。一緒に食べようよ〜」
うるさいなもう。
「はあ、もうこの際一緒に食べるのはいいが、責任持ってお前が完食するんだぞ」
「わかっているさ!私はこう見えても大食いなんだよ。こんな美味しそうな料理を残すはずないじゃないか」
「はいはい…じゃあ早速食べますかね」
俺、夜、ノーメンは手を合わせ。
「「「いただきます」」」
いただきますを知らないフェレサは驚いている。
「な、なんだい今の掛け声は!?」
「掛け声ってか食事をする時の挨拶だよ」
「へぇ、そんな挨拶があるのかい。初めて知ったよ」
「いいからさっさと食べろよ、腹減ってんだろ」
「うん、そうだね。それじゃあ私も…いただきます!」
こうしてやっと俺たちは昼食を食べ始めることができた。
あまり話が進んでいませんね…




