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港町へ向けて


遅くなりましたm(_ _)m


「準備はいいな、出発するぞ〜」


「はい大丈夫です」


「いつでも大丈夫だよー」


朝食を食べ終えた俺たちは出発の準備を整え早速森を出て行く事になった。


「夜は馬をよろしくな」

「はい」


「ヒヒーン」

久しぶり感がすごいな。馬は昨日の夜には目覚めていたようで朝には飯を普通に食べられるほどに元気になっていた。まあ元気になってもらわなきゃ困るんだがな、これから馬車を引いてもらうわけだし。


「それじゃあ行くか」

「はい」

「ほーい」


こうして俺たちは野営地を出発した。


森を出る道順はフェレサが持っている地図でわかっていたので迷うことなく森を進められている。


森を出る道中も昨日と同様に幽霊達の姿は見えている

ただ今回はこちらに近づくことはなく周りからこちらの様子を伺っているだけだった。


昨日の夕食の時、フェレサになぜ夜にしがみついていたのか聞いたんだがどうやら夜の方が力を持っていると思い助けを求めるなら力の強い夜の方がいいと思ったらしい。フェレサがしがみついていたと知った夜の顔は凄まじかった。あれは言葉では言い表せない…とにかく凄かったとしか言えない。

そしてここからは俺の推測なんだが幽霊達も夜の力を感じ取り助けを求めて夜についてきていたんじゃないかということだ。


助けを求めるとは闇堕ちした幽霊達からということだ。昨日夜についてきていたのは闇堕ちしていない幽霊達だった。

そして闇堕ちした幽霊はノーメンが全て狩ってしまったからな。助けを求める必要がなくなったから今日は様子を伺っているだけ、というのが俺の推測なんだが…まあどうでもいいことだな。


そうこう考えてるうちにもう森の出口まで来ていたようだ。


「さあ、ここを抜けたら森を出られるよ」


どうやらこの森には正規の出入り口があるようで道も踏みならされていて道が続いているとわかるくらいにはなっている。

この森にも結構来訪者がいるようだな。


おっと、夜もフェレサも出てしまったな。それじゃあ俺も出るか…。


「「「また来てネ〜〜〜〜!!」」」


さっさと出よう、幽霊達に歓迎されても嬉しくない。

こうして俺たちは無事、死者の森を出ることができた。



ーーー死者の森を出た俺たちは森から少し離れたところで話をしている。森を出たばかりの頃は森から幽霊達がこちらに手を振っていた。じゃあねと言わんばかりに。

あれを見ているとなんかまたここに来たくなってくるような気がしなくもなくもないような気がしなくもない。



「アキハさん聞いているかい。私はこれから依頼を受けたギルド長の元へ向かわなきゃ行かないからここでお別れだよ。いろいろと助けてくれてありがとう。これはお礼なんだけど受け取ってくれるかい」


そう言ってフェレサは綺麗な鉱石を出してきた。


「なんだこれ?」


「これは魔除けの鉱石でね。邪の者を近づけさせない効果があるんだ」


「へえ、そんな鉱石もあるのか。でもまあ、いらないぞ」


「ど、どうしてだい。これじゃあ足りないかい!?」


「いやそういうわけじゃないさ。今回のことは俺がやりたくてやったんだ。俺はお前を助けることで面白さを得ることができた。見返りはそれで十分だよ」


「そ、それじゃあ私の気持ちが治まらないよ。これは私の気持ちなんだ、どうか受け取ってほしい」


「んーまあ、そいういことなら受け取らないと失礼だからな、ありがたく貰っておくよ」


「うん」


「ところでさっきここでお別れと言っていたが、フェレサに依頼をしたギルド長のいる町ってシオラスって名前の港町じゃないか?」


「そうだけど、なんで知っているんだい?」


「ここから一番近い町だからな死者の森の調査の依頼をするんだったら一番近い町の冒険者ギルドがするんじゃないかと思ったんだよ」


「そっか。まあその通りなんだけど。ここでお別れっていうのは変わらないんじゃないのかい」


「俺たちもシオラスに行く予定があってな。どうせなら一緒にいけばいいだろ」


「本当かい!それは是非ともだよ。一人の旅路は寂しいからね」


「じゃあそういうことでいいな、夜もいいよな?」

「はい…」


「うわ、ヨルハさん目が怖いよー、仲良くいこうよ仲良く」


この二人の仲は深まるんだろうか。


「そうだ、ここでフェレサには俺の仲間をもう一人紹介しておくな」


「え?」


「ノーメン、出てきていいぞ」

そういうと俺の隣にノーメンが姿を現した。


「うわ、ビックリした〜。いつからいたんだい?」


「ノーメンとは今までちょっと別行動をしていてな。今朝戻ってきたんだが、少しフェレサを驚かせようと姿を隠しもらってたんだ」


「そうだったのかい!いや〜ビックリしたよー。それにしてもなんで仮面をつけているんだい?」


「ノーメンはあまり素顔を人に見られたがらなくてな、普段は仮面で顔を隠してるんだ」


「そうなのかい。それは素顔が気になるところだね」

「なんなら見せてもらうか?」

「いいのかい、あんまり見られたくないんじゃないのかい?」


「大勢に晒すのを嫌うだけだからな。まあ一人ぐらいなら別に平気だろ。ノーメン、仮面をとってくれるか」


「畏まりました」

そう言ってノーメンは仮面をはずす。そういえば夜もノーメンの素顔を見るのは初めてだったな。


「ほえーなかなかにイケメンさんだねー」

「……」

夜は無言か。


「ありがとなノーメン。もういいぞ」

仮面を戻すノーメン。


「それにしても彼もなかなか強そうだね」

やはりフェレサもなかなか腕がたつようだな。見ただけでもある程度実力をはかれるようだし。


「そじゃあ仲間も紹介したところで早速出発するとしようか」

そう言ってアイテムボックスから馬車を出す。


「へえ、アイテムボックス持ちかい。便利でいいねー」


「まあ確かに便利だな」


「馬がなんでいるのか不思議だったんだけど馬車を引かせるためだったのか〜」


「主様、夜先生、今回は私が御者を務めさせて頂きます」


「おお、そうかよろしく」

「良い心がけです。失敗はしないように」

出た夜の先生モード。

「はい!」


今思ったが夜とノーメン両方に主様と呼ばれるのなんか変だな。

どっちかには別の呼び方にしてもらおう。


しかしよくよく考えると秋様って呼ばれるとアキハのどこからシュウが出てくるんだってなってくるからな

まあアキハ様が妥当かな。


「フェレサ、馬車に乗ってていいぞ」

「ほーい」


フェレサが馬車に乗ってから

「夜、ノーメンちょっといいか?」


「はい、なんでしょうか」


「はい」


「両方に主様と呼ばれるのもなんか違和感があるんでなどっちかに別の呼び方で呼んでもらおうと思ってな」


「そうですか、なんと呼べばいいのでしょう…(秋様、秋様、秋様、秋様………)」


「ちなみに秋様は偽名がアキハだからダメだぞ」


「(そ、そんなー)」


「やはりアキハ様がいいのではないでしょうか」


「ノーメンもそう思うか。じゃあどっちかにアキハ様と呼んでもらいたいんだけど、どっちが……」


「私に呼ばせてください!ノーメン、今回は私に譲りなさい!」


「は、はい…」


「それじゃあ夜はこれからアキハ様でよろしくな」


「はい…あ、アキハ様」


「まだ出発しないのかーい!」

馬車の中からフェレサが叫んでいる。


「それじゃあ御者はノーメンがやるとして、そろそろ出発するとしようか」


「はい」


「(アキハ様、アキハ様、アキハ様、アキハ様………やったーー!)」



こうして俺たちはシオラスの町を目指して出発した。





エレスタの勇者達はいつ登場するのだろう…

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