夜先生と生徒君
夜先生!(・ω・)ノ
次の日の朝、俺は珍しく一番早く起きていた。夜とフェレサはまだテントの中で熟睡中だ。フェレサなんかはいびきをかきながら寝ていた…ああいうのをきっと残念美人と言うんだろうな。
俺たちはテントの中の簡易ベットに寝ている。テントの中には付属の簡易ベットがテントを張ると同時に出てくる仕組みになっている。他にもいろいろな機能があったがまだそんなに試していない。ベットは最大で6個出てくる仕組みになっていて今は3個ベットを出しそれぞれが1つのベットに寝ている。
結構高機能なテントなのでなかなかくつろげる。会えるのであればいつかこのテントの製作者にも会ってみたいもんだな。
そして朝早く起きた俺は今ノーメンと少し話をしている。
ノーメンは今能力で姿を消しているが第七のステータス時の能力なら見ることができる。まあ他のステータス時にも魔力を感じることができるから存在自体は感じ取ることができるんだが。
「それでノーメン、お前昨日よりも少し魔力量が多くなっているが、今まで何してたんだ?」
俺は先ほどまで第七のステータス時の魔力感知の精度を上げるため訓練をしていたんだが、その時に明らかに昨日より魔力量が上がっているノーメンが岩場の奥から姿を現したんだが…。
「今までこの森の悪霊達を狩っていまして先ほど狩り尽くしたところです。私の能力的にもこの森で得られる力は大きいので今のうちに喰らっておこうと思いまして。」
「悪霊ね…じゃあ全ての霊を喰らったわけではないのか?」
「はい、すでに闇に堕ちている者のみを狩るようにしました。」
闇堕ちした幽霊達、それは魂が汚れたもの達を意味し完全に闇落ちしたものは輪廻の輪から外れその世界に留まり続ける。そしてそれは汚れなき幽霊や魂にも影響を及ぼす存在へと変化する。
まあこの世界に存在しても害にしかならない連中なんだが、それだけを狩ってきたって…どうやらノーメンは善人的自我になったようだな。
悪霊より汚れなき霊達の方が吸収した際に得られる力は大きいはずだし。
「そうか、なら良いんだがしばらくは俺のそばにいろよ。この森を出たところで夜とフェレサにはお前を紹介するつもりだからな」
「はい、畏まりました」
こうして俺はノーメンとの話を切り上げテントに戻ろうとする…がその前に夜がテントから出てきた。
「主様、今誰かとお話ししてませんでしたか?」
話し声で目が覚めてしまったのか、ん…まあ別にノーメンのことを話すのは今でいいか。どちらにしろ夜にはフェレサに話す際の口裏を合わせてもらうために事前に話すつもりだったしな。
「夜、少し話があるからこっちへ来てくれ」
「え?あ、はい」
夜が俺の隣に来てからノーメンに合図する。
「ノーメン、一旦能力を解除して姿を現してくれ」
と言っても能力を発動していてノーメンが最初から見えている俺から見たら何も変わっていないからわからないんだが…。
「主様、この男は一体?」
夜にもしっかり見えているようだな。
そこから俺は今まであったことを夜に説明した。お互いの自己紹介も先にしてしまった。そしてフェレサには森を出てから紹介すること、ノーメンが昨日の魔物だとバレてはいけないことを話し、口裏を合わせてくれるよう頼んだ。
「はい、大体の事はわかりました。それでこの者はこれから旅に同行するのでしょうか?」
「ああそのつもりだ。俺はこいつの成長が見てみたくてな、その為ってのが一番だな。まあ他にも雑用とか身の回りの世話もしてもらうかな(本当は悪巧みの幅が広くなることが一番だが)」
「つまり私の方が偉いのですね」
「は?」
「私の方が立場は上ということでいいですよね!」
「ああそうだな、。ノーメンにはこれから学ぶべきことが山ほどあるし、夜から学べることもあるだろう。
ノーメン、これからは夜にいろいろと教えてもらえよ。」
「はい、よろしくお願いします。」
そう言って夜に頭を下げるノーメン。
「これからは私を先生と呼ぶように、わかりましたね」
夜がなんか変なテンションになっている…大丈夫なのかこれ。
「はい、よろしくお願いします。夜先生」
「いいでしょう」
まあ…大丈夫か!夜もしっかりしてる所はしっかりしてるしな!
「ちゃんと仲良くしろよ」
「夜先生から多くを学べるよう精進致します」
「私が完璧な執事に育て上げますので主様はご安心下さい」
「それじゃあ顔合わせも済んだことだし、まだしばらくは姿を隠してろノーメン」
そう言って俺は【常世の眼】を解除する。
「はい」
そう言い残しノーメンの姿は消え去った。
そう、スキル【常世の眼】を解除すれば能力発動中のノーメンの姿は見えなくなる。
【常世の眼】の発動を解除すれば幽霊も最初から見えなかったんじゃないか、あんな思いをしなくて済んだんじゃないかと思った方…残念、能力を解除した状態でも大体の幽霊は見えてしまっていた。時々ノーメンの様に【常世の眼】を発動しなければ見えないものもいたが、そういったものは大抵がある程度の力を有していた。
どうやらそういった区切りが存在するらしい。
まあとりあえずこれでフェレサへの懸念事項も大丈夫そうだし。
「それじゃあ夜、朝食を頼むよ」
「はい主様」
そして朝食を夜に頼んだ俺はフェレサを起こしに一度テントに戻った。
テントの中に戻るとフェレサはまだ大きないびきをかきながら熟睡中だった。
やはり残念美人だな…。
俺は魔法でフェレサの身体を宙に浮かせある程度の高さまで行ったら…魔法を解除し地面に落とす。
ドスンッ!
ゴフッ
「ぃ、いったあああああああい!!頭が!頭が割れるーーー!」
落下の仕方が悪く頭から地面に落ちてしまった。
「何をするだ、いきなり!私は気持ちよく寝ていただけなのにー!」
「いやすまん、なんか寝顔を見ていたらこうしたい衝動を抑えられなかった」
「女の子の寝顔を見ておいてなんだいその感想は!」
「いやお前の寝顔のどこに魅力を感じろというんだ、残念美人」
「残念美人とは酷いじゃないか、これでも私は冒険者の中ではアイドル的存在でーー」
「あー、はいはいわかったから」
「信じてないだろ君、本当なんだぞ」
「いいからテントの外に来い、夜が朝食を作ってくれてる」
「本当かい、それは楽しみだね」
切り替え早いなこいつ。
「昨日のヨルハさんの夕食は美味しかったからね、楽しみだよー」
「とれあえず着替えてから外来いよ、もう既に俺と夜は着替え終わってんだからな。朝食を食べたらこの森を出るから準備も済ませておけ」
「はいはーい、わかったよー」
そして俺は残念美人をテントに残しテントの外に出る。
あとちなみにいつ俺と夜の冒険者用の衣服を用意したかというと、ソーラスの町で買うことをすっかり忘れてた俺は時間がある時に適当に冒険者っぽい服を能力で作った。
だから最初に夜に作った服や俺が以前に着ていた服は今は就寝時の服として使っている。
残念美人のフェレサさん




