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魔物の始末

少し短いかも…



テントを張り終えた俺たちはとりあえず夕食を作ることになったんだが…。


「主様はお休みになっていてください。料理は私たちで作りますので」

「そうだね、魔物を倒してくれた功労者にはぜひ休んでいてもらいたいね」


料理を作ろうという話になる前に夜がフェレサに何か耳打ちをしてその後はこんな感じで俺に料理を作らせようとしない。

夜さん、フェレサの事嫌ってたよね!そんなに俺に料理を作らせたくないですか、そうですか…。

まあ、すでに自分の料理の腕は自覚してるから最初から作る気はなかったんだが、この夜の気遣いがとても心に痛いのですよ。


「ああ、わかった。それじゃあテントにいるから料理ができたら呼んでくれ」


「はい、わかりました」


「美味しい料理を期待しているといいさ!」


こうして料理当番の二人と別れ俺はテントの中に入るふりをし先ほど魔物の元へ転移した…。




魔物の元へ転移してきたんだが、どうやらまだ気絶してるみたいだな…まあこの方が都合がいいんだが。


今回この魔物を生かすことにしたんだがさっきさらに面白いことを思いついたのでそれを実行しに来た。


「それじゃあ早速始めるとするか」


今回やりたいことは【生命創造ネイト】を使ったちょっとした実験のようなものだな。


俺は早速【生命創造ネイト】を発動する。


ここから少し複雑になってくるんだよな、夜達の料理ができるのにだいたい30分ぐらいだとして、それぐらいには終わるといいんだが…まあとりあえずやれることはやってしまおう。


まず俺はこの魔物の魂を確保し肉体と切り離す。これは夜のような俺の魔力を核にして生命創造を行うことの応用で、他の生命体の魂を奪いそれをエネルギーに変換し核にして生命創造を行うこともできる。


ただし今回はこの魂は一切変換を行わずこのまま使う。その際のメリットはその生命体が持っていた能力を引き継ぐことができること、デメリットは夜のように俺のスキルを割譲することができないことだ。

それに魔力量もその生命体が保有していた魔力量のままだ。

ただ今回この魔物は面白いスキルを持ちさらに成長の見込みも見られたからな。俺はこの魔物の体のみを【生命創造ネイト】で作りそこに元の魂を入れることにより新たな生命を作ることにした、もちろん名前を与え自我も芽生えさせる。ただ今回は夜の時とは違いその自我を与える時に契約で縛り俺の命令は絶対という刷り込みを行う。魔物が素材で少し不安な部分もあるからな保険のために今回はこうしておくことにした。

それじゃあ早速目を閉じイメージを構築していく、イメージするのは青年、まあやっぱりイケメンにしてやろう、身長は約185センチ、身体はすらっとした細身にして、髪は短め、肌は色白で……よしだいたいこんな感じかな


イメージを終え目を開けるとそこにはイメージ通りの青年が立っていた…裸で、そう裸だ。夜の時もそうだったがやっぱり最初は裸なんだよな。

まあ、しかしそれ以外に問題はなさそうだな、しっかり魔物の魂も体に定着してるようだし、あとは名前だな…。


名前か…どうしようか…今回は蒼葉を名乗らせるのもおかしいしやっぱ全く別物の名前にしようかな


「それじゃあ名前は…ノーメンなんてどうだろうな」

魔物の顔が能面みたいだったからなんだが、ちょっとおかしいか…。

ネーミングセンスがなさすぎる。


「ノ…メン、私の名前。ノーメン。我が主人、秋様に仕えさせていただきます」

ノーメンで決まってしまったらしい、まあいっか!


しかしどうやら今回は眠りに落ちないみたいだな。自我の定着があって少しは眠ると思ったんだが、魂を核にするとだいぶ勝手が違ってくるみたいだな。魂を使ったのはこれが初めてだったがやっておいてよかったかもしれないを。


「それじゃあノーメン、服を作ってやるから少し待ってろ」


「はい…」

現在ノーメンは全裸で仁王立状態だ、なんか迫力があるな。


まあまず眼を翡翠色に変え夜の時と同様【万物操作フラワルド】を使用し周囲の物質から粒子単位で分解し服を構成していく。イメージするのは執事服、そして先ほどの魔物の顔を模した仮面を作る、仮面をつけたほうがやっぱり元魔物感が出ていい感じになりそうだしな。


服を作り終え、それをノーメンに渡し着させる。


「どうでしょうか?」

着終えたノーメンが聞いてくる。


「やっぱ似合ってるな。仮面もいい感じで雰囲気が出てるしな」


「ありがとうございます」


「これからお前には俺の旅に同行してもらう。お前はその旅の中で己の力を高めることを目標とし、常に上を目指せ」


「はっ!畏まりました」


まあ、その他必要な記憶は夜の時と同様に自我の芽生えの時に与えられてるはずだから大丈夫だろ。


「とれあえずお前は俺が呼ぶまで姿を消してろ、能力でできるはずだ。大丈夫か?」


「はい、大丈夫です」


そうしてノーメンは姿を消した。

今日はまだノーメンのことは夜達には言わないほうがいいだろう。明日にでも夜に事情を説明して、フェレサヘの説明は口裏を合わせて貰えば大丈夫だろう。


とりあえず、これでやりたいことは終わったが、そろそろ戻った方が良さそうだな。


魂が抜けた魔物の死骸はアイテムボックスにしまい

俺はテントへ転移した…。


しかし、最近眼の色の切り替えが多すぎて眼が痛くなってきたような気がする。

これはなるべく早く改善したほうがよさそうだな。





テントに戻ると夕食の準備ができたと夜に呼ばれた。ちょうどいいタイミングだったみたいだ。


テントを出ると目の前のテーブルの上には豪華な夕食が並べられていた。材料は王城で掻っ払ってきたものや、こないだ狩った魔物も入っている。


しかし美味しそうだな。


「どうだい、美味しそうだろ〜」

フェレサが俺に言ってくる。

なんかイラっとくるので無視しよう。

「美味しそうだな夜。それじゃあ早速頂くことにしようかな」

「はい」


「ちょっとー!無視しないでくれよー」


こうして俺たちは夕食を食べ始めた。

夕食は見た目通りとても美味かった。夜の料理はいつも通り美味かったんだがフェレサのもなかなか美味かった。確かに自分から言うだけの事はある。

まあそのあとも特に何事もなく1日は終わっていった。

ちなみに野営地周囲の幽霊達はノーメンに任せいている。

ノーメンはどうやら素の状態でそういったもの達が見えているようでかなり助かった。


ノーメンのお披露目は明日、この森を出てからにしようと思ってる。


ノーメン……やっぱり呼び方だけでも、もう少しマシなものにするか…。









新たな旅の仲間追加


ノーメン、我ながらネーミングセンスが…

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