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死者の森

逢魔時に出逢う物…(・ω・)ノ



今俺たちはフェレサの案内にしたがって魔物が目撃された場所を巡っている。

ちなみにフェレサは魔法で空中に浮いてるんだが、浮いている生首に生えた手が下にぶらぶらしていてさっきより気持ち悪さが増している。


「フェレサ、魔物が目撃された場所はあと何カ所あるんだ?」


「えっと、あと3つだよ」


「もうすでに日が沈んでいて森の中が暗いんだが」

「大丈夫だよ、光魔法で灯りもしっかり確保してるし、それに夜中の方が魔物が出やすいんだよ」


「そういうことを言ってるんじゃないんだがな…」


「じゃあなんのことだい?」


いや言えるわけないだろ、森の中の幽霊の数がさらに増えたなんて。

それにフェレサが俺の魔力放出に耐えられないから、さっきみたいに魔力の放出で追い払うこともできないしな。

どうやら夜にしがみついてる時すごい顔になってたのは俺の魔力がきつかったかららしいし。


「いやなんでもない、さっさと魔物の調査を終わらせるぞ」


「そうだね、さっさと終わらせよう!」


今の会話に全く入ってこなかった夜だが、夜は俺とフェレサの後ろを馬と一緒に無言でついてきている。

調査を開始した最初のほうはフェレサが夜に話しかけていたが夜がガン無視していたらフェレサの方が諦めた。

ちなみに夜の隣を歩く馬の方は野生の勘で感じることができるのか、幽霊が近くにいると怯えている。なんか馬の目が心なしか半泣きになっているようにも見える。


「さあついたよ、魔物が目撃された場所」


そう言われフェレサの前に行くと、なんとも言えない光景が広がっていた。


「フェレサ、お前には今何が見えている」

「ん?えっと少し開けたところに大きな岩が椅子のように積み重なっていてその周りを木が囲っている…かな」


「そうか…」

だが俺にはさらに別のものが見えている。


「え?!私何かおかしなこと言った?」


「いや別にそういうわけじゃないさ」

そうだ幽霊が見えるのは別にいいんだこの際、だってこの森にはそこら中にいるからな。ただこれはおかしい、今俺の眼の前では幽霊達がお互いを喰いあっている、喰われた幽霊は喰った幽霊に吸収され力となりそこからさらに強力な存在が生まれている。そうまるで蠱毒のような光景だ、これは誰かが意図的にやらなければ起こらない現象だ、異様すぎるぞ。


俺とフェレサが話している横に夜が来た。


「主様、魔物は見つかりましたか?」

「いや、ここにも…」

ドサッ


夜と一緒にいた馬が突然倒れた


「え!?なに、どうしたの!?」


「主様、これは一体!?」


おそらく俺が見た光景を感覚的に感じ取り耐えられなくて気絶してしまったんだろうな…ん!?この気配は…。


「夜、フェレサ、気配を絶つんだ一旦ここから少し離れたところに隠れるぞ」

「主様、何か来たんですか?」


「ああそうだ、とりあえず早く離れるぞ」


「ちょっと待って!馬はどうするんだい?」


「ここに放置していく、大丈夫だ。死にはしない」


「さあ早く俺について来い」


こうして俺たちは馬を放置しこの場を離れた…。




先ほどの岩場が見える場所に息を潜めた俺は二人に事情を説明している。


ーーー「ということは魔物の気配がしたんだね」

「ああ、相手の情報がないからな一旦隠れることにした」


「主様、馬は大丈夫なのでしょうか?」


「大丈夫だ、おそらく今回の魔物はそういった類のものじゃない」


「どういうことだい?」


見てもらったほうが早そうだな。これはあんまりやりたくなかったんだが仕方ないか。

俺はユニークスキル【常世の眼】の(逢魔時)を発動し二人にも俺が見ているものを見えるようにする。


「二人ともさっきまでいたあの岩場を見てみな」

「は、はい」

「なんだい、魔物がいるのかい」

そう言って二人は岩場を見てしまう、一体どんな反応するだろうか、楽しみだな。


「っ!?な、なななんだいあれ!」


「主様、あれは一体…」


夜はあんまり驚かなかったがフェレサの方は凄いな。

顔がすごいことになってる、どんだけ驚いてんだよ。


「二人とも見えたか、あれがおそらく今回の調査対象の魔物だろうな」


そう、さっきまで俺たちがいた岩場には能面のような顔をした頭がやたら大きな人型の魔物がいる。

大きさは5メートルくらいかな。その魔物はフェレサの能力のように何かしらの能力で姿を消していてこの二人には今まで見えていなかった。


そして蠱毒を仕掛けたのもおそらくこいつだ。こいつはさっきまで幽霊同士で喰いあってた奴らを全て喰いやがった、多分それで力を増してるんだろうな。

一体どんな能力なんだか。

「魔物はわかったけどあの半透明の人たちはなんなんだい?」


「幽霊だ」


「ゆ、幽霊!?」


「ああそうだ、ここにはもともと死者が見えるっていう噂があったんだろ。これで調査報告できるからいいじゃないか」


「いや、そういうことじゃなくて、じゃあなんで私達にも見えるようになったんだい!?」


「それは俺の能力だ。細かい説明はめんどくさいから省くが俺にはずっと奴らは見えていた。それでどうするんだ、さっきも言ったがあの魔物は少し特殊だ。幽霊達を喰って力を増している、このまま放置すればいずれ大きな被害が出るかもしれないぞ」


「できればここで討伐してしまいたいんだけど、私はあいにくこの姿でね、戦闘はできないんだ。申し訳ないけど頼まれてくれないかい」


「ああ別に構わない、それにフェレサがその姿になった原因も多分あの魔物にあると思うしな」


「本当かい、ありがと!直接戦闘はできないけど私も魔法で援護はするから」


「いや大丈夫だ。夜とフェレサはここから見ていてくれ」

「わかりました」

「え!?大丈夫なのかい?」


「大丈夫だから絶対にここから動くなよ」

そう言い残し俺は魔物のところへ駆け出す。


「ヨルハさん、彼は大丈夫なのかい見た感じあの魔物は現時点でもかなり強力な力を持った魔物だよ、 。援護に行った方がいいんじゃ…」


「主様が一人で大丈夫と言ったなら大丈夫です。それに主様がせっかく楽しそうなのにそれを邪魔するわけにはいきません」


「そ、そうかい…」








魔物の元へついた俺は早速戦闘態勢に入る。

今回は眼の色を変えるつもりはない。この魔物は少し特殊だからな俺の実験に付き合ってもらうことにする。ちょうど普段のステータス、まあつまり7つ目のステータスもいろいろと試したいと思っていたしな。それに経験で得られるものもステータスごとに切り替わってしまうからその辺の訓練も必要だと思っていたところだし、今回はいい機会だな。


俺は抑えていた魔力を解放する

「それじゃあ早速始めようか!あんまり早く壊れないでくれよ、俺の実験の為に!」


俺が魔力を解放すると同時に魔物はこちらを向き戦闘態勢に入った。


やっぱり思った通りだ。さっきの幽霊達に反応したように強いエネルギーに反応するみたいだな。



さて、実験を開始するとしようか!







魔物の見た目はかなり不気味です

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