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シッタの存在意義

料理ができる人ってなんであんなに

モテるんでしょうね…(T ^ T)




〈バスール〉の町から次の町は馬車で進んでも半日ほどかかってしまう。その為今日はだいたい半分のところで野営する予定だ。


現在はバスールを出てからだいたい3時間ほど経ったそろそろ休憩に入る頃だろう、そう思っていると前を走っているクレア達が乗る馬車がスピードを落とし始めた…


馬車を停めた俺たちは近くにあった岩場へと腰を下ろす。


「今日はあと3時間ほど走ったら中間地点には到着しそうですね」

クレアが馬車の荷台から出してきた飲み物を配りながら言う。


「クレア、その中間地点で今日は野営するんだろう?」


「はい、そうです」


「周囲の環境がどうなってるのか聞いてもいいか?」


「あ、はいえっと、このまままっすぐ行くだけなら平原が続くんですが、そこを少し横にいったところに森があるんです。野営はそこの森でしようと思いまして」


「森で野営って、魔物は大丈夫なのか」


「そこには魔物が一切近づかない小さな湖があるので、そこの周囲なら安全に野営ができると思います。それにあの森の魔物は比較的ランクが低いですから」


「へえ、魔物が近づかない湖か。面白いな」


「あの湖は私達商人の間では有名で、旅をする時の安全スポットとして伝わっているんです。それにいろいろな人が使用することから森の外から湖まで道ができていて馬車も湖まで行けるので便利なんです」


「そうなのか。まあそれなら安心だな」


「はい」


「クレアさんアキハさん、そろそろ出発しましょうか。明るいうちに着いておきたいですから」


俺とクレアが話している後ろからホアイが声をかけてきた。


「ああ、そうだな」


「はい、そうですね」


こうして休憩を終了して俺たちは出発した。



湖までの道中は特に何事もなく過ぎ去っていき、空がほんのり茜色に染まり始めた頃俺たちはクレアが言っていた湖に到着した。


「到着〜!」


湖に着いた瞬間シッタが馬車から飛び降りてきて湖に向かって叫んでいる、テンション高いな。


「シッタ、お前ずっと眠っていただろうが!」

スパン!

シッタがホアイに頭を叩かれてる、しかしいい音がなったな。森だから反響してるぞ。



「痛ってー!いや、だってほら眠かったら寝ちゃうだろ、普通」


スパン!


今度はカルムに叩かれている。


「お前が起こしても起きないから、御者は俺とホアイがずっとやっていたんだぞ」


その横からホアイが言う。


「罰として明日の御者は町に着くまでずっとお前がやれよ」


「えー、そんなのあんまりだぞー」


「「自業自得だ!」」


それには俺も同感だな自業自得だシッタ、諦めろ。


そんな言い合っている三人の横、馬車の荷台から眼を擦りながら眠たそうにクレアが下りてきた。


あなたも寝ていたんですか…

そして、シッタが責められているのを見て少し表情が固まった。いや、別に雇っている側なら気にしなくてもいいと思うが。



そんなやりとりも一応ひと段落し俺たちは本格的に野営の準備に入った。

クレア達はクレア達で野営の準備は持ってきているので、食事は一緒にするということでそれ以外の準備は俺と夜だけでやることになった。


まさか、いきなりソーラスで買った野営の道具が役に立つとはな買っておいてよかった。そうして俺は夜と一緒にテントを張っていく。


テントの大きさはだいたい大人5人が転がったらいっぱいいっぱいのものだ。ただしそれは外から見た場合だが。


テントを張り終えた俺と夜は早速テントの中に入る。



「広いですね、主様!」

「ああ、結構広いな」

中は一辺だいたい20メートルぐらいの正方形の形をしている。


「主様、これは魔法ですか?」


「ああそうだな、これは空間魔法だと思うぞ。夜はこの世界の魔法の概念については知っているんだよな」


「はい、記憶にございます」


「そうか、ならよかった」


ちゃんと記憶にあるなら良かった…必要に応じて俺の記憶は【生命創造ネイト】を使用して夜を造った時に与えられている。だから夜は初めから普通の人間ができることなどは生まれたすぐに出来たのだ。


まあ、一応この世界の魔法について語っておこう。

この世界の魔法には7つの属性が存在し、水 木 火 闇 光 時 空の7つだ。

そして魔法を発動するには2つの方法が存在し、まず1つが想像魔法、これは自分の魔力にイメージを加えそれぞれの属性に変化させるという方法だ。

これはイメージ力に作用されるのでできる者は少ない、だから普通の魔術師たちはそれぞれ使いたい魔法の魔法陣を描き魔法を発動する。

魔法陣はこの世界に数多く存在し、それを覚え行使するのが一般的だ。だが自分で魔法陣を開発し新たな魔法を生み出す者もいる。実際現在この世界に存在する魔法陣は先人達が考案してきたものなので出来ないことはないんだがそれが出来るのはごく少数の者たちだろう。

ちなみに俺がソーラスで発動した魔法陣は俺オリジナルのものだ。この世界で冒険していた頃仲間と一緒に考案した魔法陣だ。

その魔法をまたこの世界で発動したと改めて思うと感慨深いものがあるな…


まあ、それはいいとしてだ。俺が前回魔法を発動した際に叫んでいた詠唱は魔法を発動しやすくする効果がある。

これは想像魔法と魔方陣による魔法も共通していることだが、魔法陣のほうはそれぞれ魔法陣によって詠唱は決まってしまっている。だが想像魔法は自身で想像している魔法なので詠唱は自由に唱えることができる。


それとさっき言った属性についてなんだが時と空以外は基本誰でも使える。ただ、得意な属性なども存在していて相性が悪いとその属性の魔法の行使は難しい。


時と空の属性は例外でこの2つだけは適性があるものしか行使できない。

だからこの空間魔法が組み込まれているテントはかなり高価だろうな。実際まあまあ高かったし。


とまあ、魔法に関してはこんな感じだな。

ああ、それとこの間の魔族がやっていた術式は魔法とは全くの別物だ。どっちかっていうと術式の方が魔法より難易度は高いだろうな。

まあ別物と言っても密接な関係なのは確かだ。実際このテントには術式も関係してきているからな。


まあ、術式の詳しい説明は今度にしよう。面倒くさいし、それにそろそろ夕食の準備だろう。



「アキハさん、ヨルハさん!こちらもテントを張り終えたのでそろそろ夕食の準備を始めましょう!」


お、ちょうど呼ばれたな。


「ああ、今行く!」




テントの外に出ると四人が食材と調理道具を馬車から下ろしていた。

それにしても色々なものを馬車に乗っけてるんだな。


「ところで夕食は何を作るんだ?」


クレアに聞く。


「スープを作ってパンと一緒に食べようと思っています」


「そうか、それじゃあ俺も料理を手伝だ……」

「主様!今回は女性に任せてください、主様はゆっくり休んでいてください」


「お、おうそうか」

やっぱりこうなるか、いやもうここまでされたら流石に気付きますよ。俺が以前作った料理、美味しくなかったんですよね、そうですよね……地味にショックです。


だがしかし!俺にはまだ奥の手があるのだ!今回は引いてやるがいつか必ず美味しいと言わせてやるからな夜!


こうして、男共は夜とクレアとシッタが料理を作っている間周囲の見回りに出かけた。


ん?シッタ?と思った方、はいそうなんです。あいつ料理がとても上手らしんですよ。男共で見回りに出かけようとしたところシッタは既に料理を始めていました。

なんですか料理ができるくらいで!どうせあいつの需要は料理とムードメーカーだけですよ!


そんな感じでシッタのことを考えている間に見回りは終わり野営地に帰ってくるとすでに料理は出来上がっており台の上にそれぞれの分が並べられていた。



「お、帰ってきましたか、料理はもう出来てますよ!」

俺たちが帰ってきたことに気づいたシッタが俺たちに向かって言う。

なんか、お前料理関係に触れている時が一番輝いて見えるな。

冒険者なのに…



そんな感じで俺たちはそれぞれ地面に座り談笑しながら食事を始めた

この世界では食べる時の挨拶はないので俺は夜と二人で「いただきます」と言った。日本にいた時間は他の世界に比べるとけっこう短いが日本の文化は結構好きだ。


ちなみに料理は普通にうまかった…



この後は特に問題が起こるでもなく食事も終わり俺たちはそれぞれのテントへと戻って眠りについた。



それと、料理の後片付けはシッタが全てやった。

どうやら片付けを全部やるということで明日の、町に着くまでずっと御者というのを免れたそうだ。


そこまでして馬車の中では寝たいのか……







この世界の言語についてはエレスタの勇者側の回の時に触れようと思います

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