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滞在最終日

◆から蒼葉 夜 視点です



「ふあ〜、久しぶりに自分で起きた気がする」

カーテンを開け外を覗くと陽の光が入ってくる。

「いやー、実にいい朝だね」



「主様、もう昼ですよ」


「夜か。いつからいたんだ」


「朝7時にはこの部屋にいました。主様が昨日、明日の朝は起こさないでくれと仰っていたので待機してました」


「いや、別に自由に行動していいんだぞ、何か用があればこちらから夜の方へ行くし」


「そういう訳にはいきません、主様のお世話をするのは私の生き甲斐です」


「どんな生き甲斐だよ」


「それよりも、昼食を作ってきますので着替えていてください」


「ああ」

何故俺が今日は自分で起きると夜に言っていたのか、それはただの気まぐれである。

俺は一体起こされなければいつまで寝ているんだろうか、そう昨日突然思ってしまったのを実行に起こしたまでだ!

はっはっはっはっはー!

何か深い理由があるとでも思ったか、バカめ!

「主様、にやけていないで早く着替えて下さい」

最近、夜の態度が少し冷たくなったような気がします、気のせいでしょうか?


「ほいほい、着替えますよ」


ちょっとテンションがおかしい朝(昼)であった。




「主様、今日はどういったご予定で」

昼食を食べ終わった夜が俺に聞いてくる。


「ああ、それなんだけど明日にはこの街を出るって言っただろ、だから食料調達と野宿用の道具一式と正確な地図を何個か買いに行こうと思ってな、それに明日の朝にはここを出て行くつもりだから少し街の中を見て回るつもりだし」


「そうですか」

「だから今日は外で夕食を食べようと思うんだけど、いいか夜?」


「はい!ぜひ!」


「そ、そうか」

うお、一気にテンションが上がった。


「ところで、この街を出たあとはどこへ行くのでしょうか?」


「ああ、それなんだけど実はまだ決めてないんだよ、今日買う地図を見ながら決めようと思ってね」


「そうだったんですか」



「じゃあ予定も話したし、そろそろ買い物に行こうか」

「はい」


「それじゃあまずは食料調達から」


こうして俺は夜と買い物へ出かけた。







どうも、主様のしもべ、蒼葉 夜です。

現在私の心はとても憂鬱です、理由は……



「アキハさん食料調達ならこの店の方がいいと思いますよ」


「リイナ、邪魔しないで。アキハさんこっちの方が絶対いいです」


この二人、リイナとサラがいるからです、

本当に偶然でした。今日は休日で二人で散歩をしていたそうです。そこに私達は偶然会ってしまい主様が買い物をしに行くというと、いいお店を知っているのでとついて来やがったのです。

まったくせっかく主様と二人きりの時間だったのにとんだ邪魔ものが入ってしまいました。

ですが私にはまだ主様と二人で食事という楽しみがあります、ふふふ…


「お前ら今日は休日なんだろ、せっかくの休みなんだから自分の為に使えよ」


「いいんですよ」


「そうです、お礼のつもりですから」


「まあ、それなら別にいいんだけど」


主様は気づいてらっしゃらない、この二人が主様に好意を抱いていることを。まあ私からすれば二人にはざまあみろですが。


「食料はこれぐらいで十分だな、次は野宿用の道具一式か、地図を買いたいんだけど」


「それでしたらこの近くに地図を専門に売っているお店があるのでそこへいきましょう」


「そうですね、この街では一番いいところですのでそれはリイナに同感です」


こうして私たちは地図専門店へ向かった。


地図専門店では主様が意外と時間をかけられ次の野宿用の道具一式を買い終わる頃にはすっかり遅くなってしまっていた。

これは夕食を食べるにはいい時間ですね。


「今日はありがとな二人とも、助かった」


「いえ、私達にはこれぐらいしかできませんから」


「そうです」


「そんなことはないと思うけど、まあ今日は楽しかったよ」


「「はい私たちも楽しかったです!」」


「ところでアキハさんこの後のご予定は?」


「え、この後は夜と夕食を食べに行こうと思ってるけど」


「そ、そうだったんですか、それでは私達はこれで失礼しますね」


「はい、それではアキハさん今日はこの辺で」


「なんなら二人も一緒に夕食、食べに行くか?店もまだ決めてないし、二人が紹介してくれると助かるしな」


「そ、そうですか!」


「ぜ、ぜひ行かせていただきます」


そ、そんな!!私の今日の楽しみが……


この後は地獄でした。私は主様に気を使って主様へのスキンシップは控えているというのに、この女どもは、抱きつこうとするは食事の時は主様にあ〜んをしようとするはなんということをするんです!


ですが、やはり主様は主様なのですね。そんな彼女らを華麗に避け、食べづらいからと自分で食べる、さすが主様です。


そんな主様と彼女らを見ていて今日の夕食は終わってしまいました。


本当に余計なことをしてくれました、この女どもは…



「それではさようならアキハさん、それにヨルハさんも」


「今日は楽しかったです、ありがとうございました」


「ああ、こっちこそいろいろとありがとな。

じゃあな、リイナ、サラ」


「「はい!!」」


こうして二人と別れた私達は宿へ戻ってきました。


「欲しいものも手に入ったし、とりあえずこの街を出た後どこへ向かうかを話し合った後に寝るとしようか」

そう言って主様は机に二枚の地図を広げていく



「さて、まず決めるのがこの大陸を出るか否かなんだが…どうしようか?」


「主様のこの旅には主な目的などはないんですよね」


「ん、まあそうだけど」


「なら、別にどこでも良いのではないでしょうか」


「いや、こういうのが大事なんだぞ夜。自由な旅といってもその順番が俺が楽しい楽しくないに関わってくる事もあるだからな」

「そうなんですか?」

主様は楽しければなんでも良いのですね、ふふ、主様らしいです。


「というわけでどうしようか」


「主様、主様はエレスタでは死亡したことになっているのですよね」


「ああ、そうだけど」


「それならば、しばらくはあまりこの大陸で目立たないほうがよろしいのではないでしょか?」


「まあ、それもそうだな」


「じゃあ、この大陸は出ていくことで決定でいいか?」


「はい」


「それなら、どこの大陸へ行こうか」


「一番近いのはエルノイド大陸の真下にある獣人族が暮らすキャッタナ大陸ですね」


「そうだな、ならキャッタナ大陸へ行くことにしよう」

「い、いいのですか?」


「ああ、いいと思うよ、さっきはああ言ったけど結局どう行動したら面白い方向へ行くかなんて自分で仕組んだ時ぐらいしかわからないからね」


「そうですか」


「それじゃあ目的地も決まったことだし今日はもう寝ようか」


「はい、それではおさすみなさいませ主様」


そう言って私は主様の部屋を出て行く。


「ああ、おやすみ夜。あ、夜!明日は起きてなかったら起こしてくれよ」


「はい!もちろんです」


こうしてソーラスでの3日目は終わった、

いよいよ明日はこの街を出て行く日。


(暫くは主様と二人っきりでいられそうですね)…







次回、街を旅立ちます

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