情報は大切に
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勇者召喚された世界が、俺が一番最初に生まれた世界だとわかった時から疑問に思っていた。勇者は魔王が誕生すると同時にこの世界に生まれおちる。しかし現状は勇者は別世界から召喚しなければこの世界には存在しない、そして一体しかいない筈の魔王が7体もいる、俺がいた頃との地形の変化や国の変化などならまだわかるがこの変化は大きすぎる、世界自体が改変されたかのような規模の変化だ。
他にもおかしな点はあるが今回は放っておこう…考えるの面倒くさいし。
だから今回辺境伯には勇者召喚と七夜の魔王について知っていることとその他はこの大陸にある人間の国の他国間同士の関係なども聞いた。
そうしてわかったことが、
まず、勇者召喚は1,000年以上前から行われていたこと、そしてその頃からエレスタ王国が勇者召喚を行っていたようだ。
それに1,000年以上前召喚された勇者によって魔族との協定が結ばれたことがあったようだ。これがおそらくエレスタで聞いた魔族との関係があった時代なのだろう。
あえてそれを勇者が行ったなと言わなかったのはおそらく魔王討伐に影響が出るのを恐れたんだろうな。
そして、勇者がこの世界に生まれていたというのは過去の文献にも残っていないそうでそんなことは知らないそうだ。現在もっとも古い勇者についての文献は最初に勇者召喚が行われたのが記録として少し残っているものなのだと。
次に聞いたのが七夜の魔王についてなんだが魔王については結構正確な文献が残っているようで魔王は最初一体だけで病死したと伝えられているんだそうだ。そしてその直後7体の魔王が誕生し、勇者は7体の魔王が誕生した直後、魔王達に対抗すべく召喚されたらしい
魔王と他の魔族は種族から違い、魔王は魔族の中から強い魔族7体が魔王種へと進化し、魔族を統治する
そして他の魔族が魔王を倒した場合その魔族が魔王種へと進化するそうだ。
とまあここまで聞けたんだが今回わかったことは魔王が最初一体だけだったというのは伝わってる、しかし勇者がこの世界に生まれていたというのは伝わっていなかった、それに最初の魔王を倒したのは俺だ。しかしその魔王は病死したと伝わり、その直後魔王7体が誕生した、つまり俺が死んだ直後この変化が起きたようだ。
正確な年数はわからないが順序はこんなところか
まず俺が死ぬ、そして7体の魔王が誕生し勇者が召喚された。
その後魔族と協定が結ばれた時期が一時期ありその協定が破綻してからは現在のような体制になり、ところどころで勇者が召喚されてきた。しかしここで思ったことなんだが、魔王が魔族の中から強い順に7体選ばれるなら、これ魔族全部倒さなきゃ魔王はいなくならないんじゃねという事なんだがそのことを辺境伯に言ったら魔王が6体しかいなかった時期もあり原因はわかっておらず、何か魔王にも強い以外に条件があるのではないかと学者の中でいろいろな意見が飛び交っているんだそうだ。
そんな感じで俺が本当に聞きたかったことはだいたい聞けたんだが、あとはこの大陸の他国間の関係についてなんだが、
まず、エレスタ、ハイベルト、そしてここトロスト王国は国王同士が仲が良く国同士の関係は良好だそうだ。
しかし、他の国はこの3カ国ほど深い関係はなく、
魔王の脅威があることにより戦争も容易に起こせないしそこまで険悪な仲同士の国ではないそうだ 。
そしてすべての国と対等な関係を持ち他の大陸にも存在するのが冒険者ギルドだ。
すげえな冒険者ギルド。いつかトップにも会ってみたいものだ。
と、こんな感じで少し気になっていたことも聞けたので早速俺が昨日から楽しみにしていたことをしていただこうかな。
「カイさん、それで昨日ギルド長が言ってたんだけど料理をご馳走してくれるというのは本当か?」
俺がカイさんと呼んでるのは話の途中あっちからそう呼んでくれと言われたからだ。
「そうでしたね、それで質問はもうよろしいのですか?」
「ああ、聞きたいことはだいたい聞けたしな。それより料理を食べよう」
「それではそろそろ準備もできる頃ですし、いきましょうか」
こうして俺は一番楽しみにしていた食事を無事終わらせることができた。
◆
食事を終えた俺と夜は辺境伯の館を後にし、この後行く予定だった冒険者ギルドにいるギルド長のもとへ向かっている。
「主様、先ほどは聞きたいことは聞けましたか?」
「ああ、十分聞けたけど、なんでだ?」
「いえ、辺境伯の話を聞いている時少しお顔が怖かったので」
「はは、怖いってなんだよ」
「怖いというか険しいというか」
「そんなことないさ」
「そうですか?」
「ああ、そうだよ」
「ならいいのですが…」
そんなことを話していると目の前にあのおっさん二人が歩いているのが見えた。
ちっ、また現れやがった…しかしまだ気づかれてないな。
「夜!俺に捕まれ!」
「は、はい?」
「いいから早く」
そう言って俺は夜の手を掴む。
「行くぞ夜!」
「え?」
こうして俺は二人から逃げるため冒険者ギルドのギルド長の部屋へ転移した
ドガンッ!
ちっ、焦って少し座標を間違えたか、部屋の空中に転移しちまった
「な、なんだ!いきなり?!ど、どうしたのですお二方!」
「いや、いろいろと事情があってな、直接転移で来させてもらった」
「そ、そうですか、ならいいのですが。ところでカイバルトとは話せましたか」
「ああ、ちゃんと聞きたいことも聞けたしな、今回はいい機会だった」
「それはよかったです。それで今回ギルドへ来ていただいたのは昨日話せなかった冒険者登録についてなのですが、あとはこの書類を記入していただければ完了ですので説明は下の受付で聞いてください。説明は彼女の方が上手ですからね、はは」
「そうか、それは助かる」
そう言って俺と夜は書類を記入していく。
「あと、私の権限でお二方の冒険者ランクをSランクにさせていただきました。お二方の強さならSSSランクでもおかしくはないのですが、私にはそこまでの権限がなくSランクが限界でした」
「いや、十分ありがたいさ」
「私もSランクなのですか?」
「それはもちろんです。たとえお二方の中で貴女の方が弱いと言っても我々からみたらどちらも恐ろしくお強いですから」
「そうですか」
主様とお揃い…やった//
夜の顔が赤い、どうしたんだ?
「あ、そう言えばあんたに名前教えてなかったな」
「そういえばそうでしたね」
「じゃあ名乗っておくな、俺がアキハでこっちがヨルハだ」
「私はシルベルと申します」
「シルベルか、これからもよろしくなシルさん」
「シルさんですか、初めて呼ばれる呼び方ですね」
「他の呼び方がいいか」
「いえ、これでいいです」
「そうか、ならそう呼ばせてもらうな。それと俺たちの事を知りたければカイさんに聞けばわかるから俺たちに聞かないでくれよ」
「カイさん?」
「辺境伯のことだけど」
「カイバルトのことはカイさんと呼んでるんですね」
「ああ、そう呼んでくれって言われたからな」
「へえ、カイバルトがですか」
書類も書き終わったし、
「じゃあ、俺達はそろそろ下に説明聞きに行くな」
「そうでしたね、それではまた」
「ああ、またな」
こうして俺はギルド長の部屋を後にし
受付へ向かった。
◆
秋と夜がギルド長の話をしている頃、辺境伯の館では。
「カイバルト、あの子とんでもないわよ」
「何がだ?」
「あの二人がここにきて私が門と扉を開けた時、女の方は見えてなかったけど、男の方は私が見えていたわ」
「精霊であるお前がか?」
「ええ、確かに目が合ったもの。少し警戒したほうがいいのではないかしら」
「そんなことはしない、あのお二方はこの街の恩人だ、感謝こそすれ警戒などするわけがない」
「そう、あなたがそういうのならいいのだけど…相変わらず真面目なのね、貴方は」
「いいや、俺は信じたいだけさ」
「そうね、まあ私にもそこまで悪い感じには見えなかったしそれもいいかもね」
精霊と話しているこの男、
辺境伯領領主カイバルトはこの国では珍しい精霊使いであった。
ハゲのおっちゃんとゴリラのおっさんが現れた
【にげる】 【たたかう】
秋は【にげる】を選択した....