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出逢ったのは

本編に戻ります。

長い間、申し訳ありませんでした。



「ふぅー、やっと着いたな」


ルイーナを出発して4日、ようやく港町ブルームに到着した。

何事もない平和な旅路だった。まあ、そんな立て続けに色々と起こっても大変なだけだけど。


「アキハさん!早く船に行こうよ!」


「そんなに慌てなくても大丈夫だぞ」

俺たちはこれからすぐに船に乗り込みエンシャント大陸に渡る。今の時間帯は昼、エンシャント大陸までは船で1日はかかる。

もう少し経つと船が出航する時間になるので、馬車と共に船に乗り込む。今回はかなり大きな船なので、金を払えば普通に馬車を乗せられるらしい。ちなみにこれらは全てルサルファとリサルムから聞いたことだ。


「それじゃあ船に乗り込むぞ。ノーメンは馬車をよろしくな」


「はい、かしこまりました」


こうして俺達はエンシャント大陸行きの船に乗り込んだ。



ーーーーだいぶ前に船が出航し、俺は甲板にある椅子から海を眺めている。船の運行は順調のようで、それにいい陽気も相まって眠たくなる。甲板もかなりの広さがあるが幸い人は少ない。それに今、フェレサ、ディル、夜、ノーメンは船内の探索に行っている。俺も誘われたが特に興味はなかったので断った。しかし、夜からそんな提案がでるとは思わなかったな。

何か心境の変化でもあったのだろうか…。短い期間で夜達はどんどん変化してどんどん成長していくな…。


俺はあの頃から…何か、変わっ…た…の…かな………


案の定、俺は心地良さの中で眠りに落ちていった。


ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー



何かの異変を察知した俺は目を覚ます。


「ん…、なんだ、どう…したんだ?これ!?」


気づいたら甲板には誰もいない。というか、海が物凄く荒れているんですけど…。曇天の空は雷豪を轟かせ、豪雨、暴風が荒れ狂う。


「いつの間にこんな事態に…」


ところでこんな中俺が何事もなく眠っていられた理由なんだが、どうやら無意識に【万物操作フラワルド】を使用して守っていたらしい。

お陰で周囲に飛来物はなく、音すら届いていない。どうやら睡眠に対し快適な環境を維持しようとしていたらしい。このままもう一睡してもいいくらいだ。…しないけどね。


それにしても、何故夜達は俺を起こしに来てくれないのか…。俺がここにいることは知ってるはずなのに。放置ですか。


「とりあえず中に戻ろう」


そう思って扉に向かおうとしたところ、空から甲板に向かって大きな物体が飛んでくる。……というか、フェレサだった。


お〜、綺麗に飛んでくるな。


「…あ、助けないと」


フェレサの落下地点まで駆け、衝撃を殺して受け止める。


「おい、大丈夫か?」


「いてて。って、アキハさん!」


だいぶボロボロだな。


「一体何があったんだ?」


「…はは、それがね、この船アキハさんが眠っている間に魔物の襲撃に遭ったんだよ。それで今はヨルハさん、ディルさん、ノーメンさんと一緒に戦ってたところ」


「いや、でもその面子なら大抵の相手は楽勝だろうに、なんでフェレサはこのざまなんだ?そんなに強いのか?」


「このざまとはひどい言い様だな!…まあ、事実なんだけどさ。って、そんな事より、そうなんだ、どうやら結構やばい魔物らしいんだ。未確認の魔物で推定ランクはSよりさらに上、神霊級の魔物だよ!」


「それはまた珍しい事もあるもんだな」


通常、魔物のランクはSまでだ。それはSランクより上なんて滅多に現れないというのが大きな理由だ。そしてSランクの基準は最低でもSSランク冒険者と同格以上。最高でもSSランク冒険者3、4人ってところだろう。


そんな中極稀にSランクを優に超える魔物が出現する。

Sランク以上は伝説級、神霊級、神話級と順に分けられており、それぞれ高位になると伝説級は都市を壊滅させるレベル、神霊級は複数の国を消滅させるレベル、そして神話級は世界に終焉を告げられるレベルだ。まあ、所詮ランクなんてものは目安にしか過ぎないんだけどな。

ちなみに俺がソーラスで創造した魔物はだいたいたが下位の伝説級と内五体が中位の神霊級にあたる。


それにしても今回の神霊級の魔物はどれほどのものなのか。…最低でも中位以上ってところかな。


「夜達だけだと危ないか?」


「ん〜、た、多分大丈夫だと思う」


「それなら今回俺は様子見だな。よし、とりあえず戻るか…あそこに」


「うん、そうだね」


俺とフェレサは急いで夜達が戦っている場所、船の遥か上空へと向かった。




グオオォォーーー!!!


けたたましい咆哮をあげる魔物、その姿はまさしく龍そのものであった。雷、風、雲、雨、周囲の環境はその龍の意のままに姿を変容させる。環境を操る程の魔力を保有し絶大な力を持った龍は、夜、ノーメン、ディルを相手取っている。


そしてその中にフェレサも戻っていった。

俺はとりあえず様子見なので少し離れたところから見ている。

…それにしても、あの魔物かなり強いぞ。なんでこんな所にあれほどの魔物がいるのかは分からないが、どう考えても上位の神霊級の魔物、いや、それどころか神話級に近しいほどの能力を備えているな。


これ、本当に4人で大丈夫か?


以前、ルイーナで俺が造った中位の神霊級の魔物、ギニィやミスティルに匹敵するとは言ったがそれはあくまでも二人がアルティメットスキルを使わなかった場合だ。だが、この魔物はたとえあの二人が全力で挑もうと敵わないだろう。現状は夜とディルが本気でやれば何とかなる、かな?あの二人はなかなか全力出してくれないし、いまいち実力を測りかねる。


まあ、危なくなるまでは見てるだけでいいか。



ドゴオォン!!ヒューーン!ビューーン!!…

バゴォォーン!!!ズバァァン!!


様々な魔法が飛び交い、両者攻防一体の戦闘が続く。


夜は魔法を、ディルは能力スキルを駆使し立ち回っている。フェレサとノーメンは二人のサポートに回っているようだ。四人ともなかなかの連携をとっており、そこはやはり流石だと思った。


ズドォォン!!


夜の拳をまともに受けてしまった龍。それには流石にこたえたらしく龍が一瞬怯む。

その隙をつき、全員が一斉に攻撃を仕掛ける。


ドコオォォン!!


凄まじい轟音、周囲に衝撃波が広がる。今の攻撃ならばあの龍であってもそれなりのダメージを受けているだろう。…ただし、攻撃が当たっていればな。


龍が攻撃を受ける瞬間、龍の身体が消滅した。いや、変容したというべきか、人間の姿へと。

そして人間の姿となった龍は自身の周囲に何か防御壁のようなものを張り夜達の攻撃を防いでいた。

あれほどの攻撃を防ぐ結界、魔法ではなかった。能力スキルそれもおそらくアルティメットスキルだ。


それに、もしかしたらだが龍の姿だった時より強くなっているかもしれない。…これはちょっと夜達が危ないか。


仕方ない俺も行くか。


俺は眼の色を緋色にし夜達の元へ転移した。





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