《神谷二人と休日》
《神谷二人と休日》
俺は寝起きは良い方だ。一年のうちに二回ほど悪い時もあるが、基本的に目覚まし時計より一瞬早く起きるくらいには目覚めは良い。
しかし、果南は限りなく寝起きが悪い。寝付きは非常によろしくて、横になって寝ようと思えば寝れるらしい。あと、夜更かしをよくしてる。
「んー、お兄ちゃんおはよぉ……。」
で、この有様だ。休日なのでいつも通りの十一時に起きてきた。
「また、遅くまで起きてたのか?」
まだ、眠そうな眼を擦りながら、
「お兄ちゃんに関係ないでしょ。いちいち聞いてこないで。」
「はいはい、朝メシはどうする?もう昼だけどな。」
自分で自分にツッコミを入れながら聞く。これもいつもの休日の光景の一つだ。
「…………、親かよ。あー、ならヨーグルト。というか、その『もう昼』とかの流れイラつくからやめてくんない?」
寝起きなので果南の当たりも弱く、こんなものだが夜になるとそれはそれは当たりの強い子である。
「相変わらずだな、そんだけしか食べないから小さいんだよ。」
「うっさい、お兄ちゃんが伸びすぎなだけでしょ?竹みたいに中身がないくせに……あたしは平均より少し小さいだけだし。」
平均より少し、ね。おそらく平均よりだいぶ小さい果南を見下ろしながら、ヨーグルトを目の前に置く。冷蔵庫に桃缶があったので、入れておいた。
「ありがと。えっ?桃じゃん。どうしたの?」
「あー、冷蔵庫にあったから入れといた。」
「うわぁ、ありがとう。偶にはやるじゃん、お兄ちゃん。」
たったこれだけでご機嫌になるものどうかと思うが普段の、やって当然でしょ?って感じの態度が一変するとこんな感じだ。
普段からこんな態度ならもう少し交友関係もあったろうし、モテてもいたんだろうにとは思うが、俺としては果南がモテるのも何か平静ではなくなりそうなのでいいと言えばいいのだけどな。
日和です。
やっとこの回がやってきたって感じですね。
ちなみにツンデレ担当です。
次回は11月30日になります。
水紗は神田ですよ、神田水紗です。




