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ホリデー(3)

数日後、我が家は何だか忙しそうにバタバタしていた。


「スレイお嬢様!マーサです。少し早いですが着替えの時間です。」


コンコンと私の部屋のドアを叩く音と同時に声が聞こえてきた。マーサは私の家の侍女だ。


「マーサ?いつもより早いけど…今日は何かあったかしら?」


マーサは少し困った顔をしていた。


「そうなんです…なんでも急遽今日、ルルド王太子殿下が我が家にいらっしゃるとかで…。慌てて食事や部屋の用意をしております。スレイお嬢様も早めに着替えて下さいますか?」

「わ、分かったわ。」


(ルル様…今回は変装なしで来るのね。どうりで家の人達がバタバタしてると思ったわ。)


「王太子殿下は何時頃来られるのかしら?」

「夕方までには到着予定だとお聞きしています。スレイ様、このドレスで如何ですか?」


マーサは薄い水色のドレスを持っていた。


「服は何でも良いわ。」

「いけません!今日は王太子殿下が来られるのでちゃんと綺麗にしておきますよ!」

「分かったわ…。」

「お嬢様は学園で王太子殿下と交流はありましたか?」

「まぁ、それなりに…?」


(色々あった事はこれ以上心配させたくないし…ここは何も言わないでおこう…)


「そうですか。お嬢様は可愛らしいのでもしかしたら見初められるかもしれませんね…。よし!腕によりをかけて最大限に綺麗にしておきますね!!」

「ぇえ…普段通りでいいわよ。」

「いいえ!そういうわけにはいきません!!」


マーサが張り切っている姿を見るとこれ以上は何も言えなくなった。


コンコンとドアがノックされる。


「はい!今ちょうど準備をしておりますのでお待ちいただけますか?」

「スー!準備が終わったらお父様とお母様が呼んでるから一緒に行くよ。」

「カイお兄様!分かりましたわ!すぐに支度します。」


ドレスを着て、少しだけメイクをしてもらい、いつもは簡単に結ってハーフアップにして貰っていたけれど今回はアップにして貰った。


(何で綺麗にしなきゃいけないんだろう…まぁ王太子殿下が来るってなるとキチンとしなきゃいけないのが普通だものね。今までがラフ過ぎたわ。)


「お待たせしました。カイお兄様。」


私はドアを開けてカイお兄様に挨拶をした。

カイお兄様は目を見開いて私を見ていた。


「スー…本当に綺麗だよ。こんなにそのドレスが似合う女の子はスーだけだよ。」

「ありがとうございます。カイお兄様も本当に素敵です。世の女性が通り過ぎる度に振り向く程の格好良さですわ。」


カイお兄様は嬉しそうな顔をしながら私をギュッと抱きしめた。


「スー、本当に大好きだよ。」


カイお兄様が私の頰にキスをするとコホンとマーサが咳払いをする。


「お2人とも、伯爵様の所へ早く行かないとですよ!」

「あぁそうだったね。スー、行こうか。」

「はい。」


私とカイお兄様はお父様とお母様の待っている部屋へ行った。


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