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ホリデー(2)

「ところで…なんでスーは必死にルルを助けようとしているんだい?もしかして、ルルの事を特別に想っていたりする?」



私はカイお兄様に聞かれて目を丸くしてしまった。


確かにその通りだ。


本当に私もなんで必死になってフラグを折っているのか改めて考えても分からない。よくある転生ものの小説は私も前世で何冊も読んだことあるけど、皆死亡フラグとかバッドエンド回避の為に動いてた。


だけど、私は小説に名前も存在すらも出てこないモブ以下のモブ。何もしなくたって外野で小説のストーリーを堪能すれば良かったのかもしれない。


それでも…


「特別に想ってるかどうかは分からないです。でも…ルル様とこのダンパーネ領でお会いしたから。それが理由かもしれません。ここで仲良くなって本当のお兄様のように慕っていたから…家族の一員だから…ですかね?」


「家族か…うーん…家族…。そうかルル…これは時間かかりそうだな…」


ボソボソと何か独り言を言っているお兄様。

小さい声であまり聞こえなかった。


「どうしましたか?お兄様。」

「いや、何でもないんだ。スーはその…ルルとシリウス王子殿下の事はどう思っているんだ?2人の事は異性として好きなのか?」

「どうしてそんな質問をなさるんですか?」

「いや、ただの興味だよ。スーは好きな人出来たのかなって思ってさ。」

「そうですね…。ルル様はお兄様のように優しくて好きですが、そもそも異性として好きという気持ちがよく分かりません。シリウス様は…友達ですが…正直何を考えてるのか分からなくて…この間も…。」

「この間…?何かあったのか?包み隠さず言ってみなさい」


カイお兄様の顔が怖くなった…。しまった言わなきゃよかった…。 


「いえ…その閉じ込められた時に怖かったので…」

「王子殿下は何をするか分からない人だ。俺は極力関わらないで欲しいと思っている。」

「はい。私も少し様子をみてみます。危険だと思ったら極力関わらない様にしますわ。」

「うん。スーは良い子だな。」

「もう…そんな子供扱いしないでください。」


私が拗ねると「拗ねた顔が可愛い」とカイお兄様は嬉しそうな顔をしていた。


「取り敢えずルルの事は注意しておかなきゃいけないな。秋にもしかしたら何か起こるのかもしれないからな。」

「はい。恐らく…シリウス様はもうルル様に対して殺意はないと思いますが…。まだ胸がざわつくんです。何かあるんじゃないかって…」

「そうだな。ドウェインとアロイスにも学園にいる時はルルの側で警戒するように話しておくよ。」


本当に何もなければいいのだけど…。どうしても不安がよぎる。


「それと…もう少ししたらルルがここに来ると言っていたが…」

「はい。聞きました…でも政務もありますし、大丈夫なのでしょうか?」

「ああ、それなら大丈夫だよ。ルルは尋常じゃないくらい頭が良いし仕事も早いから、多分殆ど終わらせて来るんじゃないかな。」


(そんなに頭も良くて強い人なんて…流石小説の世界だわ…)


「皆でお話しできる事を楽しみに待っていますわ」

「うん、じゃぁ俺はそろそろ戻らなきゃいけないから先に行ってるね。」

「はい。また後で、お兄様。」


軽くポンポンと頭を叩いてカイお兄様は手を振り家まで戻って行った。

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