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魔獣との遭遇(4)


子供のアイロウルフが眠ってしまった。


(魔力も吸い取られてしまったせいで力が弱ってしまっているのかもしれない)


「あの…この子を連れて行きますね。助けようとしてくれてありがとございました。」


私はお礼を言った後、親のアイロウルフの元へと走っていく。


「あの子…魔獣と会話してなかったか…?」

「というか…いくら魔力なしでもあのカゴは素手で触れなかったような…電気が走って痛い筈だけど…」


その場にいた男子生徒達はポカンと口を開けて私を見ていたが、そのまま去っていった。


「ウルフさんすいません…お待たせしました!この子今眠ってるだけなので怪我はないみたいです。」


私はアイロウルフに子供を渡した。


「あの、この子は何故か私に伝えたい事があってここまで来たみたいです。なので怒らないであげて下さい。」


『…アリガトウ カンシャ スル。』


アイロウルフは子供を咥えながらそのまま帰っていった。


「良かった…見つかって。ルル様も一緒に探してくれてありがとうございます。」

「…スー。あのカゴよく触れたな。」

「え?あのカゴただの普通のカゴですよ?持ってきましょうか?」

「いや、いい。」


ルル様は氷魔法を使い、カゴを凍らせた。


「このカゴ、触ると魔力を吸い取られる以外にも、電気が走ったり近づけなくなるんだ。」

「え!?何も起きませんでしたけど…。」

「スーは何者なんだ?」

「私…?何でしょうね…」


(前世を知っているだけのただのモブです…って言っても理解できないわよね…)


「それと、スーが言っていたあの魔獣の子供は何を言っていたんだ?」


(どうしよう…ルル様の死亡フラグは消えてないなんて言えないし…)


「その…私に危険な事をするなって言ってました。」

「…スーは危ない事ばっかりだからな。」


苦笑いをしているとルル様はフッと笑って私の頭をポンと叩く。


「まぁ、いい。寮に帰るか。明日からホリデーだろ?」

「そうですね!ルル様は王城に帰られますか?」

「いや、俺もスーの家に行く。」

「え゛!?」

「…なんだ?俺が来るのは嫌なのか?」


ルル様…不機嫌になってしまった。


「いえ…そうではなく王太子としての政務もあるのでは?」

「…終わらせてから行く予定だ」


(終わらせる…?終わらせられるの政務って。毎日あるんじゃないの?)


私が不思議そうな顔をして考えていたら、ルル様はまたフッと優しく笑った。


「スーは色んな表情をするね。見てて飽きないよ。まぁ、また遊びに行くからその時は俺と一緒に過ごしてくれる?」


私の手を取り、手の甲にキスをするルル様の仕草や表情に色気がありドキッとしてしまう。


(うっ…イケメンはズルい!何しても(さま)になる!!)


「ルル様…ちょっと…そういうのかっこ良くてときめくのでやめて下さい。」

「へぇ…スーは俺の事カッコいいと思うんだ?」


ニヤニヤと笑って何だか嬉しそう。

しまった…言うんじゃなかった…。


「思いますけど…こういうの慣れてないのでドキドキするんでやめて欲しいです。」

「じゃあ少しずつ慣れていこうか。」


また手の甲にキスをされてしまった…。

私は顔を真っ赤にして照れているとルル様は楽しそうに笑顔を見せた。


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