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光魔法(2)

10分程生徒会室で待っていると廊下から足音が聞こえた。


パタパタと走ってくる足音が止まり、コンコンと生徒会室のドアを叩く音がした。


ルル様は「はい」と返事をしドアを開けるとサーシャとカイお兄様がいた。

サーシャの目からは今にも涙が溢れ出そうになっている。


「スレイ様…!!大丈夫ですか!?ごめんなさい…私…あのお茶会から数日間記憶が曖昧で…。一緒に帰ったかどうか覚えてないんです。もしかして…私が置いていってしまったのではないかと…私のせいで…本当にごめんなさい!」

「サーシャさん顔を上げて下さい。サーシャさんのせいではないですから。サーシャさんも大丈夫でしたか?」

「はい…!私は記憶が曖昧だっただけで体は何ともありません…」

「そう、何もなくて良かったわ。」


ニコッと笑顔で返すとサーシャは私に抱きついてきた。


「スレイ様大好き。優しくて人のことを思いやれる所が本当に好き。私スレイ様と友達になれて良かった…!」


(サーシャ…貴方こそ本当に良い子だわ…。可愛くてこんな優しい子がヒロインになるのは当然ね。)


私もサーシャの背中に手を回してギュッと抱きしめた。


「サーシャ、抱きつきすぎ。スーの怪我治しにきたんでしょ。」


私とサーシャの間にルル様の手が入りベリっと剥がされた。


「ルルド王太子殿下…無礼を承知で言わせていただきます…。殿下はちょっと心狭すぎません?私達同性ですし、そんなに嫉妬しなくてもいいじゃないですか!私だってスレイ様と一緒にいたいんです。」


サーシャはルル様を睨み、ルル様も不機嫌そうにサーシャを見ている…。


(あれ?この2人本来は惹かれ合うはずなのに…なんか仲悪くない?)


不満そうな顔をしていたサーシャはわたしの顔を見て笑顔に戻る。


「スレイ様、体の傷を今から治すのでソファに座って下さいね。傷がどの程度かだけ見させてもらいますね。」

「ええ、お願いするわ。」

「火傷と…手足に傷がありますね…。」


手足が拘束されていた足枷の跡を見てサーシャが眉間に皺を寄せる。


「これ…枷の跡ですよね…?まさか全部シリウス様がやったんですか?」

「いいえ、足は最初からつけられてましたわ…」

「…そう…ですか。もう…ほんっと信じられない!シリウス様は後でお仕置きしなきゃですね!」

「ふふっ。そうね。」


私が笑って答えると、サーシャも少し微笑んでくれた。


サーシャは目を閉じて私の体の前に手を当てる。ゆっくりと金色の光がサーシャの体の周りから出始め、やがて光が体全体を包み込む。サーシャの手から出た光が私の体も包み込む。


(初めて見る光景だわ。この光…凄く暖かい…)


私は気持ちが良くなり目を閉じて温かい光を浴びていた。


「スレイ様…終わりましたが、体の調子はどうでしょうか?傷や痛い所…まだ残ってませんか?」


数分も経たないうちに光魔法での治療が終わってしまた。


「凄いわ…!こんなに早く終わったの!?体も全然痛くないわ!傷も治ってる…サーシャさんありがとう。貴方の魔法本当に凄いのね!!」

「ありがとうございます…。スレイ様の傷を治せて良かったです!」


こんなに凄い魔法を持ってるヒロインならきっとルル様かシリウス様とくっついて、瘴気に当てられた魔獣や病気を無くしていくはず。


サーシャは2人のどちらかを気になってたりしないのかしら?


私は不意に気になってサーシャに小声で話しかけた。




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