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兄弟喧嘩

「待ってください!!お2人とも…!私、過去に戻った時、2人がとても仲良かった事知ってるんです。だから少し言わせて下さい。」


ルル様とシリウス様は私に顔を向けてくれた。



「シリウス様と過去に戻った時、10年前くらいの小さなルル様とシリウス様はとても仲良くて、ルル様はシリウス様を守るって言ってたじゃないですか。ルル様覚えていませんか?2人で仲良くやれる世界にしていくって私に言ってくれた事。」


ルル様は目を大きくして私の顔をずっと見つめていた。


「え…?あの時確か男の人と女の人があの部屋に…あれはスーとシリウスだったのか?」


「はい。覚えててくれたんですね…!良かった…。」


「あの部屋は俺とシリウスだけの秘密の部屋だと言って2人でよく隠れて会ってた部屋だったんだ。なのに知らない人が入ってたからよく覚えている。」


ルル様の顔が柔らかい表情で少し笑っていた。


「ルル様はお母様を亡くされて陛下にも居ない者として扱われて…とても辛かったと思います。ですがシリウス様も同じ様にとても辛い日々を過ごされたのです。ルル様はシリウス様を守る約束破ってしまった事を。シリウス様も今までルル様にしてきた事を謝って下さい。2人共会話が足りなさすぎですわ。もっとしっかり本音を話し合えばこんな事にはならなかったかもしれないのに…。」


ルル様とシリウス様は2人で顔を合わせ、少し気まずそうにしていたが1番最初に切り出したのはシリウス様だった。


「はぁ…なんだかなぁ〜。スレイちゃんといるとなんっか調子狂うよなぁ。なぁ、兄さん?」

「そうだな…。同意見だ。」


少し沈黙があった後、ルル様が口を開いた。


「…シリウス、あの頃守るって言ったのに避けてすまなかった。」

「ハハッ…何スレイちゃんに感化されて素直に謝ってんの…って言いたい所なんだけど…俺も過去を一緒に見てきたからあの頃の兄さんが俺を大事にしてくれた事は伝わったよ。母上が仕組んだ事とは言え、兄さんの母親が母上のせいで亡くなってしまったのは流石に…その…申し訳なかったし、俺とも話したくなくなるだろうなと。その上俺が陛下に唯一の息子だなんて可愛がられる姿、見たくなかっただろうし…。それに俺も兄さんを狙った事は謝るよ…。」


また2人はしばらく黙り込んでしまった。

完璧な仲直り…とまではいかないけど、2人のすれ違った感情は、きっと解消された筈。


という事は…


これもフラグが折れたって事でいいのかしら?!


あの小説で王太子が第二王子の企みで殺されてしまうシーンはきっと無くなるはず!


私はホッとため息をついた。



まだ黙ったままでいる2人の所に向かってカイお兄様が歩いていた。


「2人共、黙ってないでなんとか言ったら?兄弟喧嘩終わらないよ?」

「兄弟喧嘩…?」

「え?違うの?それ以外に何かある?ただの喧嘩じゃないか。こういう時は次はないからな!とかなんとか言って喧嘩は終わりにするんだよ。な?」


カイお兄様はルル様の背中をバシンと叩く。


「いっ…た。…分かったよ。ほら、シリウス」


ルル様は座っているシリウス様の手を引っ張ってソファへと座らせた。シリウス様は少し照れているみたいだった。


「シリウス、お前はスーに謝れよ。」

「…分かってるって…」


シリウス様は引っ張られた手をパシンと払い、私が座っているベッドまで来て立ち止まった。


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