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少年シリウス(2)



「お、お姉さん…ごめんなさい…」


ハッと我に帰った少年シリウスは私の火傷を見て心配するように優しく触れた。


「大丈夫…。シリウス様が何もなくて良かったわ…。」

「火傷…させちゃったね…」

「気にしないで。それよりもシリウス様がこれからも頑張れるように応援してるわ。」

「お姉さん…ありがとう…。」

「あ、あの私、一緒にいた人を待たせてるからそろそろ帰らなきゃ」


少年シリウスは優しく私に抱擁をする。


「また会えるんだよね?侍女だもんね?」

「え゛…!?あ、うん…そそそうですわね。」

「でも…僕お姉さんの事気に入っちゃった…お姉さんは特別ここにこのまま閉じこめていたい…。」


(と、閉じ込め…!?この頃からヤンデレ片鱗はあったのね…)


私は苦笑しながら抱擁を解いた。


「嘘だよ。お姉さん、またね。」


そう言って少年シリウスは私の頰にキスをした。


ビックリしながら頰を触ると口角を上げて天使のように笑う少年シリウス。その笑顔に会釈をし、私は扉を開けて部屋を出た。


「あの子、欲しいなぁ…」


シリウスはボソッと呟き、天使の笑みからニヤッと笑いながら鋭い目つきに変わっていた。



「シリウス様〜!?シリウス様どこですか〜!?」


走りながら小声でシリウス様を探していると急に腕を掴まれ何処かの部屋に入ってしまった。


「ひゃっ」

「シーッ!俺だよスレイちゃん」

「シ、シリウス様!?何処にいたですか!?」

「ずっと柱の影に隠れてたけどなかなか出てこないし、この部屋で待ってたんだよ。でもそろそろ出なきゃ…ところで、その火傷は大丈夫なの?痛いよねごめんね?」

「いえ、シリウス様が謝る事では…」

「僕の魔力暴走を止めてくれたのはスレイちゃんだったんだね。ありがとう。」

「え!?シリウス様まさか過去の事覚えているんですか?」

「うん…鮮明は覚えてなかったけど。今こうして見てきて全部繋がったよ。」


私の目が急に赤色に変わる。また勝手に発動しているーーー!?

シリウス様の心が映し出され、黒く濁っていた所が綺麗になってきていた。


「シリウス様…!?」

「どうしたのスレイちゃん…?」


黒く濁っている部分がどんどん綺麗になっていきキラキラした宝石のように輝いている部分も出てきていた。


「シリウス様の心の濁りが消えていってますわ…!」

「え…!?」


白いモヤが私たちの周りにかかり始め時空が歪み始めた。


「シリウス様!手を繋いで下さい!」

「分かった。」


私たちはバラバラに飛ばされないよう強く握った。






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