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幼少期の2人(3)

そんな時ガチャッとドアが開く音がした。


誰か来る…!?





扉が開くと小さな子供が顔だけひょこっと覗くようにこちらを見てきた。


「おにいちゃん!」


小さいシリウスは扉の方へ走っていった。

そこにいたのは金髪に金色の瞳、紛れもなく小さい頃のルル様だった。


小さいルル様!?劇的に可愛いんですけど…!!こんなに可愛いなんて本当に2人揃うと天使だわ!


「シリウス!どうしたんだその怪我は…まさかお前らが…!」


キッと睨みつけて小さいシリウスを庇う姿は最恐と呼ばれている今とは比べ物にならないくらい可愛らしい。


「い、いや違うの!私達はこの子の手当てをしてただけで…。」

「お前ら…見ない顔だな…。どうやって入ってきた!」


小さいルルドは私達を攻撃しようと手を伸ばした。


「まって!おにいちゃん!おねえちゃんたち、いいひと。たすけてくれたの」

「え…助けてくれたのか…?じゃあこの傷は…またお前の母親か…?」


少しおどおどしながらコクンと頷く小さいシリウス。

少しため息をつきながらよしよしと頭を優しく撫でる小さいルルド。私の隣で少し困惑するシリウス様。


そうよね…10年前の2人を見るとこんなに仲が良いもの。困惑してる様子からきっとシリウス様はこの時の事あまり覚えていないみたいだけど…。


私は2人の前へ行きしゃがみこんだ。


「貴方達とても仲良しなのね。」

「うん、俺は弟が大事だ。シリウスは俺が守ってやりたい。」

「ぼくも、おにいちゃんだぁいすき!」

小さいシリウスはぎゅっと小さいルルドに抱きつく。


「そう、とても仲良いのね。お兄ちゃんはいつもこうやって弟を守ってあげてるの?」

「うん…」


こんなに仲が良い時期が2人にもあったなんて…一体いつから仲が悪くなってしまったのだろう。


「でも、俺と仲良くしていたらシリウスが母親にお仕置きされてしまう。それに大人の人達が僕達を引き離そうとしてる。」

「そうなのね…。じゃあ、2人とも誰にも負けないくらい強くなって2人が仲良くできる世界に変えていったらどうかしら?今は大人に勝てなくて悔しいかもしれないけどその内必ず強くなれる!君たちにはその力があるから大丈夫よ。」

「うん!ぼく、がんばる!」

小さいシリウス様可愛すぎる…。こんなにピュアな子供時代だったのね。今じゃ考えられないけど…。


「じゃあ、お姉ちゃんがたっくさん応援してあげる!2人が楽しく笑っていられる世界になりますように!」


私は小さいシリウスにギュッと抱きついた。


「ほら、お兄ちゃんもおいで!」


私を見ていた小さいルルドを一緒に巻き込んで3人で抱きついた。


「そこにいるお兄さん…、シリウスにそっくりだ。」


小さいルルドはじーっとシリウス様を見ていた。


「え!?そうかな?他人の空似じゃない?」

「ふーん。まぁ良いけど…。お兄さんとお姉さん、弟の手当てしてくれてありがとう。俺らはもう行くけど不法侵入バレないように気を付けてね。」

「うん。私達もすぐ出るから気にしないで!」


私達は小さい2人の背中が見えなくなるまでこっそりと見ていた。


「シリウス様…私達不法侵入で捕まりそうですわ…この後どうしましょう。」

「そうだな…どうやって元に戻れるのかも分からないけど…。とりあえずここから出よう。ほら行くよ。」


シリウス様が伸ばした手を私は掴む。

すると、また空間が歪み始めた。


「まただ…!時空の歪みではぐれるとやっかいだ。こっち来て!」


私とシリウス様はなるべく離れないよう距離を縮めて時空の歪みが収まるのを待った。


目をギュッと瞑ったままだったがそろ〜っと目を開けるとまた違う場所に来ていた。


「ここは…?王宮のようだけどさっきとは少し違うような…。シリウス様は分かりますか?」


シリウス様はキョロキョロと辺りを見回した。

遠くで喋っている声が聞こえる。だけど廊下には誰も人が居なかった。


「少し先に行ってみよう。」


私達は話し声が聞こえる場所まで近づいていった。

話し声をチラッと聞いたシリウス様はピタッと動きが止まった。


「この日は…覚えている。兄さんの母親が亡くなった日だ…。」




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