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離宮での監禁暮らし(4)

シリウス様は私を抱きかかえベッドに移動した。


ドサッと私をベッドに倒した後、上に覆い被さるようにしてシリウス様は私を見つめた。


「ねぇ、スレイちゃんは俺の事好き?」


私の髪を撫でながらシリウス様は顔を私の頰に摺り寄せる。


「シリウス様の事は…怖いですけど嫌いじゃないです。だけどお慕いしておりません。」


髪を撫でているシリウス様の手が一瞬ピタッと止まる。


「そうだよね。でも俺は大好きなんだ。君が俺を好きじゃなくても俺のものにしたい。だから心と体、どっちを先に手に入れるかなんて関係ないよね?」


シリウス様は優しい眼差しから悪魔のような笑みに変わる。


「シリウス様、お願いやめて…!」


シリウス様は私の言葉を遮るようにキスをする。


「ん…っシリ…ウスさ…」

「スレイちゃん…大好きだよ。これからも俺の側にいられるように俺のものにしちゃうね?」

「んん…っ」


抵抗しようとしてもピクリとも体が動かない。


どうしよう…!この状況強制的に小説のシナリオ通りに進んでしまいそう…。私の気持ち関係なくシリウス様と結ばれて、結局ルル様は殺されてしまう事になるんじゃ…。折角ここまでフラグを折ってきたのに!どうしたらいいの…!?このままじゃ絶対にメリーバッドエンドじゃない!!


そんなの絶対にダメ…お願い…嫌だ!私はこんなの望んでない!!お願いだから…!!



私はドクン!と心臓が大きく跳ね、息が苦しくなって体も動かなくなる。


これは…何?

心臓の辺りが淡く光りはじめた。


「スレイちゃん…?スレイちゃん!!」


シリウス様は私の異変に気付き肩を叩いてくれているが私の体は動かない。意識だけはあるけど、もう体と意識が別々になったような感覚だ。


「なんだ…?目の色が…。」


私の目の力が勝手に発動をし始め、シリウス様は驚いていた。瞳の色は濃い赤色になり、シリウス様は私の目を覗いている。


「魔力暴走…?いやスレイちゃんには魔力がない。これは…なんだ?こんなの見たことない…。」


その時私の周りに白いモヤがかかり空間が歪み始める。


「これは何が起きてる…!?スレイちゃん…!落ち着いて!俺の声が聞こえる?スレイちゃん!」


私も精一杯自分の体を戻そうと、体を動かしてみる。やっと手が動いてシリウス様の手に触れようとした。

シリウス様は私の手に気付き、握り返してくれた。


「スレイちゃん…!俺の声が聞こえるよね?力抑えて!スレ…い…ちゃ……」


シリウス様は私の手を握った後すぐ気を失うように倒れた。

私も後を追うように気を失ってしまった。


2人の意識だけが空間の歪みの中に入り込み、白いモヤと歪みが収まった。


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