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離宮での監禁暮らし(1)

ドアノブがガチャッと動きゆっくりと開いていく。


誰かいる…?私の声が届いたわけでもなさそうだし、きっとタイミングよく来てくれたのかもしれない。良かった…。


「すみ、ません…あの…」


「ああ、もう目が覚めたんだね。目覚めるのにもう少しかかると思ったんだけど…。おはよう。」


この声はシリウス様…?声がする方へ顔を向けると、薄暗い部屋の中で彼の目だけは赤く綺麗に見える。


「シ…リウス様…?」


あの日から気まずくて、暫く学園でも会っていないし今日のお茶会でも遠くから見ただけだったから少し安心していたけど…シリウス様とはまだ一緒に居たくない。…居たくないけどクラクラと目眩がするせいか何も考えられなくてまた眠ってしまいそうな感覚しかなかった。


「こ、ここは何処…なの?」


「…スレイちゃん、久しぶりだね。どう?体調は。君お茶会で倒れたんだよ。もう具合悪くない?まぁ…倒れたのは母上が仕込んだ薬のせいだけどね。」


ニヤッとシリウス様は笑っていた。


「まだ頭が重くて…よくわから…ない」

「そう…まだ薬が効いているみたいだね。今は王城の敷地にある離宮にいるんだよ。この間手入れしたばかりみたいだからそんなに汚れてないと思うけど…どう?このお部屋気に入ってくれた?これからは俺と一緒にここで暮らそうね。」

「ここで…暮らす?わ…たし、帰りた…い。」

「…帰りたいの?…そうかそうだよね…アハハッ!でも残念だけどもう帰れないよ?君はここから出られない。ほら自分の足、見てみなよ。綺麗で頑丈な足枷がついてるだろ?鎖も短いからこの部屋からはもう出られないし魔法がかかっているからこの枷も外れないんだ。」


シリウス様はジャラジャラと音をたてながから私に鎖を見せてきた。


「足…」


私は自分の足を見てみると両足首に足枷がつけられていて鎖で繋がれていた。


ただそれ以上思考が回らず体がフラつく。

フラついた私の体をシリウス様は抱き止めて頭を撫でた。


「スレイちゃん…強い薬で起きることもできないはずなのに目を覚ましてしまったからね…。脳はまだ眠ってるから何言っても分からないか。可愛いスレイちゃん…もう少し眠ってて。おやすみ。」


「ん…。」


私はその声を聞いて直ぐ眠ってしまった。


「やっぱりスレイちゃんといると落ち着くなぁ。大好きだよ。これから一緒に居られるのとても楽しみだなぁ。また後で来るからね。」


スレイの頰にキスをして体をベッドに寝かせシリウスは部屋を出た。


「母上は()を用意するなんて言ってたけど、何日持つかなぁ。兄さん達直ぐ気づきそうだし…。それまでスレイちゃんと毎日居られるなんて最高のプレゼントだよ。何して遊ぼうかなぁ…。」


悪魔のような微笑みでシリウスは廊下を歩いて行った。

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