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王城からの招待状(3)

会場は天気もいいので庭園で行われるとの事だった。

「少し歩くけど大丈夫かい?」

「ええ構いませんわ。」


私は周りを見渡し、少し小声で話した。


「あの…お兄様、アロイス様が見当たりませんが…どうなったのでしょうか?」

「あぁ、アロイスはルルに援護しようとしていた途中謝ってスーに当たってしまったという事になってね。学園では人に向かって魔法を使うことを禁止しているだろ?だからスーを怪我をさせたという事で今は2週間の謹慎中なんだ。」

「…!あれは私がワザと当たるようにしたのです!」

「分かっているよ。ただ、真実を言ってしまうとルルに攻撃をしようとしていた事が露見になってしまうだろ?これが最善策だったんだよ。理解して欲しい。」

「はい…。分かりましたわ。」

「第二王子も学園側は何も言ってはいないが、アロイスの謹慎に伴って禁止行為をしてしまった事で自主的に休んでいるそうだよ。」

「そ、そうだったんですね…。最近見かけないと思ってました…。」


シリウス様の話になると固まってしまう私…。そんな私に気付きカイお兄様は私の頭を優しく撫でてくれた。


「でもね、スー。ルルが動いてくれたお陰でアロイスの母親も治療を受けられるようになったし、アロイスもシリウスから解放されたからもう大丈夫だよ。」

「そうですか…!本当によかったぁ…。アロイス様もアロイス様のお母様も無事で…。」


安心して少し涙が出てしまった。


「スーは優しいな。兄様はスーのような妹がいて幸せだよ。」


カイお兄様は私を抱きしめた。


「おい、カイル。人目につくからやめろ。その気持ちは分かるが…」

「はいはい。さぁスー、気を取り直して行こうか。」

「はい…」

「フフッ、本当に兄妹仲良しなんですね。まるで恋人みたいです。」

「僕はスーを恋人なんていらないくらいに愛してるからね。」

「カイお兄様…。その発言は危ないのでやめてください。流石に引きます。」

「ええ?そんな冷たい顔しないでくれよスー…」


私達は終始笑いながら会場である庭園に向かった。



庭園に着くと学園の女子生徒達が沢山集まっていた。


「もう皆さん結構集まってますわね。私達は後方にいましょうサーシャさん。」

「はい!そうしましょう!」

「じゃあスー、僕達はルルの所に戻るから。楽しんでね。」

「はい。カイお兄様、ドウェイン様ありがとうございます。」

「ありがとうございました!」


お礼を言った後私達に手を振ってカイお兄様とドウェイン様はルル様の所に戻って行った。


「そろそろ王妃様が来るのかしら…皆さんがソワソワし始めてますね…」

サーシャがキョロキョロ周りを見渡す。

「そうね、そろそろ開始時間だから来るんじゃないかしら…」

どんどん緊張してきて私は心臓が早鐘を打った。

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