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王妃に呼ばれたシリウス

ーーーーー王城ーーーーーー



シリウスは王妃に呼ばれ王城に戻っていた。

王妃の部屋へと向かうその足は重く、なかなか進んでいかない。


遂に王妃の部屋へと辿り着き、シリウスはため息をついた。

その後少し間を置いてからコンコンとノックをする。

護衛達がドアを開け王妃の部屋へと案内された。


「母上、ただいま戻りました。」


目の前にはシリウスの産みの母親であるサラ・レイモンド・ディナールがニコリと笑って迎えていた。


「まぁ、少し見ない間に背が伸びたかしら…?私の可愛いシリウス、学園生活はどうかしら?」

「はい。沢山の方々に出会えて新鮮な場所です。勉学にもより一層力が入ります。」

「そう…。素敵ね。…ところでシリウス?あのマグナイト伯爵の息子に()()()()をお願いしていたと思うんだけど、失敗してしまったの?」

「申し訳ありません…」

「まぁ、私は怒ってはいないのよ。」


ゆっくりと王妃はシリウスに向かって歩き距離が縮まったとき王妃が持っている扇子をシリウスの喉に当てた。


「とても、生温いっていってるのよ。分かるかしら?やるなら徹底的に。少しの揺らぎが失敗を生むのよ。今回は()()()()出来なくて残念だわ。シリウスもまだまだね。」

「肝に銘じておきます。」

「いいのよ。今回は母が何とかしてあげる、舞台を作ってあげるから貴方はそこで笑って踊るだけでいいのよ。本当に存在するだけで気持ち悪いものあの()()。貴方もその害虫にならないように、母の期待を裏切らないでね?そうねぇ…最近お気に入りのオモチャが出来たんではなくて?確かダンパーネの娘…」


シリウスがピクリと反応をする。


「まぁ!やはりそうなのね!そういうお年頃かしら。母は少し寂しいけれど…私の可愛いシリウスの応援はしたいわ。先ずは王宮でお茶会を開きましょう?貴方の舞台をしっかり整えてあげるから後はしっかりやりなさいね。」


「…ありがとうございます…。」


シリウスは心ここに在らずで返事をする。


「じゃぁ、またお茶会の日に帰っていらっしゃい。」


「はい、母上。」


シリウスはそのまま王妃の部屋を出る。

歩きながらシリウスはイライラしていた。その表情はまるで悪魔そのもの。


「母上はいつも優しく話すけれどその裏は僕を貶す言葉ばかり…どいつもこいつも…!」


シリウスのすぐ近くでパタパタと急いで歩いている侍女が運んでいる本を落としてしまう。


シリウスはその侍女を睨みつけた。

「目障りだお前…消えろ」

「ヒイイイイイッ…」

足がもたつきながらも走って逃げていく侍女。


はぁ…お茶会か…めんどくせぇ…


シリウスは終始機嫌が悪いまま学園へと戻った。






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