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ルルドの本音

ルルドとカイルは練習場に向かって歩いていた。


「ルル、スーの事本当に気に入ったんだな。ずっと一緒にいるよね。」


「まぁ…最初はカイルの妹だし、カイルも学園に居た時からスーの自慢話ばかりでどんな子かなとは気になってたけど。」


「凄く可愛いだろう?一緒にいるだけで癒される。

後、笑顔が本当に可愛い!!」



カイルは笑みを浮かべて自慢げに言った。


「あの子…変わってる。不思議。」


「変わってるってどこがだ?」


「なんというか年齢よりももっと心が大人…。居心地がとても良い。スーといる日はよく眠れるんだ」


「そうか…スーは性格が穏やかで優しいからな。でもスーは俺のスーだからな。誰にもやりたくない。特にルルにはね!お前この国の()()()だし。王太子妃なんてあのおっとりしたスーには務まるかどうか…それに辛い目に合わないか考えただけでも心配だ」




カイルが言った言葉は完全にスルーされた。



「何で返事してくれないんだよ。何か考え事か??」


「なぁカイル…。俺…スーには本当の自分の身分を伝えようと思ってる。」


カイルの言う通り俺はこのカムバーディナル国の王太子だ。この学園が休暇中には家に帰るのが普通だが俺はあの城に帰りたくなかった。


あそこは居心地が悪いし眠れない。毒を盛られる事も刺客が襲ってきた事だってある。


いつ狙われてもおかしくない。


まぁ、大体主犯は誰かなんて分かっているし、毒は俺には効かないし刺客には10倍返しで反撃してやるけど。


家族と会話なんてどれくらいしていないだろう…。

義弟と義母は毎日父と楽しく会話しているのはよく見るが俺にはそんな事どうだってよかった。


ただ気が抜けない環境に疲れていた。




そんな時カイルからの提案で一緒にダンパーネ家に行く事にした。カイルは唯一俺が信頼しているやつの1人だ。他の奴らは怯えてるか俺の足を引っ張ろうと考えている奴らばかりで信用できない。



髪色や瞳の色が目立つからと、ここに来る時は変装をしろとカイルに言われ髪色や瞳の色を変えてきている。


お陰でダンパーネ家の両親やカイルの兄妹にはバレる事もなくどこかの家族の息子としてオープンに接してくれている。これが王太子だと分かっていたら絶対になかった事だろう。俺はそんなダンパーネの家族達を随分と気に入っていた。特にカイルの妹は人見知りだと聞いていたが俺には心を開き本当の兄のように接してくれて懐いている姿が可愛い。



「ルルがそこまで心を開くとはなぁ…。まぁ、、お前に任せるよ」



初めてスーと話した時少し大人びた表情が実年齢に合ってなくて興味を惹かれた。


ただそれだけだった。



だけど… 接していくうちに綺麗な心で明るく素直で時に年相応になったりする所を見てどんどん俺にとってスーの存在が大きくなっていた。




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