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ルルドの隠密行動(1)


「ひぁ…!!ルル様!?その現れ方心臓に悪すぎます!」

「ルル!?一体いつからここに!?」


カイお兄様と私はびっくりし過ぎて同時にルル様に話しかけてしまった。


「2人ともがこの部屋に入ってきた時から。スーが顔色も悪いし思い詰めていたから気になって隠密スキル使って気配消した後ずっとスーの隣に座ってた…けどスーに抱きつきたくなってからは我慢してずっとスーの後ろで聞いてた…」


隠密スキルで隣にいた…?隠密スキル使える事は凄いけど最早やってる事はストーカー…


いや最早情報量凄過ぎて追いつかない…。


「ルル…お前スーの事になるとおかしい行動に出るよな…。もうちょっと王太子という自覚を持て。」


カイお兄様は頭を抱えて項垂れていた。


「それよりも…ルル、スーの話全部聞いたって事か?」


「ああ、全部聞かせてもらった。」


「え゛!?」


嘘…ルル様には聞かれたくなかったのに…。弟が自分の命を狙ってるなんて聞いたらきっと傷つくでしょうし…。


「ルル様…私は…。」

「大丈夫。」

急にルル様は私の両手を取り優しく握る。

「ルル様…」

今の話を聞いても毅然として振る舞ってくれている…!小説では殺されたなんて言ってしまったのに…。


「スー。俺サーシャの事好きじゃないから、惹かれあってもない。そもそも接点そんなに無い。俺はスーだけだから。」


そっちじゃなくて…。

ぃゃ、寧ろ気にする所ソコーーー!?



「おい、論点ズレてる。後、スーに触るな!」


カイお兄様は私からルル様の手をベリっと剥がした。


「ルル、今後もお前が弟に命を狙わるかもしれないんだ。スーの知っている記憶ではルルは殺されていたんだぞ?実際にアロイスは寝返ってシリウス殿下についてしまっているし…」


「あぁ、その事か。その事なら気にするな。弟や王妃にはいつも命を狙われているからな。小さい頃からずっとだからそんなに大した事ない、いつもの事だ。」


「え…そんな…」

ルル様は私を見てニコッと微笑み頭を優しく撫でる。


「確かに、俺は命を狙われ続け生きる事の意味さえ分からなくなっていた事もあったが…。俺は心が素直で綺麗なスーに出会えて救われたんだ。生きてて楽しいと初めて思えたんだ。だから命を狙われていても俺は絶対に生きぬくと決めている。恐怖もない。」


ルル様はとても強い人だ。ここまで強くなれる人そうそういないわ。


「ルル様…私も乗りかかった船!出来る事があれば協力しますわ!」

「そうか。じゃあ早速、スーを抱きしめて心の充電…」


ルル様の言葉を遮るようにカイお兄様は、私に抱きつこうとするルル様を引っ張りあげた。


「スーにベタベタ触らないでくれるかい?スーが穢れる。」

「カイって本当に心狭いよな。」

「ルルはスーにベタベタしすぎなんだよ」



2人の光景を見てフフッと笑ってしまった。

いつも通りで凄く安心する…。


「あの…アロイス様の事ですが…。ルル様を裏切ったというより何か事情がありそうです。アロイス様の心を視た時、濁りの中に怯える様な色もあったので…もしかしたら脅されているのではないかと思うんですが…」



カイお兄様はピクッと反応してルル様と目を合わせた。



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