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シリウスの本音(3)

頬にキスをされた私は混乱してしまった。


「な…っっ!?ま、待って!何!?」

「混乱してるスレイちゃん、かわいい…」

真っ赤になった私の顔を見てシリウス様は少し微笑みながらもう一度頬にキスをした。

「シリウス様…お願い…!やめてください、もう分かりましたから…!」

「あぁ…、やっと僕の気持ち伝わった?」

「…はい。十分過ぎるほどに…」


満足したみたいでやっと手を離してくれた。

シリウス様は大事なものに触れるように優しい笑みで私の顔を撫でる。


ゔっ…綺麗な顔で微笑まれたらさらにドキドキしてしまう。こっち見ないで欲しい…。

シリウス様の顔がどんどん近くなる。

この状況、頬どころか口にもされてしまう…。

ハッキリ言わないと…!


「や、やめて!こういうことは好きな人としたいので!」


私は手で口と頬を隠しながら少し睨みつけた。

近づけてきた顔がピタッと止まる。


「怒ってるの?そんな顔されたら服従させたくなるなぁ…監禁させて僕とスレイちゃんだけの世界で過ごして僕なしじゃ生きていけない位に」


えぇ…怒っても駄目なの…?

何か物騒な事言い始めたし。

今のシリウス様に何を言っても、何をやっても発言が怖いし…無駄な気がしてきた。


この国の王太子と王子2人ともメンヘラ癖があるってどうなってるのよ…。


よし、逃げよう。今は逃げるの一択。


私はそのまま立ち上がって走ろうとしたが、シリウス様は私の腕を掴みぎゅうっと後ろから抱きしめた。


「どうして逃げちゃうの?まぁ、逃げても離さないけどね。」


「もう!だから抱きついたりキスしたりしないで下さいって言ってるんです!!」

さらに力を強くするシリウス様。


「はぁ〜。スレイちゃんに触ると本当に落ち着くんだ。」


私の言ってる事なんて全然聞こえてない…。

はぁ…とため息をついた。

どうしたら伝わるのか…。


シリウス様は私の背中に顔をスリスリしてくる。

くすぐったい…。


「シリウス様…本当に止めてって言ってるのに…」


何を言ってもされるがまま、逃げだすのも失敗の状態に嫌気がさし、涙目になった私を見てシリウス様はうっとりとした表情になった。


「あぁ、今の顔ゾクゾクする…。スレイちゃんの泣きそうな顔も好きだなぁ」


シリウス様の笑った顔が怖くて私もゾクッとした。

小説で読むよりもメンヘラ感が凄い…。


「もう…嫌だ…」

私はシリウス様の体をグッと押して離れようとした。

それに気付いたシリウス様はハッと我に帰り私から離れた。


「ごめん…やり過ぎちゃった!!ここまで困らせるつもりは無かったんだけど…スレイちゃんがあまりにも可愛いからつい…!本当にごめん…!」


彼の態度が180度一気に変わり、いつもの明るいシリウス様になった。


「もう今は嫌がる事はしないから…。ごめんね、怖かったでしょ…?俺、たまに暴走しちゃう癖があって…これから気をつけるね。」


うるうるした目で私を見てくる。

普段通りのシリウス様で私はホッとした。


「いつものシリウス様だわ。良かった…。本当に気をつけて下さいね、怖かったしビックリしたんですから。」


「うん、分かったよ。あ!俺、もうそろそろ帰るね。短い時間だったけど一緒に話せて良かったよ。また学園で会おうね。」


そう言った後直ぐにまた私の頬にキスをした。


「…!!!」

私は自分の頬を手で隠しシリウス様を睨みつける。


シリウス様はまたニヤッと悪魔のような表情で笑う。

「ははっ。可愛いっ 隙あり過ぎ…」


そう言った後またすぐにいつものシリウス様に戻る。

「また来週会おうね〜!じゃあねスレイちゃん!」


シリウス様はそのまま領地を出て帰って行った。


「〜〜っっ!何なの〜!?」


ギャップというか二面性というかもう二重人格じゃない〜!!

あんなキャラだったっけ?!


駄目だこのままじゃ監禁ルートも増えてしまうかもしれない…

監禁ルートもアロイス様のスパイ行動も阻止して絶対にフラグ折りまくってやる!!


私はそう強く決意した。


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