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待ち合わせに来ないスレイ(1)

放課後サーシャはエントランスまで来ていた。


「今日は街へ行けたら一緒にスレイ様の好きなお菓子買ったりお喋りしながら楽しい時間を過ごそう。楽しみだな〜。」


ワクワクしながらスレイが来るのを待っていた。



待ち合わせから30分ほど経ったがスレイは来ない。


「おかしいな30分以上待っても来ない…どうしたのかしら…?教室まで迎えに行こうかしら。」


サーシャはスレイの教室まで行こうと歩いていた。

靴箱のところまで行くとルルドが立っていた。


「あ…王太子殿下。あの…スレイ様と待ち合わせしていたのですがまだ来なくて…お見かけしませんでしたか?」


「今日は君とスーで街へ出かけると言っていたな。俺も一緒に行く事にしたんだが…俺もスーを待っているがまだ来ないんだ。」


「えっ!!王太子殿下も一緒にですか…!?」


「俺がいると何か都合でも悪いのか?」

ルルドはサーシャを睨むように見た。


「いえ!!とんでもないです!!!そ、その…緊張するな〜って思って。ご一緒出来るなんて光栄です。」


睨まれたサーシャはビクッとなり恐怖心を必死に隠しながら引き攣った笑顔で答えた。


「それより…スーが来ないのが心配だ。教室まで行くか?」


「は、はい!!」

ビクビクしながらルルドについていこうとするサーシャ。歩いてるとピタッとルルドが止まる。


「ゔっっ…痛っっ」

サーシャはルルドが急に止まった事に気付かずルルドの背中に顔面を打ち付けた。


ルルドは後ろを振り返りぶつかったサーシャを睨む。


「ヒッッッ…たたた大変失礼しました。」


鼻を抑えながらペコペコと謝罪するサーシャを一瞬見て直ぐに視線を別の方向に向けた。


ルルドの目線の先にはシリウスがいた。

「あれ?サーシャちゃんと兄さん?」


「あ…!シリウス様!!あの…スレイ様はまだ教室にいらっしゃいますか?」


「え?スレイちゃんなら結構前に教室から出ていったけど…それにサーシャちゃんか兄さん、俺の教室に来なかったか?スレイちゃん教室まで誰かが迎えにきたって言って帰っていったけど…。」


「え?私は教室に行ってないですよ。ずっとエントランスで待ってました。」

「俺も教室には行ってない。」


「え…?じゃぁ誰がスレイちゃんを呼んだんだ…?」


「私、30分以上待ってましたがスレイ様全然来なかったんです。勝手に帰ってたりしないと思いますし…なんだか心配なので探しに行ってきます。」

「そうだね。でもどこを探せばいいのか…。中にはもう居ないと思うから探すなら外かな…。俺も心配だから一緒に探すよ。」

「ありがとうございます。王太子殿下、私達は向こうから探しにいきますね!」

シリウスはサーシャと一緒に走ってスレイを探しに行った。


ルルドも2人と反対方向の道から探しに行こうとした。


その時、反対側の靴箱から女子生徒の声が聞こえてきた。


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