約束 (4)
私は教室に戻りシリウス様の所へ行こうとしたがシリウス様は他のクラスメイトに囲まれていてなかなか話すタイミングがなかった。
それから何度かシリウス様に話しかけようとしたが話しかけてくるなというオーラを出しているように気がして近づけず結局放課後になってしまった。
私は勇気を出してシリウス様の所へ向かった。
「シリウス様…あの…ごめんなさい!!昨日は余計な事を言ってしまったかもしれなくて…」
「…何?スレイちゃん、俺に何か余計な事言った?」
シリウス様はキョトンとした顔で見ていた。
あら?違ったのかしら…。あの時はなんだか怖かったし怒ってると思ったけど私の勘違い…?
「えっ…?いや、何だかシリウス様が怒っている様な気がして…きっと私が何も知らないくせに生意気な事言ってしまったからじゃないかなって思って…本当にごめんなさい!」
「スレイちゃん…俺怒ってないよ。誤解させちゃったならごめんね。少し考え事してただけなんだ。」
「え…!?そうだったのですね…。良かった〜!ホッとしましたわ…。」
「俺こそごめんね。そんなに不安にさせてるとは思わなくて。」
「いえ、私もこれから発言には気をつけますわ。」
「いや、大丈夫だよ。気にせず対等に話して欲しい。俺にとっては貴重なんだよ気軽に話すことが許されるこの環境が。」
「シリウス様は優しいですね」
「それはスレイちゃんが優しいからじゃない?」
「?」
私は笑顔で話すと、シリウス様も笑顔を返してくれた。
「あの〜すみません…今スレイ・ダンパーネさんを呼んで欲しいと言われたのですが…」
クラスメイトの女子が私たちに伝えてくれた。
「あ、サーシャさんかルル様がきたのもしれません。
すみません、私先に帰りますね。」
「あぁ。また明日、スレイちゃん」
私はシリウス様に手を振りそのまま教室を出た。
そこにはサーシャでもルル様でもなく、初めて見る人だった。
「スレイ・ダンパーネ様でお間違えないでしょうか?ティア様が挨拶したいとお呼びなので一緒に来て頂きたいのです。」
「挨拶…ですか?」
「はい。ティア様が仲良くなりたいとおっしゃってたので一緒に来て下さいますか?」
ティア…?何処かで聞いたような…
私はその女子生徒についていった。