約束 (3)
「ところで、スー。シリウスと仲良くなったのかい?昨日は一緒に食事をしたと言っていたが。」
「はい。緊張してる私に明るく話しかけてくれた事がきっかけで…」
カイお兄様が真面目な顔していた。カイお兄様もシリウス様のことをあまりよく思っていないのかしら…。
「カイお兄様は…シリウス様とは面識があるのですか?」
「いや、僕は無いけれどアロイスとドウェインは王城であった事があるんじゃないか?なぁドウェイン。」
「そうですね。僕は何度かお会いした事があります。ただ…シリウス王子殿下とはあまり会話をした事がないので何とも言えませんが、彼は私達の事を嫌っているように思えました。彼の態度も目線も冷たくそっけなかったです。王太子殿下派だからという理由で距離を置かれてるのかもしれません。貴族の中で王太子派と第二王子派で分かれていて最近は特に派閥争いが酷いと聞くからね…。」
「そうなんですね…。派閥争い…シリウス様の事、ルル様は嫌いだったりしますか…?」
「俺はシリウスの事何とも思っていない。ただ、アイツの事は少し心配だ。何をしでかすか分からない二面性を持っている所はある。だからスーも気をつけて欲しい。」
二面性…。昨日私が感じたのは二面性の部分なのかしら…。
「皆様色々と教えてくださってありがとうございます。私そろそろ教室に戻りますね。」
「スー、シリウスには気をつけろよ。兄としてはあまり深く関わらないようにして欲しいのが本音だが…。」
カイお兄様はとても心配そうな顔をしていた。
「カイお兄様心配してくれてありがとうございます。取り敢えず、昨日私が何か無礼を働いてしまったのなら謝りに行ってきます。ルル様、また放課後に会いましょうね。」
ルル様にペコっとお辞儀をするとルル様はそれに対して手を振ってくれた。
私はすっかりカイお兄様に放課後出掛ける事を伝え忘れたまま教室へと向かった。
「ん…?ルル…また放課後って…まさかこの後もスーと会うの?」
「あー………デート?」
「デ…!?ルル…許さなさい。僕の許可なしでスーと出掛ける事は許さないからね…」
カイルの顔が鬼の様な形相になる。
それに対してぴくりとも反応しないルルド。
「いや、ピンク髪とスーがデートするから俺は護衛だ」
「ピンク髪…?サーシャ嬢の事か?ルル…名前くらい覚えろよ。スー以外本当に興味なさすぎだろ。なぁドウェインもアロイスもなんか言ってやれよ。」
呆れながらカイルはドウェイン達を見ると、
ドウェインとアロイスはビックリした顔をしている。
「いや…というかルルドが誰かに興味を持つなんて新鮮で…」
「同感だ」
2人はそれ以上言葉にならなかった。
「ま、そう言う事で放課後俺はスー達と出掛けるから」
そのまま席を立ってルルドは食堂から出て行った。