和やかなランチタイム
「ところで、君は何科なの?」
ご飯を食べ始めてから少ししてシリウス様はサーシャに話しかけた。
「そういえば、私まだ自己紹介もしていなかったですね…!失礼しました。私は魔法科のサーシャ・クロイスです。貴方は…?」
「僕はシリウス。今は研究科のクラスだよ。」
「シリウスさま…えっ!!もしかして第二王子殿下ですか??」
今まで全く気づかずに居たサーシャはビックリして動揺していた。
「ごごごごめんなさい!私そうとも知らずに…馴れ馴れしい対応を…」
「いや、いいんだ。このまま対等に接して欲しい。学園では身分関係なく色んな人と楽しく過ごしたいから名前で呼んでくれて構わないよ。」
「……!ありがとうございます。王太子殿下も第二王子殿下もお優しい方で本当に素敵です。」
「王太子殿下…?君、兄さんに会ったのかい?」
シリウス様の顔がピクっと引き攣り、表情が少し怖くなる。サーシャはそれに気付かずに話し続けた。
「そうなんです!私平民なんですけど…シリウス様と同じように、王太子殿下も対等に話してくださったんです。お二方共本当に優しくて心が救われました!」
「へぇ…。兄さんも同じ事言ってたのか。流石僕らは兄弟だな。」
笑顔だけど声色も目も笑っていない。やっぱりシリウス様はルルお兄様に良い感情は持っていない。
「スレイ様。また明日もランチに誘って良いですか?というか、これからもランチに誘い行きますから!」
「え?サーシャちゃん毎日ランチ誘いにくるの?僕だってスレイちゃんと一緒にランチしたいんだけど。」
「シリウス様、申し訳ないですけどここは譲れませんよ!女子同士で話したい時もありますし?」
「僕も譲れないな。研究科同士で話したい事もあるし?」
2人が何やら揉め始めている…。おかしいな…サーシャへの片想いが始まるのかと思っていたらそんなトキメキシーン何処にもないどころか小競り合いが始まってる。
「あのぉ…2人とも…これからも3人で食べたらいいのでは…?」
「スレイ様と2人で食べたい時もあるんです!」
「スレイちゃんと2人で食べたい時もあるよ。」
私に向かって2人が同時に言ってきた。
いや、何故…?
私モブよ?寧ろメインキャラの貴方達が2人でランチする光景の方がよっぽど自然なんだけど。
理解ができない。
でも2人とも意見も合うし気が合いそう。
「では…サーシャさんとシリウス様2人で食べたりはしないんですか…?」
「え!?何で!?食べないよ!」
サーシャとシリウス様は同時に言った。
2人共見事なシンクロ…本当に息ぴったり。そんな2人のやり取りが私にとって見てるだけでも楽しい時間になった。
「ええと…私は今日皆と一緒に食べるのとても楽しのでこれからも皆と食べませんか…?」
「スレイ様…。そうね!皆で食べましょ。」
「じゃあまた3人で明日も来ようか。」
取り敢えず解決し皆でわいわいと話していた時、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。




