ルルドの嫉妬
「お前らスーに触るな…。スーは誰にも触れられてはいけない存在なんだ。」
なんだかその姿はお気に入りのおもちゃを取られたくない子供のようだ。
「いやルルがっつり抱きついてるじゃん…」
「俺はいい。」
なんでやねん。と心でツッコむ。
「ルルお兄様、急にどうしたんですか?」
「ルルお兄様!?何々どう言う事!?」
アロイスは混乱していた。
「ルルは去年僕の家に休暇中に泊まっていた事があってね、そこで君達よりも早くスーには会っているんだよ。スーもルルを家族の様に慕ってるからそう呼んでるんだ。ルルもスーの事、僕同様に溺愛してるからスーといる時はいつもこんな感じになるんだ。」
「ルルドが何かに執着してるの初めて見たな。」
「あのルルドが!?信じられない…」
アロイスもドウェインも呆然としていた。
「あの、ルルお兄様…そろそろ離していただけますか?」
「嫌だ。」
えっ?!とビックリするアロイス達
「さっきアロイスがスーと顔が近かった…もうアロイスとドウェイン、スーに近寄るな。…そうだいっその事…2人の存在消してしまえば…。」
「いやいやいや。ルルド君…いやルルド様落ち着いて!!俺たち別に妹ちゃんの事狙ってないから!」
全く聞く耳もたないルルお兄様。不穏な空気が漂ってる…これはちょっとまずいかも…
カイお兄様をチラッと見ると、またどうにかしてとジェスチャーでお願いされた。…仕方ない…。
「ルルお兄様。お2人にはただ挨拶して頂いただけで、その時私の目が気になっていただけです。それにルルお兄様とカイお兄様の大事なお友達なので消すとか…そんな言い方悲しい…」
「ごめん…もう言わない」
よしっ成功した。
チラッとカイお兄様を見ると感謝された。
アロイス達はルルお兄様の姿にビックリしてぼーぜんとしていた。
「ルルが素直に誰かの言う事聞いてるなんて…明日雪でも降るのか?」
「ああ、ルルドのこんな姿も初めて見たな」
「ははっ妹ちゃんスゲーや!最強だな」
アロイスは笑っていた。
「スー。なんでここにいるんだ?危ないから寮に帰りな…」
ルルお兄様過保護だなぁ…本当にカイお兄様が2人いるみたい。
「カイお兄様に用事があったんですがもう帰る所なんです。皆様忙しいのにお時間を頂きありがとうございます。」
私はアロイスとドウェイン達に挨拶をするとまたねと手を振ってくれた。
「スーを送るから先に行っててくれ。」
何故かルルお兄様がいっしょに着いてきた。
「ルルお兄様。私1人で帰れます。」
「駄目だ。何かあったら危ないから一緒にいく」
ここは何がなんでも付いてきそう…。
「…わかりました。心配してくれてありがとうございます。」
笑顔で返すと、またルルお兄様の周りにお花が咲いていた。
…嬉しそうだな。
アロイスとドウェインは最後まで初めて見る光景にただただぼーっとていた。