天使の笑顔
ルルドお兄様に抱き寄せられた後
またさらにギュッと強く抱き寄せられた。
「スーに出会えて良かった。こんなに心が穏やかな気持ちになれるのはスーが居る時だけだ。」
びっくりしてルルドお兄様の顔を見ると、今まで見た事のない柔らかく綺麗な笑顔でこっちを見ていた。
な…天使!!
可愛すぎる…
胸キュンやばい…
こんな表情も出来るの!?ズルい…っ!
こんなの見たら世の女性はコロっと堕ちる人続出するよ…。
「ルルドお兄様…あのっ…そろそろ離して下さい」
流石に異性に抱きつかれるのは慣れない。
しかもその笑顔で…
画力レベルヤバすぎて
顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。
「頬赤らめてるの?可愛い…。ねぇスー。もうお兄様呼びは卒業してこれからルルって呼んでもいいんだよ?呼んでくれるまで離さないから。」
天使の様な笑顔に甘い声…
ダブルパンチ過ぎてキャパオーバーになりそう。
いや愛称呼びは流石に…
婚約者でもないのに無理よ。
え〜〜なんかこの展開フラグ立ってない?
私ヒロインでも何でもないのに
何処で変わっちゃったの…?
でも愛称呼びしないと絶対離してくれなさそう…
どうしたものか。
「流石に愛称呼びは…」
言いかけるとガシッと肩を掴み、
更に綺麗な笑顔が私の顔に近づく。
圧が凄い…。
「ル…ルル…お兄様
近すぎです!流石にこれ以上は…」
ルルお兄様の胸を手でぐいぐいと押しながら
離れようとした。
「お兄様はもう要らないんだけどな…。及第点だな。」
ルルお兄様は一瞬ガッカリした顔を見せたが
愛称で呼ばれた事に喜び満面な笑みを見せ離れてくれた。
とりあえず満足そう。
良かった…。
心臓に悪いわ…イケメンの笑顔とハグ。
今まで見た事がない機嫌の良さで
ルルお兄様は私の手を引っ張ってホールまで向かった。
そんなルルお兄様を見て少しドキドキしてる私。
ルルお兄様のこういう可愛い所に私ちょっと弱いかも…。
そんな時ふと頭の中に前世で読んでいた小説のストーリーが浮かんできた。
あれ…?『最恐王子』の小説
王太子の名前、ルルドじゃなかったような…
私の中でストーリーも登場人物もごちゃごちゃになる。
一度整理する必要がありそう。帰ったら紙に書いてみよう思い出せる限り。
私の中にある不安や不穏な気持ちは拭いきれず
入学式が早く終わらないかとそわそわしていた。
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