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断罪(3)

王座の間にいる貴族達はどよめく。

「まさか…。あんなに優しくて綺麗な王妃様が!?一体何をしたんだ?」

「王太子の話と何か関係でもあるのか?」


そんな声が聞こえる中、王妃は焦りながらも否定をした。


「いいえ!ヴェティス様!私は何もしておりません!」


「そうね。貴方は自分を守るために人を殺してきたんだもの。生きる為と言ったら聞こえがいいかしら?そうやって何度も何度もこの世界を滅ぼしていったのを私は今まで黙って傍観する事しか出来なかったけれど。やっと貴方に罪を償ってもらえるチャンスが出来たわ。スレイには感謝しないとね。」


「人を…殺す?!」

「王妃様が…?」


ざわざわと周囲の声も大きくなる。


「まって…待って!何かの勘違いだわ!!本当にそんな事していないわ!ヴェティス様のような神様が私を貶めるなんてあってはならない事だわ!」


「あら、まだそんな事言ってる余裕があるのね。では、皆様にお見せしましょうか。」


ヴェティス様は皆の前に手を伸ばし指をパチンと弾く。その瞬間、離宮の部屋へと場所が変わった。

集まっていた貴族達もさっきまで王座の間に居たのにもかかわらず今は別の場所にいる事で困惑していた。


「これは私の力ではなくて他の神がスレイに与えた力…過去に戻る能力よ。体は流石に沢山持っていけないから魂のみここに連れてきたわ。貴方達皆に見てもらうのはこの王妃の部屋よ」


王妃の部屋の中にはサラが1人でいた。

「そうだわ!!あの王妃を殺してしまえばいいのよ!いつものあのお茶に入れて出せば…上手くいくはず。」


場面は変わり、元王妃が亡くなった日になった。

元王妃が眠っている場所にサラは1人でいた。

そして元王妃が眠っているような顔で横たわっていた。


「まさか…こんなに上手くいくとは思わなかったわ!これで私も王妃、息子のシリウスも王太子になれるわ!!後は服従の魔法で陛下の心も操ればこの国は私のもの!!」


甲高い声がホールに響き渡る。

それを見ている人達は声も出ずポカンと口を開けて見ていた。


その瞬間、ヴェティス様はパチンと指を鳴らし元の王座の間に戻った。



「今のは…王妃様が元王妃様を殺害していたという事…だよな…。」

貴族達は王妃様を見る。その視線に耐えきれず焦り出す王妃。


「い、いいえ…いいえ!これは違うんです!ヴェティス様!」

「あら、何が違うのかしら?」

「これはデタラメよ!!」

「それは神の力がデタラメという事?良い加減にしなさい!」


ヴェティスが大きな声で叱責すると王妃はガタガタと震えだした。


「何で…何で!何もかも上手くいってたじゃない!!」

王妃は崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。


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