表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

147/157

王座の間(3)

「あの、ルル様…今から一体何処へ行かれるのですか?」


ルル様はニヤッと笑う。


「ハッピーエンドの結末が見れる場所だよ。」


(ハッピーエンドが見れる…?)

私は訳も分からずそのままルル様に手を引っ張られ連れられて行った。



「ルル様…ここって…」


ルル様が足を止めた場所は王座の間だった。


「スー。今からこの中に入るんだが…スーにもヴェティス様にも協力して欲しい事があるんだ。」

「わ、私にもですか…!?王座の間には人が沢山いるんですよね…?」


(端っこで見ていたかったけど協力って事はきっとそうはいかないわよね…)


「そうだね。大勢ではないが人は集まっている。スーは苦手な場所かもしれないけど。ここでスーが頑張ればきっとこれからスーが危険な目にあう事もなくなる大事な機会なんだ。」

「やっぱり…ルル様はいつも私の事を考えてくれてますね。」


ルル様は無理にこんな事をしようとはしない。きっと私の為に何か考えての事なんだろう。


私は手をギュッと握りながら決意を固めた。


「分かりましたわ!私に出来ることがあるなら、ルル様に協力させて下さい!」

「ありがとう。俺はずっと隣に居るから安心して。」

「はい!」


王座の間の扉が開かれ、私達は中に入った。

既に沢山の貴族の人々が王座の間に集まっている。中に入った瞬間人々の視線が一気に私達に集まった。


沢山の視線が私を緊張させ、体が固まってしまう。思わずルル様の服をギュッと握ってしまった。


ルル様はそんな私の手を見つめフッと優しく笑う。


「スー、大丈夫だ。怖くないから安心して。」

「は、はい。」


ルル様は私から目線を外すと先程までの優しかった笑顔とは真逆に怖い顔で周囲を睨みつける。


王座の間にいる人達はルル様のオーラに怖気付き、恐怖と同時に目を逸らす。


「さぁ、行こうか。」

「は、、い…。」


ルル様は私の手を引き、そのまま陛下が座っている王座の前で止まった。


「陛下、連れて参りました。婚約者のスレイ・ダンパーネです。」

「国王陛下にご挨拶を申し上げます。」


私は顔を下げたまま挨拶をした。


「よい。顔を上げろ。」


陛下に言われた通りに私は顔を上げた。

国王陛下はルル様に似て無表情で私を見ている。


「そなたが私の息子、ルルドの婚約者か。」

「はい。」


私が緊張を隠せず震えているのを見て、陛下は少し表情が柔らかくなった気がした。



ブクマや★★★★★をポチポチ押して応援してもらえるととても励みになります...!よろしくお願いします・・・!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ