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王座の間(2)

「スー、申し訳ないが今日はこの後勉強を教えることができないんだ。」

「そうなんですの?分かりましたわ。お部屋で自習しておきます。」

「いや、スーにも一緒に来てもらいたい所があるから食事が終わったら俺とついてきて欲しい。」

「カイお兄様と?どこかお出かけですか…?」

「いや、出掛けるわけではないんだけど。まぁ楽しみにしておいて。」

「? 分かりましたわ。」

「因みに俺も一緒に行くから。」

「ルル様もですか?」


2人はいつもと変わらない表情で淡々と食事をしている。

そんな2人からついてきて欲しいと言われた場所なんて私には想像もできなかった。



食事を終えて私達3人は部屋から出た。ルル様とカイお兄様達は準備があるからと別の場所へ行ってしまったので私は自分の部屋で待機していた。


(何かしら…何だかソワソワしてしまう…苦手な事だったらどうしよう)


私は自分を落ち着かせようと深呼吸してソファに座って目を瞑った。少し落ち着いてきたと同時に昼食を取って後だからか眠気が襲う。


(少しだけ…)


私はそのままソファでうたた寝をしていた。





「…、スー?スー起きて。」


「う…ん?」


私の横からルル様の声が聞こえてきた。

目を開けると隣にルル様が座っていた。


「ル、ルル様…!ごめんなさい少しうたた寝してしまいました。」

「いや、いい。いつも勉強漬けで疲れているんだろう?」

「ええ、まぁ…。あ!準備が出来たんですね!?お迎えに来てくれてありがとうございます。行きましょう?」


ソファから立とうとした瞬間私はルル様に抱き寄せられた。


「ど、どうしたんですか!?」

「いや、本当にスーとこうして一緒に話したり過ごせる事が嬉しくて。目が覚めない時は本当に絶望的だったから。」

「ルル様…。」


私もルル様の背中に手を回し抱きしめた。


「本当に心配かけてごめんなさい。」


私がルル様の背中に手を回した瞬間ルル様はびっくりするように目を大きく見開き私の顔を見つめる。


「スーが抱きしめてくれたの初めて。…嬉しいよ。」


ルル様は私の頰にそっと手を置く。

ルル様との距離がだんだんと近づき、私が目を瞑った瞬間ルル様は私にキスをした。


「スー愛してる。こんなに人を愛おしいと思える日が来るなんて想像もしなかった。俺は生涯スーだけに愛を誓う。」

「ルル様…。」


私とルル様はもう一度キスをした。


「私もルル様をお慕いしております。」


ルル様は綺麗な笑みを浮かべ頰にキスをしてくれた。

ルル様の笑顔は滅多に見れないけれど笑顔を見る度に心がくすぐったくなる。

私は少し照れて俯いた。


「スー、そろそろ行こう。続きはまた後で…。」

「つ、続き…!?」

私が顔を真っ赤にしているとルル様はクスクスと笑った。


ルル様は「行こう」と私の手を取り一緒に部屋を出た。


「あの、ルル様…今から一体何処へ行かれるのですか?」


ルル様はニヤッと笑う。


「ハッピーエンドの結末が見れる場所だよ。」




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