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意識の世界(4)

「貴方はこの世界の結末を変える為に私が異世界から連れ出し転生した。そして結末がバッドエンドからハッピーエンドに変える事に成功して役目を終えた。役目を終えたから貴方は今ここにいる。」



(役目を終えたら私は亡くなる運命だったの…?ルル様の運命のつがいとしての『神様の贈り物』ではなかったということなのね。)


私は落ち込み俯いてしまった。

そんな私をみたヴェティス様はフフッと声に出してしまう。


「本当は役目を終えた褒美に貴方の元の世界、つまり貴方の前世で亡くなる前に戻すか、好きな世界に転生させてあげようと思っていたの。だけど…見て。」


ヴェティス様は水面に映るルル様を指差した。


そこに映っているのは私が亡くなった後、ルル様が冷たく恐ろしい表情をして王妃や王妃側についていた仲間、今回の事件に関与していた人達を皆処刑している光景だった。


「この後も見てみる?」

「この後?これは未来が見えるの?」

「そうよ。貴方が亡くなった未来は、王太子がこの国の王となった後はまるで悪魔のような存在だと怖がられているわね。他の人間なんてどうでもいいように切り捨てる光景も見えるわ。」

「ルル様が!?どうして…」


ヴェティス様は苦笑しながら私を指差す。


「貴方が亡くなった事で寂しさと孤独を埋められないようね。自分の心を閉ざすかのようには人道的で冷徹な王になってしまう。見て、弟とも亀裂が入って最後には弟にも剣を向けてるわね。これって…ハッピーエンドと言えるかしら?」


私は首を振る。


(結局この国が幸せになっていない。それよりもあんなにルル様が幸せそうに笑っていたのに…)


「どうやら私の加護が強すぎたのか、それともこの王太子様は貴方の事を心から愛してしまったのか。こんなに壊れる程貴方の事が本当に好きだったのね。」

「私の事が…。」


ルル様の事を考えると私ももう一度会いたいと心が揺れる。涙も込み上げてくる。


「貴方のお兄さんにも、小説の主人公にも、王子様2人にも皆に好意を持たれていたのは私の加護もあるけれど貴方が本当に心が綺麗で魅力的だったから…と私は思うわ。」


ヴェティス様は私の涙を拭き取ってくれた。


「どうやらこの王太子様、いえ…この国は貴方が生きていないとハッピーエンドにはならないようね。貴方をこの世界に私は戻したいと思って探していたのよ。あの世に行ってしまったら別の世界か、もう一度やり直してもらうか…どちらかになってしまうもの。さあ、貴方はどうする?スレイ・ダンパーネ。」


「私は…」

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