光魔法の治療(2)
病院につき、医者に診てもらったスレイは目覚める事はなくベッドで寝ている。
「スーはどうだ?」
「はい、殿下。光魔法を使用した方のお陰で解毒も進んでおります。刺されてしまった場所も綺麗になっているので問題ないでしょう。輸血もしておりますし、後は毒が抜けきって目が覚めるのを待つだけです。」
「そうか…。ご苦労だった下がっていい。」
「はい。」
「スー…。」
ルルドはスレイの手を握る。
「早く目を覚ましてくれ…。スーが笑っていないと俺は不安なんだ…」
コンノンとドアがノックされる。
「入れ。」
入ってきたのはカイルとドウェインだった。
「スー!!」
カイルは走ってスレイに近寄った。まだ目が覚めないスーを不安そうに見つめる。
「スーは大丈夫なのか?いつ目が覚めるんだ?」
「サーシャが近くにいてくれたお陰だ。光魔法の治療で殆ど傷もない。後は毒が抜けて目を覚ませば…」
「良かった…。スー、兄さんだよ。分かるかい?早く目を覚まして…。」
カイルはスレイの頭を撫でる。
「カイル、ドウェイン、犯人は捕まえられたのか?」
「はい。犯人は捕えました。今王城の地下牢にいれてあります。犯人は認識阻害の魔法を使っていたと思われます。空の魔法石が落ちていたが、調べると中には認識阻害の魔法を使用した後がありました。恐らくコレは犯人が持っていたものだろうと思われます。」
「認識阻害か。厄介なものを手に入れているな。単独犯ではないだろう。後ろに誰がついている?」
「今から地下牢に尋問に行く所です。」
「そうか、なら俺が行こう。カイル、お前はスーについていろ。」
「分かった。」
ルルドはドウェインと一緒に部屋を出ていく。
カイルはスレイが寝ているベッドの側にある椅子に座った。
「スー、兄さんが来たよ。」
カイルはスレイの手を優しく握る。
「ルルを守ってくれたんだってね。とても勇敢だったね。だけど…あの場に俺がいたらスーをこんな事にはさせなかったのに悔やまれるよ。なんで俺は一緒に居なかったんだろう…。スー、早く目を覚まして。」
カイルはスレイの手をギュッと握りしめた。