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王太子殿下の訪問(4)

「スレイ、お前の気持ちもちゃんと聞きたい。もしここで言いづらいのなら私達は席を空けよう。2人で話し合ってくれてもいい。」


本当は王族からの申し出に断る事なんて出来ない。断ってしまったらお父様の立場も悪くなる。お父様はそれを承知の上で私を優先してくれている。


なんて素敵なお父様なのだろう。私はお父様の事も大事だけどそのお父様が私を尊重してくれている。ここは本当の気持ちをしっかりと伝えないと…誠意を見せないと。


「お父様お母様、お気遣いありがとうございます。カイお兄様も心配して下さりありがとうございます。そして、ルル様もこんな私に婚約の話をして下さるなんてとても光栄に思っております。ただ…私に王太子妃という立場が務まるとは到底思えません…ただ…急な申し出でビックリしましたが、ルル様は何か他に理由があって婚約という話を私に打診しているのではないですか?」


両親もカイお兄様も少し驚いた顔をしているがルル様は表情を一つも変えずにじっと私を見ていた。


「他に理由…というのはどういう事だ?スレイ。」


お父様は少しピリついたような言い方をした。私が不敬な事を言っているように聞こえたのかもしれない。


「ルル様ごめんなさい…。婚約という言葉を聞いてびっくりした時に不意に目の力が動いてしまって…ルル様の心が視えたのです。何か思い悩む事がある…何かを危惧している色が視えましたわ。無理にとは言いませんが…私に話せる範囲でも構わないので教えて頂けますか?」


ルル様はずっと表情を変えず私の目を見ていたが、フッと笑った。


「やっぱりスーには分かるんだな。俺が婚約の申し込みをしたのはそのスーの力を守るの為でもあるんだ。」

「私の…力ですか…?」

「あぁ、魔獣と話せる事、瘴気を払うことが出来る力があると、どこからか王妃の耳に入ってしまった。」

「瘴気を払う…?私は光魔法や聖魔法は使えませんが…」

「スーが視えている心のモヤや黒く濁っているものは恐らく人間の心にたまる瘴気だ。それを払い除ける事が出来る力もある。そんなスーの力を利用する為に研究材料にするか邪魔と判断して殺すのかは分からない。ただ目をつけられて危険な状態なのは確かだ。」

「な…っ! スーが王妃様に目をつけられている…!?ルル、それは確かなのか!?」

「あぁ、間違いない。だから俺はスーを守りたい。婚約者という立場なら1番近くで守れるし、護衛も沢山つけられるから。」

「そういう事情だったのですね…合点がいきました。王妃様の噂は少しだけ耳にしておりましたがどれも良い噂ではありませんでした…。この噂は事実かもしれませんね。」

「スー、スーの気持ちも分かるが…俺はスーを守りたい。先ずは候補でも良いから俺のそばに居て守らせてくれないか?」


ルル様は私の前に膝をつき手を取った。


「ルル様…。」


「ちょっと待った!!!」


ドアがバタンと開き大きな声が聞こえてきた。


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