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王太子殿下の訪問(3)

「王太子殿下、お疲れになったのではないですか?今日はゆっくりと過ごして下さい。」


少し緊張しながらお父様はルル様に話し掛ける。部屋の中には両親とカイお兄様、ルル様と私4人がいた。


「ああ。」

「それで…この度足を運んで下さったのは、以前学園で魔獣が現れたとか…。魔獣は主にこのダンパーネ領に生息している生き物が故、私達に不備がないかどうか視察にこられたのでは…?」

「いや、その魔獣の事ならもう解決している。陛下も特に気にはしていないだろう。」


お父様はホッとした顔をしていた。


「それでは、息子達の一友人として今回は遊びに来られたという事でしょうか?」

「ああ…急に来てしまって驚かせてしまったのか。カイルの友人として遊びに来たのだが、本題はスレイ嬢の事で…。」

「む、娘ですか…?」

「ああ。是非、スレイ嬢を私の婚約者にと考えているので許可を得たくここに来た。」


「こ、婚約者ぁあ!?」


カイお兄様と私の声がシンクロしてしまった。


(え!?聞いてないどういう事!?王太子の婚約者!?王太子妃の教育とかもそうだけどそもそも私には不向きな立場だわ…)


「お、おいルル、俺は聞いてない!」

「先にお前に言うと絶対断るだろう?」

「当たり前だろ!?ルルは王太子なんだ!スーを王太子妃になんて…そもそもスーにはそんな…」

「カイル、少し落ち着きなさい。お前は昔からスーの事になると周りが見えなくなるからな…。」

「す、すみません…。」


カイお兄様は落ち着きを取り戻す為、深く深呼吸する。お父様も複雑そうな顔をしている。


「まぁまぁ。王太子殿下、息子のご無礼をお許し下さい。王太子殿下にお聞きしたいのですけど何故、娘を婚約者にと思ってくれたのでしょうか?」


落ち着いた声で穏やかにお母様はルル様に問いただした。


「スレイ嬢…スーは俺にとって特別な存在で側にいるだけで心が穏やかになる陽だまりのような人で…。俺にはスーが必要なんだ。」


「まぁ…!娘の事をそんな風に思ってくれているなんて…。」

「王太子殿下のお気持ちは理解致しました。此方としても願ってもないお言葉で二つ返事で返したい気持ちはありますが…娘の気持ちを第一に考えたいと思っております故、何卒ご容赦頂きたいです。」


お父様は私の顔を見た。

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