表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君をまた

掌編小説です。

高一の秋。君は死んでしまった。さよならも言わず突然。聞いたところによると車に轢かれたとのことだ。


それから、僕の毎日は灰色になってしまった。いつも一緒に帰っていた道も、君と一緒に行ったレストランも、君と一緒に見た映画でさえ。


僕は生きがいをなくしてしまったみたいだ。明るい笑顔の君。映画を見て泣く君。パスタを美味しそうに食べる君。そのどれもが愛おしくて可愛かった。それを失った今はもう、生きる気がしない。


だから僕は死んだんだ。


君に会うために。


君はきっと天国にいるでしょ?僕もそっちに行くよ。だから待っていてほしい。広い広い天国でも僕がきっと探し出してみせるから。


いざ天国に来てみるとだだっ広い雲が広がってるだけだった。感触としてはふわふわしてるけど足を取られる感じ。これは君を探すのには苦労しそうだ。


歩き続けて数日。ちらほら人は見るものの君はいない。ずっと雲の上を歩き続けているだけだ。不思議にもお腹も空かないし、喉も渇かない。疲れてもずっと君だけを想って歩き続けるよ。


あれからまた数日。人が多く集まっているところまで辿り着いた。みんなで地上の様子を見たり話をしたりして楽しんでいる。


その中に君の姿を見つけた。やっと・・・・・・!やっと・・・・・・!君を探し出したんだ!


小走りで駆け寄る。君を抱きしめたい気持ちでいっぱいだ。


君がこちらに気づく。


・・・・・・え?なんでそんな怯えて逃げるんだ?僕が君に会いに来たんだよ?


すると君はこう言った。


「なんでここにいるのよ!?来ないでストーカー!!!」


あぁ。ここでも君、いや()()はそんなこと言うんだ。こんなにもお前を好いているっていうのに。


そうだった。君が車に轢かれたのも僕から逃げていた時だったね。またあの鬼ごっこしよっか。


だってお前はまた死にたいんでしょ?


じゃあ僕がその願いを叶えてあげるよ。お前の望みはぜーんぶ叶えるから。


逃げ惑うお前に追いつく。


「いやっ。こ、来ないで・・・・・・」


僕は優しく背中を押した。


天国から堕ちていく君をいつかまた探し出すよ。


じゃあ。()()()

お読みいただきありがとうございました!

面白いな、いいなと思っていただけたら、ブクマなどよろしくおねがいします!


『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にしていただけるとありがたいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ