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Destiny Disaster   作者: いのせんと
8/10

朱雀との出会いI



            ==6年前==


ナイト「じゃあ、行ってくるね。お母さん。」


ーー当時ナイトは7歳、産まれて来たメアリーに首飾りを作る為、緑地で滅多に現れない星鹿のツノを取りに行く最中である。



ナイト母「気をつけて行ってきてね。くれぐれも怪我はしないでね?」


ナイト「大丈夫!産まれてきた妹の為にも必ず星鹿のツノを取ってくるから!いってきます!」


ーーナイトは母との会話を終え、家を出ると緑地へ向かった。緑地の道のりは長く、数々の動物や景色を堪能し、すっかり大自然に心を奪われていた。


ナイト「お!これはグロリオサの花だ。なんかすごく綺麗だから持って帰ろう。」


ーーナイトは道に生えていたグロリオサの花を摘み、リュックは詰めてまた歩き出す。しばらく歩くと大きな滝があり、ナイトはそこで休憩をとる。


ナイト「なんかこの滝の水あったかいな、」


ーー不自然な熱を持つ滝の水に疑問を持ちつつも石に座って休憩をとる。

10分くらい経った頃、滝壺に何かが落下した音が付近に響き渡る。


ナイト「な、なんだ!今‥何かが落下した音が聞こえたけど‥」


ーー疑問に思ったナイトは滝壺に近づく。一歩一歩近いていく。そしてある程度近づいたところで滝壺に溺れている大きな鳥を見つけた。ナイトは急いで持っていたロープを使い救出を試みるが滝壺の強烈な水の流れで思うように足が動かせない。ナイトは水中の中で沈んでいく鳥を見て心の中で産まれてきた妹を思う。


ナイト「俺は‥今何をしてるんだ‥ここで俺が危険を犯して助けに行く必要があるのか?‥そもそもこの鳥はもう死んでるかも知れない‥諦めて帰るか‥」


ーーナイトは心の中で諦めの言葉を口にしていたその時。


???「助け‥て‥」


ナイト「?!」


ーー水中から声が聞こえる。


???「お願い‥助けて‥‥」


ーー声を聞いたナイトは無意識にロープを一度近くにあった岩に固定し、

水中の鳥に向かっていた。


ナイト「何やってんだろ俺‥‥」


ーー激しい水流がナイトを襲う。それでも、もがき続け前へ前へと進んでいく。何度も激しい水流により木や石がナイトの身体にダメージを与えていく。それでも着実にナイトは鳥の方へ泳ぎつづけ、そして鳥の片翼を掴むことに成功した。


ナイト「この鳥、なんかめっちゃデカくないか?‥。まぁいいや。とりあえずこの鳥を岸まで‥」


ーーと言ったその瞬間、ナイトは右足に違和感を覚える。右足を見ると水流で流れて来たツタや草がナイトと地面を繋ぐように絡まり、ナイトは浮上できなくなってしまう。


ナイト「しまった。やばい。どうしよ。これじゃ上がらない。くそっ。くそっ。」


ーーナイトの必死な抵抗にも自然は容赦なく猛威を振るう。何度も何度も抵抗をするが、その度に流れて来た草で足が絡まり、遂には両足とも固定されてしまう。


ナイト「あーーダメだ‥‥。だんだん意識が遠くなっていく‥。」


???「‥!!」


ナイト「まただ‥また声が聞こえる‥。」


???「君はまだ死ぬべき人間じゃない。私の力は私が人間に与えることによって初めて真価を発揮する。君がこの力にふさわしいと思った。いやそう思いたいと思った。だからこの力を使ってくれ‥」


ーーナイトはその声を聞いた直後、心の奥に真っ赤な炎が宿り、産まれてきた妹を思い出す。


ナイト母「ナイト‥あなたの妹よ。名前はメアリー。」


ーー閉じかけていたナイトの瞳が真っ赤な炎と共に開く。そしてその瞬間、滝壺の水がどこかに消える。ナイトはその場で倒れ、眠るように気絶した。


???「起きなさい。」


ーーそれから数時間が経った時、謎の声によりナイトは目を覚ました。目を覚まして視界に入ってきたのは大きな鳥の背中だった。


ナイト「お前が滝壺の外に連れてきてくれたのか?」


???「朱雀と呼んでくれ。ひっぱりあげるくらいしかできなかった。」


ナイト「俺はナイト、朱雀ありがとう。」


朱雀「礼を言いたいのは私の方だ。本当にありがとうナイト。」


ナイト「なんで朱雀は流されてきたの?」


ーーナイトがそう言うと朱雀は片翼のケガを見せる。


ナイト「そのケガ‥早く手当てしなきゃ。」


ーーナイトは持ってきたリュックから包帯とグロリオサの花びらを取り出し傷口を処置した。


ナイト「このグロリオサの花はたまたま道で拾った花なんだけどなんとなく朱雀に似合ってるからつけとくね!」


朱雀「ナイトは面白い人間だ。私は人間は自分のことしか考えてないものだと思っていたがそうじゃないみたいだな。」


ナイト「いや、あながち間違ってないよ。基本的に俺も自分のことしか考えてないし、でもみんな、守りたいと思える存在の為なら自分を犠牲にするバカな生き物なんだよ。人間ってのは。」


朱雀「だがその理屈でいうと私はまだ会って間もない。守りたいと思える存在にならないと思うのだが。」


ナイト「それは気まぐれで助けることもあるし、何より朱雀が助けて欲しいって言ったじゃん。でもね、なんだかんだ言ってるけど朱雀を助けたいと思った1番の理由は朱雀がこの森を愛してるように感じたからかな?」


朱雀「ナイト‥君は本当に面白い人間だ。」


ナイト「てかなんで朱雀みたいな強そうな鳥が馬鹿みたいに翼をケガするの?」


朱雀「君は失礼だな‥‥。まぁ説明すると長くなるが‥」


ナイト「全然いいよ。説明して。」


ーー朱雀は少し沈黙した後、説明を始める。


朱雀「3日前からこの森に巨人族が住みつき始めたんだがその巨人族がどうやら巨人族の中でも国から逃げてきたいわゆる異端者たちだったんだ。巨人族の長はこの森の資源やそして私の宝玉に目をつけ森の木や動物を片っ端から狩っていった。今じゃ森1割は狩られてしまった。」


ナイト「ちょっと待って!宝玉って何?」


朱雀「あぁ‥すまない。宝玉とはこの森、いやこの島全体を守っている言わば結界のようなものだ。緑の宝玉は玄武、青の宝玉は青龍、白の宝玉は白虎、そして赤の宝玉は私、朱雀が守っている。この宝玉はそれぞれ東西南北の絶妙な位置に配置されている。この四つの宝玉を線で結び森の中央の石盤上空1000Mを結んだ半球状のものが結界になっている。これを動かすと島の結界の範囲や形、高さが変わってしまうから絶対に動かしてはいけないんだ。だが巨人族は高く売れそうって理由だけで宝玉を盗み出そうとした。そしてここにしかいない生物を違法なルートで売り捌く為、今もこの森で破壊の限りを尽くしている。私もこの森の為に戦ったが、」


ナイト「結構事態は深刻そうだね。うちの国の治安隊に捕まえてもらおうよ。」


朱雀「その治安隊というのは人間の組織なのか?」


ナイト「そうだよ!悪い人間を捕まえる人たちなんだよ!」


朱雀「すごく言いづらいのだがおそらくその治安隊とやらの中に巨人族とグルの人間がいる。」


ナイト「え、、」


朱雀「私が巨人族と接触する前、治安隊と巨人族が会話しているところを聞いてしまった。やはり人間というのは自分のことしか考えてない奴らだと思った。だがナイト‥君は違った。今はその治安隊とやらは頼れない。力を貸して欲しい。どうかお願いだ。。」


ナイト「もちろん!最初からそのつもり。で、俺は何をすればいいの?」


朱雀「ナイトは知り合いに国の上層部にあたる人間はいないのか?」


ナイト「んーー居ないかなー。あ、でも俺のお父さん帝隊で働いてるよ!一応お父さんにもこの話しておこうか?」


朱雀「出来ればお願いしたい。ナイトの親なら安心できる。なるべく早く伝えてもらいたい。」


ナイト「わかった!!今から帰ってこの現状を伝えてくる!!またすぐ来るからここで待っててね!絶対だよ?」


朱雀「わかった。待ってる。」


ーーそう言うとナイトは急いで山を降りた。お父さんの職場に向かう為に‥


人物説明

•オーガ•ローラ→ナイト、メアリーの母 王魔族 A型  6月20日生まれ


•朱雀→炎のエレメントをナイトに渡した精霊。非常に冷静だが優しさに溢れる鳥の精霊。どこか不死鳥にそっくりな見た目。


•巨人族→体の大きな一族でパワーが人間とは桁違いに強い。


•帝隊→第一帝隊から第四帝隊まで存在しそれぞれがそれぞれの任務をこなす。戦争や暴動が起きた際にはその規模に応じて出動する。(作中に置いてこの帝隊が1番重要☝️)


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